今日は、諸事情により、超簡単に…。
4月26日、民主党の輿石幹事長は、小沢氏の無罪判決を受け、来月7日の党役員会で小沢氏への党員資格停止処分の解除手続きに入ると明言した。
資格停止が解除されれば、小沢氏は昨年の2月15日に、自身が強制起訴されたことや、国会での説明をしていないことなどを理由に党員資格を停止されて以来、10か月振りの党員復帰となる。
今回の無罪判決を受け、民主党内の小沢系とそれ以外の議員達との間で明暗はくっきりと別れた。
判決が言い渡された後の26日昼、小沢氏を会長とする「新しい政策研究会」の会合には、約100人の議員達が集まり、集まる中、東祥三事務総長が「私たちが戦っていく新たなスタートが切られた」と宣言。倒閣の狼煙を上げた。夜も、都内のホテルに小沢系議員が集結し、無罪を勝ち取ったことを祝ったという。
特に小沢氏に近かった議員にとって、無罪判決は胸に迫るものがあるようで、「新党きづな」の内山代表は、「震えるくらいうれしい」と感激し、小沢氏の元側近だった、松木謙公議員も、「本人の気持ちを考えると、この何年間か、つらかったのではないか。罪が晴れてよかった」と述べている。また、小沢チルドレンも、無罪を告げられると涙を浮かべ、「ほっとした」、「司法に正義は残っていた」 と語っている。
一方、同日昼に行われた、小沢系以外の議員の参加が中心であったであろう、民主党代議士会では、開始直前に細川律夫会長が「無罪をみんなで喜び合いたい」と発言したのだけれど、議員たちから拍手はなかったというから、思いっきり白けていたのだろう。
小沢氏の党員資格停止解除については、4月27日、輿石氏に続いて、樽床伸二幹事長代行や城島光力国会対策委員長も同調し、民主党執行部内で解除論が広がっているそうなのだけれど、前原氏や岡田氏は早期解除に反対のようだ。
前原氏は、「三審制という前提からすれば見極めるべきだ」とし、解除の手続きは、党常任幹事会での、全会一致の方式がとられると思うと、早期解除を牽制しているし、また、当時幹事長として小沢氏の党員資格停止の処分を下した、岡田副首相は、「もちろん同じ民主党の人間として、無罪ということはうれしくは思っています。党のルールに基づいて、党が運営されるという観点から、いい処分の内容であったと。あれ以上でも以下でも駄目だと思っている。それを変えるいうことであれば、なぜそうなのか、きちんと議論していただき、丁寧にやっていただければいいと思う」と早くも処分は妥当だったと、その正当性をアピールしているところを見ると、相当風当りが強くなっているのではないか。
もう既に、色んなところで指摘されているけれど、小沢氏無罪判決で、また一段と政局の色が濃くなってきた。野田首相が命を賭けるとまで言わしめた増税法案には小沢氏は明確に反対している。だから、法案成立の為には、自民の協力が必須。だけど、その自民は小沢氏を切れと要求してる。八方塞りの状態。
だけど、そのまま手を拱いている内に、野田政権は危機を迎える。なぜなら今年の秋には民主党代表選があるから。小沢氏の党員資格が復帰すれば、選挙の際に党公認が選ら得やすくなるし。党の代表選挙にも出馬できる。仮に、秋の代表選に小沢氏が出馬し、勝つようなことがあれば、増税なんかあっという間に止められる。
実際、小沢氏は、「皆さんの真心が天に届き、もう一度最後のご奉公ができるよう頑張りたい」と述べていて、自ら代表選に出馬する意欲を示している。
つまり、増税法案成立のためのタイムリミットが9月と設定されつつあるということ。これを覆すことがあるとすれば、野田首相が民主党党首選に出馬し、勝利を収める以外にない。
それを考えると、野田首相は、党首選というリスクを侵さないのであれば、何が何でも、9月まで、つまり、今国会中に法案成立を目指すことになるのだろうと思われる。だけど、小沢グループが勢いを盛り返しつつある現状では、自公に頭を下げて、協力を要請する他ない。
となると、問責を受けた2閣僚の更迭は当然として、それ以外にも、自公の要求は飲めるだけ飲んででも成立を目指すしかなくなるのだけれど、支持率の低迷と相まって、ここまで政権が弱体化してしまった以上、そう簡単に事が運ぶかどうかは分からない。

この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
明確に消費税に反対している利権氏が嘘付党首に
なるようだと自民党の選挙対策は大変に難しい.
良く考えれば, 活躍しているのは参議院自民党
であって, 衆議院自民党ではない.
自民党は谷垣総裁の事跡を総括せねばなるまい.
歴代嘘付党首相の失敗にも関わらず,
数々の問責決議が成立しているにも関わらず,
野党として大勢力を持つにも関わらず,
嘘付政権を崩壊させる気配も見へない.
現執行部とその周辺の大ものは大いに恥じるべし.