超小型車が拓く未来

 
昨今、若者の車離れが叫ばれる中、新しい車市場が開拓されつつある。

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国土交通省は6月7日までに、軽自動車よりも小さい、超小型車のガイドラインをまとめたとの報道があったけれど、これは、軽自動車よりも更に使い勝手のよい「超小型車」という車両区分を設けることによって、特に都市部の様々な問題を解決する手段の一つにするという狙いから、策定されたもの。

超小型車(超小型モビリティ)と何かというと、国交省ガイドラインでは、次のように定義されている。

自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両。

これだけだとイメージが涌き難いかもしれないけれど、排気量でいえば、50cc以下の原チャリと、125cc以上の軽自動車の間に位置づけられるもので、原チャリでは認められなかった乗車定員2名が認められる特徴がある。

なぜ、こうした超小型車がクローズアップされているかについて、ガイドラインは次の理由を挙げている。
1.都市の交通手段に占める自動車分担率は増加傾向にあり、自動車依存が進行している。また自動車による移動距離は10km 以内が約6割を占め、乗車人数は2人以下が多い。
2.荷物の配送頻度の増加と小口化が進んでおり、都市内では荷捌き駐車スペース不足による路上駐車、狭い街路への貨物車の流入による渋滞の発生、横持ち搬送(車から台車に載せ替えて搬送)の発生などによる輸送効率の低下が課題となっている。
3.中心市街地へのアクセスの悪さや回遊のしにくさが空洞化・地域活性化の弊害の一因として挙げられ、モビリティの改善が求められている。
4.公共交通のサービスの低下や、中心市街地へのアクセスの悪さや回遊のしにくさにより、自動車の運転が困難な高齢者等の外出機会が減少している。
5.自動車の利用は、これまでに引き続き、大きなCO2 の排出源となっている。
6.自動車については、環境に優しい自動車やコンパクトな自動車へのニーズが高い。
7.都市におけるインフラの維持管理・更新投資に必要な費用が増加しており、都市の財政逼迫の要因になっている。

要するに、日本の街中の交通手段としては、荷物の配送など乗用車はまだまだ使われているのだけれど、その過半は近場の移動で、かつ乗車人数も2人以下なのに、街中には駐車場が十分にないために路駐が横行し、あちこちで渋滞が発生して輸送効率が悪くなっているという状況をなんとか打開しようと、軽よりも更にコンパクトな「超小型車」を持ち出した、ということ。

昨今は、各自動車メーカーもこの区分に相当する電気自動車の開発・販売を行っていて、例えば、トヨタは、「コムス」という超小型車を販売している。

「コムス」は、全長1935mmx全幅995mmx全高は1600mmの電気自動車。後輪それぞれの内側にインホイールモーターがあり、片側の定格出力は0.29kw。鉛蓄電池を使用し、100Vコンセントで充電可能。8時間充電すれば、街中で約35kmは走るというから、ちょい乗り程度であれば十分。

その使い勝手は、「コムス」を買った客からは、車検・車庫証明・重量税・取得税が要らず、電気代も安く上がる、とか、小型なので街中での取り回しがしやすいとか。屋根がついてるから、バイクよりは濡れにくいし寒くないという声が届けられているという。その代り、もっと充電時間を短縮してくれ、とか、本体価格やバッテリー交換費用などをもっと安くしてくれという要望が上がっているようだ。

実際、2000年から発売開始された「コムス」は2000年から2010年までの11年間で、累計で約2200台販売しているのだけれど、充電時間が8時間から13時間程度かかることが敬遠され、2011年5月販売中止となっていた。

ところが、今年になって、トヨタは充電時間を6時間に短縮した「一人乗りコムス」を早ければ7月にも発売すると発表している。この「一人乗りコムス」は6時間の充電で約50キロ走り、最高速は約60キロ。価格は60万円程度だから、中古の軽自動車並み。

以前、「ロボットレンタクシー」や「ローソンレンタカー」のエントリーで、筆者は街中でちょり乗りできる電気自動車が新しいビジネスになるのではないかと述べたことがあるけれど、電池の性能向上を充電時間の短縮の具合によっては、超小型車は十分、その主役に躍り出る可能性があると思う。


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この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    コンパクトカーの提案は今までも沢山あったが,
    現在まで生き延びている例はないのではないか.
    エコのかけ声は高いが, 実際に路上を走る車は
    3ナンバーが主流になっている. プリウスが
    最近多くで回っているが, その理由は山間部を
    除き3ナンバー並の走行性能が出せることだろう.
    実際, 壮大に排気ガスを出すプリウスが多い.

    電気自動車もガソリン自動車並に走り回れる
    走行性能がなければ普及はしないと思う.
    2015年08月10日 15:25
  • sdi

    ダイハツが以前にモーターショーで、モデルカーとして三人乗りのミゼットを展示してました。
    前列は運手席が車の真ん中にひとつ、後列が二人並列です。
    「後列も一人でいいんじゃないか?」というのが印象でした。
    ベンツとかが出してる二人乗りのコンパクトカーも並列ですがあれを縦にした車が何故でないのでしょうか?後席を荷物置き場にすれば大昔のオート三輪復活なんですけどね。
    2015年08月10日 15:25
  • 白なまず

    昔々、バブルカーと呼ばれる、超小型車でメッサーシュミットやイセッタなど低排気量(150cc-400cc程度)があり、現在でも愛好者が乗り回していますが、これのリメイク版でしょうか、値段も一番安い軽自動車の半分で50万円以下くらいなら買ってもいいですね。バイクはどうしても転倒する可能性が高いし、自転車や馬などと同様にボケ防止や体力維持にはバイクは効果があると思いますが、やはり雨で濡れるので車の様に屋根やドアがないとだめですね。
    外国ではもう一歩すすんで、マイクロカーが空を飛ぶようです。こちらは凄すぎて童心にかえりました。PAL-Vと言う名前でヘリコプターとマイクロカーの合体です。


    【バブルカー】
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%BC

    【メッサーシュミット 車】
    http://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%9F%E3%83%83%E
    2015年08月10日 15:25
  • ス内パー

    これ……普及して欲しくないなぁ。
    事故時の安全性が軽より悪いことと横風への耐久性が低いこと、
    取り回しの良さがあいまって高速に乗り出して横転事故という絵図が容易に見えるんですよね。
    あと取り回しのよさを過信した初心者ドライバーによる運転マナーの悪化&事故。

    軽に乗ってる人間の言うことじゃないですが安全を考えるなら
    普通車クラスに乗ってもらいたいですね。
    渋滞にならないような道路および信号の調節、
    立体駐車場/地下駐車場の整備で渋滞を減らして
    トラック含む車の流れを根本的によくするほうに金使って欲しいというか。
    2015年08月10日 15:25

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