丹羽宇一郎の本性

 
昨日は、当初、この話題にする積りだったのでしたけれども、時間的に上手く纏めきれず、息抜きました。(苦笑)

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丹羽宇一郎駐中国大使の発言が問題となっている。

これは、イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙の6月6日付のインタビュー記事で、東京都の尖閣諸島購入計画について、「実行された場合、日中関係に深刻な危機をもたらす。石原氏のスキームは、購買前の調査さえ外交的に煽り立てることになるかもしれない」とし、ビジネスに「影響を及ぼす可能性がある」との懸念を表明した発言で、国益を顧みないどころか、中国べったりの発言として批判を浴びている。

更には、5月4日に、訪中した横路衆院議長と習近平国家副主席との会談に同席し、石原氏の尖閣諸島の購入表明を支持する意見が日本で多数を占めることについて、「日本の国民感情はおかしい…日本は変わった国なんですよ」とも語っていたという。個人でそう思うのは勝手だけれど、大使という立場で、増してや、中国の首脳との会談でそういう発言をするのは、日本を代表しての発言と受け止められたとしても文句は言えない。あまりにも国を代表するという自覚が無さすぎる。

少なくとも尖閣に対しては、日本政府の立場は、「尖閣が日本領土であるのは明らかで、尖閣に領土問題は存在しない。」というものであるから、尖閣の東京都による購入について、中国が何を言おうが、「国内問題である」の一言で片付く話。

こんな阿る発言をしたら、中国にいいように利用されるだけ。

6月8日、中国メディアは丹羽氏のインタビューを報じたフィナンシャルタイムズの記事を転電するだけでなく、発言をめぐる日本政府の対応も含めて詳細に報じているし、新京報では国際面で「日本大使、東京都“釣魚島購入”に反対」との見出しを付け、論評抜きで事実関係を報道。北京青年報は、国際面で丹羽発言に加え、日本政界に与える影響の大きさも指摘。中国外務省の談話や中国政府の対応についても行数を割いて説明したそうだ。やっぱり、いいように使われた。

大使は政府の人間であるから、国民の負託を受けた国会議員の任命及び支持によって行動しなければならない。国民感情が既に尖閣購入支持であり、政府も都の購入にストップを掛けていないし、国が購入することも検討するとしているのだから、公の場では、それに沿った発言をしてしかるべき。それを、日本の国民感情はおかしいなどというようでは、売国奴の烙印を押されても仕方がないし、更迭論がでるのも当たり前。

実際、自民党の佐藤正久参院議員は7日午後、丹羽氏の発言について「越権行為であり、著しく国益を損なうと認識しているか」
「本国に召還し、発言の事実及び真意を問いただし、処分する考えはあるか」という、質問主意書を政府に提出しているし、与党内でも、民主党の前原政調会長は「大使の職権を超えており、適切な発言ではない」と批判。玄葉外相も、外務省の杉山晋輔アジア大洋州局長を通じて、丹羽氏を厳重注意したというから、流石に民主党でも、政府方針に従っておらず、越権行為であるという自覚くらいはあるらしい。

6月7日、藤村官房長官は丹羽大使の発言について、「政府の立場を表明したものでは全くない」 と火消しに躍起となっているけれど、ケジメをつけない体質は相変わらずで、玄葉外相は8日の記者会見で、丹羽氏が「大変申し訳ない。ご迷惑をお掛けした」と陳謝したことを明らかにした上で、「一切、こういうことがないようにするということなので、今はそう受け止めている」として、現時点では処分する考えがないと述べている。

ただ、外務省によると、丹羽氏の"陳謝"は6月7日に、杉山晋輔アジア大洋州局長と電話した際のやりとりを纏めたもののようで、本人から直接、大臣宛に陳謝したものではないから、厳密にいえば、国民に対して陳謝したことにはならない。だから、本心のところで、今回の自分の発言についてどう受け止めているのか分からない。場合によっては、佐藤議員が提出した質問主意書に書かれているとおり、日本に召還して、発言の事実及び真意を問い質す必要があるかもしれない。

というのは、丹羽氏のこの手の発言および行動は今回だけではないから。



2011年7月、日本は北京に日本大使館を新築したのだけれど、中国は、設計時には無かった吹き抜けがあると言い掛かりをつけ、使用許可を与えないという嫌がらせを半年に渡って行っていた。

その裏で、丹羽氏は、中国から、北京の日本大使館の使用を許可する代わりに、中国が新潟市と名古屋市に総領事館用の土地を取得することを認めるようバーター取引を持ちかけられた。

丹羽氏は、あろうことか、「日本国内の中国総領事館移転に際し、国際法及び国内法に則った上で対処する」と、事実上、新潟市と名古屋市の広大な土地を中国政府が取得できるよう便宜を図ることを示唆する口上書を中国側に渡し、2012年1月19日にこれを発表。その2日後に、中国による日本大使館の使用許可が下りている。

丹羽氏の中国よりの行動はそれだけではない。更に遡ること、2010年12月18日、当時、政府・与党内に対中ODAに厳しい声が上がっている中、丹羽氏は、「対中ODAを打ち切ると、中国側の批判を受けることになる」と中国への政府開発援助を増額するよう外務省本省に意見具申していたことが判明している。

これは、中国への便宜を図るという意味では、今回の尖閣発言と同じ質の発言だといえる。今回、丹羽氏の尖閣発現が問題となったのは、偶々、尖閣という日本国民の琴線に触れるテーマであっただけのことで、丹羽氏自身は、元々そういう考えを持っている人物なのだと考えるべきではないかと思われる。

こうしてみると、“中国最強商社”を自称する伊藤忠の中興の祖にして、中国通の大物財界人の丹羽氏であっても、商売の論理と政治の論理には違いがあり、いくら商売の手腕があり、実績を出していたとしても、政治の世界でも通用するとは限らないことがよく分かる。

もう数年の前にことだけれど、2005年3月、伊藤忠の会長を務めていた時期、丹羽氏は国内でインタビューに応じ、次のステップとして、石原都知事の後任になったらどうかと問われ、次のように答えている。
「政治は好きじゃないねぇ(笑)。私は自分を割と客観的に見る習慣があるけれど、やっぱり年は争えないと思っているんです。もういいかげん引っ込んだほうがいいんです。あの人ちょっとどうかね、なんて言われ始めてから引っ込むなんてみっともない。結構美学があるんです。
私は基本的に若い人に任せたら何だってやると思っている。経験が長ければいいというものでも必ずしもない。石原さんも立派だけれど、本当に若くて夢見る激しい情熱を持った人に任せたら東京都はもっと変わり得るね。例えば首相もそう。40代の首相で、本当に立派な青年が出てきたら拍手したい。素晴らしい志を持った青年男女に出てきてほしいね。私らは出る幕はないし、出たってしょうがない。そういう気持ちが強いんです。 」
丹羽宇一郎 インタビュー 「働くことの意味は何か」 より抜粋引用

丹羽氏は自分のことを、"客観的に見る習慣がある"と述べているけれど、今の状況を"客観的"に見れば、自分がどういう立場に立っているのかなんて分かろうもの。"あの人ちょっとどうかね、なんて言われ始めてから引っ込むなんてみっともない"という美学を今も持っているのであれば、やるべきことは明らかだろう。


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この記事へのコメント

  • sdi

    丹羽大使のスタンドプレーとは私には思えません。
    外務省というか霞ヶ関の組織文化の面、そして中華人民共和国大使という職務の重要性、丹羽大使の出身を考えると、丹羽大使に対する外務省のコントロールは他国に派遣されている外務省出身の大使より厳しいと想像するの容易です。東京の親中派の方々が世論の反発が怖くて表立っていうことができないのを代弁した(してやった)のでは?。もちろん、北京の「党中央」意向も汲んでるのは当然ですが。丹羽大使は憎まれ役を買って出る事であちこちに「貸し」を作ったことことになるのでしょうが、果たして取り立てることができますかね。
    2015年08月10日 15:25
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    同氏は共産主義に洗脳された瀬島龍三のお蔭で
    大きくなった伊藤忠商事の中で「バランス感覚」
    を磨いた「人格者」.

    その分かり易いバランス構造は

    [同氏の意見] = ([良心]+[Aの意見])/2.0

    同氏の良心がどの辺にあるかが分かれば,
    変数Aを与へることで如何様にも制御可能.

    中庸を貴ぶ人格者とも言はれる.
    英国のチェンバレン首相と同じ.
    2015年08月10日 15:25

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