今日は簡単に…
7月8日、鹿児島県知事選の投開票が行われ、現職の伊藤祐一郎氏が、新人の反原発団体代表・向原祥隆氏を破り、3選を果たした。
選挙は、九電川内原発の再稼働の是非などが争点だったのだけれど、伊藤氏は「原発は将来なくすべきだが、代替エネルギーが確立するまで当面必要」と再稼働容認の立場で、向原氏は「鹿児島から原発のない日本をつくろう」と再稼働反対の立場で選挙戦を繰り広げた。
その選挙結果は次のとおり。
伊藤祐一郎氏 無現 394,170とまぁ、伊藤氏の圧勝に終わった。
向原 祥隆氏 無新 200,518
毎週末、官邸前で行われている、反原発・脱原発のデモの勢いからみると、脱原発派の候補がもっと得票を伸ばすのかと思ったけれど、蓋を開けてみれば、再稼働容認の伊藤氏がダブルスコアを付ける大差の勝利。国の安全性保証などを条件はあるだろうけれど、この得票差を見る限り、県民は、原発再稼働を支持したと見ていいだろう。
ただ、それでも、官邸前のデモは続いているし、6月24日には、野田首相の地元である、千葉県船橋市でも、「原発やめろデモ」が行われている。このデモの前の集会では、「野田首相が動かすべきは原発ではない。全国のシャッター商店街です。シャッター商店街の再稼働こそが経済復興への道」なんていう呼びかけがあったようなのだけれど、電気がなければ、商店街どころか電車も動かない。人と物が動かないところに商売は成り立たない。
だから、脱原発を唱えながら、"シャッター商店街の再稼働が経済復興への道"というのであれば、電気なしで、商店街が再稼働できる方策を提示できなければ説得力がない。まさか、商店街の人に売り子となって全国を行商して歩けというわけにはいかないだろう。
デモがここまで盛り上がりを見せると当然官邸にも、その声は届いている。
7月9日の衆院予算委員会で、野田首相は、官邸前デモが続いていることを十分承知していると述べ、「安全性をしっかりチェックし、必要性も勘案しながらの判断だったが、説明をきちんとやっていかないといけない」と答弁している。この発言は評価できる。国民の声をきちんと聞き、その上で説明を果たすというプロセスが大事。
同じく、9日の予算委員会で、野田首相は、野党から増税法案の3党修正合意について「密室談合」との批判を受けて、「衆院での熱心な議論で煮詰まった論点を踏まえ協議した。密室で決めたのではない」と反論しているけれど、はっきり言って、野田首相は、世間から、肝心なことはステルスモードになって、密室談合で物事を決めてしまっていると思われている。
それは、協議の内容やプロセスについて、後で、きちんと説明しない部分が大きいように思われる。再稼働について、説明をきちんとやっていかないといけないと本気で思っているのであれば、記者会見を開いて、デモの代表者も会見場に招き入れて、面と向かって説明するくらいのことをしなくちゃ再稼働反対派の声は収まらないだろうと思う。
いつまでも説明せずに逃げてばかりいると、それこそ原発再稼働も"普天間化"してしまいかねない。
それに、今回の原発再稼働について、説明すべきことは沢山ある。
先日、国会の福島第一原発事故調査委員会の報告書が提出されているけれど、そこには、今回の事故原因は自然災害ではなく「人災」だと結論づけられている。このことこそ、脱・原発派の人にきちんと説明すべきこと。
なぜなら、「人災」であれば、対策さえきちんとすれば、人の手でそれを防ぐことができることを意味しているから。
報告書では、事故の根源的原因は「規制する立場とされる立場が逆転していて、監視・監督機能が崩壊していたこと」とし、事故の直接的原因については「未解明な部分が多い」としながらも、運転面において、苛酷事故に対する準備ができていればより効果的な対応ができた筈だとして「東電の組織的問題」を指摘し、緊急時の対応および被害の拡大については「官邸の危機管理態勢が機能しなかったこと」を挙げている。
だから、これらの部分に対して、今後はこういう体制で監督します。危機管理体制を整えます。誰かのように現場に口出しして被害を拡大させるような真似は二度といたしません、ときちんと謝罪し、説明することが大事。
報告書の見解が正しいのであれば、原発の安全管理・監督機能と、東電及び官邸の組織的問題、危機管理体制を正せば、事故は最小限で抑えられることになる。それを説明した上で、選挙で信を問うのが正当なプロセスなのではないかと思う。
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この記事へのコメント
opera
福島第一原発は、周知のようにアメリカGE社製で、竜巻対策はあっても津波対策は施されていない設計上の欠陥がある代物です。
本来は30年での廃炉が考えられていたようですが、核廃棄物処理等を問題にした「反原発運動」の影響もあって暫定的に10年延長され、麻生政権の終了とほぼ同時に廃炉に向けて停止されるはずでした。
ところが、民主党政権が成立し、麻生政権時に予算化されたIAEAの勧告に基づく原発の緊急安全対策費(約6000億円)が事業仕分けされただけでなく、ルーピーのCO2の25%削減という思いつき政策の実績作りに利用するために福島第一原発は稼働され続け、震災の年の2月には海江田が何の対策もせずに10年間の再延長を許可していました。
また、アレの政権が震災に右往左往するだけで東海原発事故の教訓を全く活かすことができず、かつ早期復興に向けたビジョンも能力も無いど素人政権だったことも、被害を一層拡大
ちび・むぎ・みみ・はな
参加者も本来は仕事がある筈だ.
嘘付党の政党交付金もしくは
内閣機密費が使われている可能性
があると思う.