李大統領の反日行動の真意を探る

 
李大統領の反日行動が増々ヒートアップしていますけれども、その真意について考えてみたいと思います。

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1.日本の親書を突き返した韓国

8月23日、韓国外交通商省の趙泰永報道官は、竹島領有権問題などをめぐり野田首相が李大統領宛に送った親書について、日本側に返送すると発表した。

この親書は17日に、野田首相が竹島上陸や天皇陛下に謝罪を求めた発言に遺憾の意を表明するとともに、竹島の領有権について国際司法裁判所(ICJ)への共同付託を提案する内容だったのだけれど、趙報道官は、「日本の主張は不当である」、「両国首脳間でこの問題が議論される前例となる」、「日本政府による竹島の紛争地化に利用される恐れがある」の3点を返送の理由としている。

親書は、即日、在日韓国大使館員が日本の外務省に返しにきたのだけれど、外務省は受け取りを拒否した。

首脳からの親書の受け取りを拒否することは外交儀礼上、極めて異例のことで、外務省幹部は「友好国の間では今まで聞いたことがない」と反発している。

23日の衆院予算委員会でも、野田首相は、「首脳間の親書を返すとは、どうしちゃったんだろう…あまりにも冷静さを欠いた行動ではないか…われわれはクールに大局に立って対応しようと思っているが、先方がクールさをあまりにも見失っているのではないか」と批判している。

国家元首の親書ともなれば、国家意思そのもの。それを送り返すということは、国家首脳レベルでの交渉拒絶、すなわち、外交関係の断絶宣言を意味してる。確かに普通じゃない。もうこれは喧嘩を売っているどころか、無理矢理にでも、喧嘩を買わせようかとしているのではないかとさえ。

マスコミは、李大統領が国内の支持率をアップさせるための行動ではないかと憶測報道をしているけれど、本当にそれだけなのか。

ネットの一部では、いやこれは計算づくの行動なのであって、「日本が自衛隊を動かせるかどうか探りを入れているのだ」という説がある。

筆者が最初これを目にしたときは、いくらなんでもこれは、と思ったのだけれど、ここまで強硬に突っ張るからには、単なる支持率アップ狙いだけとも思えないので、その線が有り得るのかどうかについて検討してみたい。

件の「自衛隊出動レベルのベンチマーク説」については、こちらのサイトを参照いただきたいのだけれど、内容を掻い摘んでいえば、韓国軍最高指揮官である韓国大統領が竹島に上陸するということは、国際的には、"日本の領土に韓国が軍事的に足を踏み入れた"事を意味する。従って、日本は領土侵略に対する"自衛行動"を取ることになる筈なのだけれど、憲法9条の制約等々に縛られた、日本が果たして本当に自衛隊を動かしてくるのかどうかを試しているのだ、というもので、その狙いは、韓国が日本と軍事同盟を結んだ場合、どの程度まで同盟軍として期待できるのかの判断基準を手に入れたいのだという説。

これは一体何を意味しているのか。




2.韓国の2015年問題

まず、可能性として一番考えられるのは、やはり韓国自身の安全保障。既に周知のとおり、2010年の韓国海軍哨戒艦撃沈事件や、北朝鮮による延坪島砲撃事件など、緊張が高まっている。

韓国は、盧武鉉政権時の2007年2月に、アメリカとの有事作戦統制権を米韓連合軍司令官から韓国軍に移管することで合意していたのだけれど、緊迫化した半島情勢を受け、2010年6月に李大統領がオバマ大統領と首脳会談して、移管期限を2015年12月に延長することで合意している。勿論これは、有事の際にアメリカ軍の支援を得るためのもの。

だけど、その2015年に有事作戦統制権が韓国に移管された後は、韓国の国防は韓国自身の手に委ねられることになる。

現在、韓国の在韓米軍は、陸軍第8軍第2歩兵師団と、第7空軍第51戦闘航空団、第8戦闘航空団があるのだけれど、アメリカの米軍再編計画によって、第8陸軍司令部はハワイの太平洋軍司令部に統合され、指揮権は座間のアメリカ陸軍第1軍司令部に移管されることになっている。

通常、1個師団は、4個の旅団で編成されるのだけれど、在韓米軍の第2歩兵師団を編成する4個旅団のうち韓国に駐留しているのは、キャンプ・ハヴィーに駐屯する第1旅団戦闘団だけで、残りの3個旅団はアメリカ本土に駐留している。つまり韓国にいるアメリカ陸軍戦闘員は、1個旅団規模しかなく、韓国の防衛は、従来の「米韓軍の連合防衛体制」から「韓国軍が主導し米軍が支援する新たな共同防衛体制」に移行しつつある。要するに、アメリカは韓国防衛の最前線に立つことを止めつつあるということ。

国防は、仮想敵国との軍事バランスによって、そのあり方が決まる。敵国の軍事力が強ければ、自国もそれに合わせて軍事力を強化しておかないと直ぐにやられてしまうし、逆に敵国の軍事力がそれほどでもなければ、こちらも過剰に軍備を増強する必要もない。

2015年の統制権移管後、在韓米軍は、韓国の最前線から引いていくことになるのだけれど、これはすなわち、韓国の国防力の弱体化を意味する。このとき一番の仮想敵国である北朝鮮の軍事力が低ければ、余り気にしなくていいのかもしれないけれど、北朝鮮は経済的困窮にって尚、軍事力を削減しないどころか、韓国との対決姿勢を強めている。だから、韓国としても軍備を削減することはできない。

要するに、アメリカ軍が引いた後、最前線の矢面に立つ韓国軍にしてみれば、これまで通り、或いは、これまで以上にアメリカの軍事支援及び日本の後方支援が得られるかどうかが重要になる。

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3.北朝鮮への接近が韓国に危機をもたらす

李大統領は、北朝鮮に対して、核放棄の見返りに一人当たり平均所得を3000ドルに向上させる構想を自身の大統領選での公約にしていたのだけれど、2008年1月、韓国統一部はこの構想を受けて、日朝関係改善による賠償資金として100億ドル(約1.1兆円)を日本に支払わせ、韓国政府による北朝鮮支援基金に充当する計画を明らかにしている。

つまり、半島の統一は韓国主導で行い、その金は日本に出させようというプランを持っているということ。そのためには、日本と北朝鮮が互いに敵対関係のまま、韓国が半島を統一してしまえば、一番スムーズに事が運ぶ。だから、李大統領にとってみれば、日本と北朝鮮が、韓国抜きで勝手に関係改善して貰っては都合が悪いことになる。

ところが、そんな思いとは裏腹に、水面下で日朝関係は改善に向けて進んでいた。8月29日から、北京で日本人の遺骨返還問題などをめぐる日朝赤十字協議が予定されているけれど、日本側は拉致問題を議題にするよう北朝鮮側に求めているとされる。一部には、支持率低下に苦しむ野田政権が拉致問題の進展・解決によって政権浮揚を狙う大博打を打つのではないかという観測もある。

もしも、ここで拉致問題が大きく改善・解決するともなれば、2002年の日朝平壌宣言に従って、日朝国交正常化に向けての交渉が始まり、日本から北朝鮮への直接経済支援も検討されることになる。だけど、これは同時に北朝鮮を富ませ、軍備増強の資金にもなり得るから、韓国にとっては、逆に国防上の危険度を増すことにも成りかねない。

李大統領の外交政策に詳しい日韓関係筋及び外交筋によると、大統領が対日強硬姿勢を一気に強めることになったのは、南北関係の行き詰まりであり、最近の日本の対北朝鮮接近が李大統領の不満を刺激したのだそうだ。

日本が今年4月以来、金正恩政権と水面下の接触を模索しているとの情報に、李大統領周辺は神経をとがらせ、8月になって、日朝間の政府対話に向かう動きをつかむと、大統領周辺から「日本に裏切られた」との不信感を深めたとの証言もあるという。

こうしてみると、日本の拉致問題解決のための北朝鮮との接近が、逆に韓国の国防上の危機を呼び込むというなんとも皮肉な構図が見えてくる。




4.韓国の瀬戸際戦略は筋が悪い

逆に、北朝鮮にしてみれば、北朝鮮主導による半島統一が出来れば願ったり叶ったり。特に2015年まで待てば、韓国の国防の主体はアメリカ軍ではなくなる。たとえ、アメリカ陸軍の戦闘部隊が韓国にいたとしても、司令部は韓国軍が握っているから、スパイか少数の特殊部隊か何かで司令部を真っ先に落としてしまえば、アメリカ陸軍とて張子の虎。

だから、2016年以降の軍事侵攻による半島統一を夢見てもおかしくない。強いて言えば、在日米軍と自衛隊の動きをどう封じるかという辺りが課題になるだろうけれど、ただでさえ、決断できない日本政府に限ってしまえば、半島有事が起こっても何もできないと多寡を括っているのではないか。何となれば、日本海に面した原発の近くにノドンでも数発撃っておけば大パニックになって、半島どころではない状況になっている可能性は高い。

それに、その時までに、日朝間で国交が回復して、日本の資本が北朝鮮に入っていれば、その資産や在北邦人を人質にすることだってできる。自衛隊を動かすのなら人質の生命は保証しないなんて、ちょっと脅してやれば、何も出来なくなると考えているのではないか。

その意味では、北朝鮮にとって、今のタイミングで日本と国交回復することは意味があり、経済的支援を得られる上に、いざというときの人質までやってくるかもしれないという、まさに「鴨葱チャンス」という他ない。

そこまで想定すると、韓国にしてみれば、仮に日本と軍事同盟を結んだとしても、日本が有事の際に、たとえ人質の命と引き替えにしてでも、韓国を守るという選択をしてくれるのかどうかというのは是非知っておきたいところだろう。その意味では、ネットの一部で噂される「自衛隊出動レベルのベンチマーク説」というのも分からなくはない。

仮に、これまで述べたような韓国と北朝鮮の情勢分析が本当だとすると、ようやく韓国が反日国家であったことが認知されつつあるような日本の認識は、2周くらい周回遅れになっている。そのくらい鈍い。

だけど、日本を怒らせることで自衛隊を出させようというやり方は、やはり筋が悪い。日本にしてみれば、いきなり竹島に上陸した上に、陛下をも侮辱した。心情的に反韓になる理由には十分すぎる。

日本人の感覚からいえば、韓国が日韓併合時代の日本の功績を認めて、日韓基本条約の内容を韓国国民に周知し、これまでの嘘を改め、反日を止めてくれた方がずっといい。

その上で、北朝鮮の脅威を抑え、半島統一の為に力を貸してほしい、と頼んでくるのであれば、お人好しの日本人のこと、それならば、と協力するかもしれないけれど、今のやり方では逆効果。半島にはもう関わりたくないという方向に流れていると思う。

だから、今回の李大統領のように、反日行動による瀬戸際戦略は、あまりにリスクが高すぎると見る。

まぁ、つらつらと「自衛隊出動レベルのベンチマーク説」を検討してみたけれど、ちょっと無理があり過ぎるのではないかという気がしてならない。現時点での筆者の判断は保留としたい。


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この記事へのコメント

  • 日比野

    八目山人さん
    >こんなトンデモ。2チャンかなんか知りませんが、チョット考えれば、100%ありえません

    そうですねぇ。一応検討だけしてみましたけれども、やはり筋書きとして無理があり過ぎるかと。100%完全にないかどうかは別として、可能性としては限りなく低いと思います。
    2015年08月10日 15:24
  • 白なまず

    朝鮮は過去の例より強い方の子分になるのが生きる道と思われる。そこで、敵をどの国にするのか、親分をどの国にするのか(北朝鮮(中国)、日本(米国))を本能的に探るというのなら、、、相手を一度怒らせて、その後土下座で擦り寄ると見ると朝鮮人の行動としては予想できるが、対等な国としての外交だと理解できないのも確か。丁度現在、北朝鮮は洪水で農作物もダメのようで、韓国の民間団体へ支援を要請しているようであるから、南北政府の対立は本物とみると。この状況で日本と対立する理由は、日本は外圧でしか動かないから、自衛隊の能力を強化させる為には、中国が始める前になんとか日本人を目覚めさせないと、韓国を守れないと思っているならば、、、、、朝鮮人のナンバー2思想(=子分)は本能なのだろうか。
    でも、いい加減日本は自国領土を不法占拠している輩(千島列島、台湾本土=蒋介石軍、竹島)を追い払えと天が告げているように思える。
    2015年08月10日 15:24
  • 八目山人

    『自衛隊出動レベルのベンチマーク説』
    こんなトンデモ。
    2チャンかなんか知りませんが、チョット考えれば、100%ありえません。
    2015年08月10日 15:24
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    それなら真珠湾攻撃は対米親愛の現れと言える
    2015年08月10日 15:24
  • opera

    李明博の一見すると異常な行動も、韓国人の常日頃の行動を知る者には特に奇異ではありません。また、増々ヒートアップするのは、日本人が韓国人が想定する反応(暴力的行動)をしないので、日本の世論を読み誤っている可能性も指摘されていますね。
     後者については、中国もそうらしく、それは日本のマスゴミを通して日本の国内状況を分析しているからでは?、という笑えない事情も指摘されています。
     いずれにせよ、今回の韓国政府の行動を見ると、かつてのように日本を良く知り、陰で行動しつつ内と外を使い分ける日本語世代のような層が、完全に消滅したことが分かります。
     他方、日本側の反応も、個人的には政府の無能を逆手に取った官僚主導の動きのように感じています。盧武鉉の時代に、官僚内部の親韓派は壊滅したと言われていましたし。
     外交も基本的には手続の積み重ねという側面があるので、今回の竹島問題のICJ提訴、とくに(少々時間がかかるようですが)単独提訴まで既成事実を積み上げておくことは、今後の(尖閣問題を含む)外交戦略上、非常に重要だと思っています。
     ただ、前回のエントリーにあった尖閣問題プロパーで考えると、法の解釈
    2015年08月10日 15:24
  • sdi

    いくらなんでも、今回のネタは論外です。駄菓子屋のネタは話1/16くらいで。
    ついでですからネタを一席。
    「北朝鮮が100%崩壊確実と判明したら韓国は何をする?」
    「日本に宣戦布告して、対馬を占領して戦争状態になることで北進する余裕が皆無であることを全世界にみせつける。」
    おあとが宜しいようで。
    2015年08月10日 15:24
  • クマのプータロー

    >こんなトンデモ。2チャンかなんか知りませんが、チョット考えれば、100%ありえません。

    大韓民国外交通商部からのリークだとすれば「筋は悪すぎるけどディスインフォメーションとしてはあり」かなぁ、とも思うのです。
    それにしても、中華人民共和国外交部よりも大韓民国外交通商部の方が「大国意識」が強いんですねw。
    2015年08月10日 15:24
  • 桜咲く我が日本

    ベンチマーク説…全然違う。的外れ。韓国の今回の行動は……私は解ったよ。しかし、ここでは言えないな。今は、ただ…日本国民が真に目覚め、腐敗した日本国を浄化して、日本人の為の日本国に造りなおす事だ!その為に一人一人が出来る事を継続して行く事だ! 韓国製品不買、パチンコ禁止、マスゴミ批判、日本政府に抗議圧力、韓国企業名の晒し、人権侵害救済法案への反対と公明党潰しや、在日帰化国会議員次期解散総選挙時の再選妨害、在日朝鮮人韓国人の強制送還を推進、在日の通名(偽名)全面禁止、帰化人の国家公務員採用全面禁止と現帰化人国家公務員の資格剥奪などなど…やる事は沢山あるぜよ!!
    2015年08月10日 15:24

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