香港活動家による尖閣上陸

 
8月15日午後5時半頃、尖閣諸島の魚釣島西側の岩礁に、中国の領有権を主張する香港の民間反日団体「保釣行動委員会」の抗議船「啓豊二号」が接岸、乗っていた14人中7人が上陸した。

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7人のうち、2人は船に戻ったのだけれど、5人は岩場から魚釣島に移動したため、現場で待機していた沖縄県警が、5人を出入国管理法違反の疑いで現行犯逮捕し、さらに海上保安庁の巡視船が戻った2人を乗せた抗議船を挟み込んで捕捉。乗船していた9人を不法入国容疑で現行犯逮捕した。

海保によると、香港の抗議船は午後に日本の領海に入り、海保が無線などで領海から出るよう呼びかけたり、放水したりして、退去を促したのだけれど、それを無視して突っ込み、上陸したのだという。

何やら、一部の報道では、予想外の上陸だったみたいなことを言っているけれど、現場には沖縄県警の警察官や海上保安官、入管職員ら約30人が待ち構えていて、一斉に上陸した活動家達を囲んで逮捕している。事前に魚釣島へ入っていて、警戒に当たっていたということは、今回は上陸してくることを予想していたに他ならない。

2004年に、中国人7人が尖閣に上陸した時には、海上保安庁は沖縄県警に出動を要請し、警察官をヘリコプターで輸送したのだけれど、現場到着まで約9時間半掛かっている。結果、上陸した中国人7人は、十数時間島に不法滞在し続けている。それから比べれば、事前に網を張って即逮捕したことは前回よりは素早い対応だったといえる。

だけど、予め、尖閣に人を派遣しておくくらいするのであれば、やはり、上陸を阻止して欲しかったのが正直なところ。これで、日本の領土には、軍を使わずとも、一般の民間抗議船が強引に上陸しようと思えば出来てしまうことを内外に知らしめてしまった。海保も精一杯頑張ったとは思うけれど、放水くらいで怯まずに突っ込んでくる相手に対してどう対応するかについて、今後検討の余地があると思う。

海保は去年の8月に「海上警察権のあり方について」の中間取りまとめ報告をしている。これは、尖閣沖中国船衝突事件を受け、海上保安庁が事案に即して機動的・効果的に対処できるよう執行権限の強化、装備・要員を充実するよう政府が出した基本方針に沿って行なわれたものなのだけれど、その中で、「海上保安庁及び海上保安官の執行権限等の充実強化」と「海上保安庁における将来を見据えた体制の整備」を提案している。

前者については、「行政警察権限等の充実の必要性」、「任務・所掌事務の見直し」などが挙げられているのだけれど、とりわけ、領海警備において、事後処理等々に終始せず、違法行為の予防、事案発生時の鎮圧、再度の違法行為の防止等の目的で、行使される行政警察権限の拡充を主張している。

その中身には、これまで、領海侵犯をしてきた船舶に対して、一度立ち入り検査をしてからでないと退去命令が出せない制度であるのを、立ち入り検査なしで、退去命令を出せるようにするとか、海上保安官が陸上犯罪についても対処できるように、一時的に無人島等での陸上犯罪の司法捜査権限を有する規定を設けるなど、法改正が必要なものがある。

立ち入り検査しないと退去命令が出せないなどという規定は、尖閣のように何度も領海侵犯される昨今の実情には即していないと思われる。なんとなれば、複数の船舶で一斉に近づいて、一隻立ち入り検査させている間に、別の船で上陸してしまえばいい。だから、この辺りの法整備も重要になってくる。

また、後者について、海保は「海上保安庁体制強化中長期ビジョン」を掲げている。現在の海保の装備は昭和50年代に集中的に整備されたものが多く、老朽化・旧式化が激しく、荒天下での航行能力や高度な夜間捜索監視能力等を備えた巡視船・航空機の装備や人的体制の整備が必要なのだという。そこで、東日本大震災で被災した航空機等の復旧と、現在進めている老朽・旧式化したPL型巡視船やヘリコプターの代替・高性能化を早期に完了し、今後20年を見据える体制の整備を推進するとしている。

必死で国境を守ってくれている海保は、決して満足のいく装備が与えられているわけでもなく、警察活動に制約すら課されているのが現状。

放水程度で退去しない相手にどうやって、退去させ得る強制力を持たせるのか。たった一隻の民間抗議船での上陸を許してしまった以上、この辺りをちゃんとしないと、今後なんども同じことが起こり得ることを知らなくちゃいけない。


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この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    佐藤正久議員のブログに船の種類との関連で
    接舷できなかったのが原因のような書き方が
    あるようだが.

    いずれにせよ, 沖縄県警も本気になってきたのか.
    こんなことが続くと, 中井真知事も支那系の家柄
    を誇ることができなくなるだろう. 大体において,
    沖縄王朝は民衆の搾取の上になり立った「平和」
    王朝だったのだから, その中での「良い血筋」の
    支那系人が沖縄人をどう扱ったかは明らかだ.
    週氏が沖縄に戻れない様に, 支那系も大きな顔は
    できなくなるだろう.

    しかし, こんなに簡単に警察官を置けるなら,
    何時の間にか自衛隊基地という技も可能ではないか.
    まずは魚釣島駐在所から.
    2015年08月10日 15:24
  • sdi

    放水で阻止できず、かと言って発砲もできないとなると強行接舷にしかないか。この場合、実行する巡視船の方の材質、構造、トン数が問題になります。頑丈な船にすると、速度競争で不利になる。私は速度の不利を忍んも強固な船にすべく思います。
    2015年08月10日 15:24
  • SAKAKI

    スクリューだけにダメージを与える魚雷があるらしいですよ。
     それにしても・・舐められっぱなしですね。ロシアも韓国も裏では中国がけしかけているのでしょう。陸続きのオマエらの国に日本と同じことをしてやるぞとね。ロシアだって銃撃できるかどうか。まぁ・・周辺国のすべてが中国を警戒するのは確かです。はたして核心的利益=宣戦布告に、本気で対応できるのか??早々に選挙が必要ですね。
    2015年08月10日 15:24

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