野田首相の3つの道

 
8月9日、みんなの党、社会民主党、国民の生活が第一など野党6党が共同提出した内閣不信任案の採決が行われ、民主、国民新党などの反対多数で否決された。

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投票は記名投票で行われ、賛成86、反対246。自公両党は不信任案に同調はしなかったものの、野田内閣を信任できないという理由で採決を欠席した。

ただし、自民、民主から、一部、造反する議員がいて、民主の小泉俊明、小林興起の2名が離党届を提出した上で、不信任案に賛成。更に、鳩山氏ら6人が欠席している。また自民からは、中川秀直、小泉進次郎両氏ら7人が賛成に回った。

さて、8日に行われた、野田首相と谷垣氏との党首会談で野田首相は、「近いうち」の衆院解散を約束したのだけれど、その「近いうち」とは一体いつなのかについて、議論が巻き起こっている。

特に、当事者である民主と自民との間で早くも認識のズレが出てきている。

自民党の麻生元総理は、為公会例会で「『近いうちに飯を食う』と言ったら、大体、それは2週間かそこらだ。それが社会常識だ」と述べているし、また、茂木政調会長は党役員会の前に、8日深夜に安住財務相から「近いうちに食事に」と電話で誘われ、「『近いうち』とはいつだ」と聞くと、「月内」と答えたことを明かしている。

だから、自民側の認識は、「近いうち」とはせいぜい2~3週間程度、つまり、今国会の会期末迄ではないかと思われる。

その一方、民主の認識はというと、年内解散から、来年夏の任期満了までの人によって随分解釈にバラつきがあるようだ。「常識的には年内解散だろう」とする若手議員もいるようだけれど、「来年1月の通常国会冒頭だって近いうちといえば近いうちだ」とする閣僚経験者もれば、中には、松野頼久衆院議員のように「『近いうち』というのは理解不能だ。衆院議員の任期満了も含まれていると思う」という人までいる。

とりわけ、早期解散に反対の立場を示している、輿石幹事長などは、記者会見の席上で、「『近いうち』とは9月8日までの今国会会期中と解釈しているか」と問われ、「そんなことはない」と否定しているのだけれど、それどころか、「9月にお互いに代表選がある。2人とも代わってしまうことはまずないと思うが、2人がいなくなったら話は終わりだろう。…新たな事態になれば、その時点で再度やったらいい」と、民主党代表選と自民党総裁選の結果、どちらかの党首が代われば合意は無効になるとしている。

普通は、代表が誰であれ、一旦、党の代表同士が合意した内容は、引き継がれ、尊守されるのが常識の筈なのだけれど、そんな常識を全く持ち合わせていないのが民主党。

昨日のエントリーで、筆者が「話し合い解散"が党内に漏れようものなら、猛烈な"野田降ろし"をやって、民主党代表から引きずり降ろす可能性がある。新しい代表が、「話し合い解散の約束なんて、知らない」としらんぷりして反故にしてしまえば、それで終わり。」と指摘したのも、民主党がそんな当たり前の常識すらないことを懸念するがゆえ。

だけど、昨日の今日でもうこんな発言が飛び出してくるとは、予想通りとはいえ、もう嗤うしかない。

党首会談で、首相から「信を問う(=解散)」という発言があった以上、民主党は総辞職で、首相の首だけ挿げ替えて逃げることはできず、解散するしかないはずなのだけれど、代表が代わればチャラという。そんなことを平然と言って、恥じることを知らない態度でいるから民主党は「嘘つき政党」と言われる。たとえ、たった1年かそこらの延命ができたとしても、結局は党の自殺を加速するに過ぎない。

それでも、こんな発言が党幹部から出たことは事実。これは見方を変えれば、「野田降ろしをやるぞ」というサインでもある。

解散への道のりを眺めてみると、今、野田首相には3つの道がある。

ひとつは、民主党代表選の前に解散する道。もうひとつは、代表選で野田氏が再選され、次の臨時国会で解散する道。そして、最後のひとつは、解散できずに代表選前に辞任するか、代表選に敗れて辞任する道。

これらの中で、最初の一つは、確実に解散できるけれど、残りの2つのケースは代表選というハードルがある。野田首相が再選できれば、解散できるけれど、負けたら御破算になる可能性があることは、輿石幹事長自ら示している。

だから、野田首相が、約束どおりの解散を確実に行なう為には、代表選という不確定要素を除く必要があり、必然的に解散は民主党代表選の前、つまり今国会会期内での解散しかないということになる。これは自民が想定する"近いうち"でもある。

だけど、この第一の道は、民主党内の情勢を考えると、すごく細い道であることは疑いない。野田首相は党内の猛反発を抑えて解散に踏み出せるのか。民主の敵は民主。この戦いは、小沢氏を排除するより難しいかもしれない。


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この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    物事は簡単だ. 自民党は大将がやられたのだ.
    嘘付党の増税首相の囁やき作戦によってだ.
    嘘付達の中でのし上がった怪物は恐ろしいのだ.
    到底, 東大出のエリートが敵にするものではない.

    また, 分かっていたことではあるが,
    谷垣氏は到底総裁の器ではない.
    2015年08月10日 15:24

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