ロンドン五輪。サッカー決勝リーグ。男女共にベスト4進出ですね。
筆者は関塚ジャパンについては、それほど試合を見ていたわけではなく、また大会前の下馬評も今一つだったので、今回の活躍には驚きと共に喜んでいるのですけれども、"ハヤブサ"永井、攻撃のキーマン清武、ドリブラー"エヒメッシ"斉藤学、山口、扇原のセレッソボランチコンビ、安定感抜群のキャプテン吉田など、キャラが結構たっているなぁ、という感じを受けています。
そんな中、ネットで、サッカー日本五輪代表の選手の働きを将棋で例える書き込みを見かけました。次に引用します。
サッカー日本五輪代表の選手がどういう働きをしてるかよくわからない人は将棋で例えるとわかってもらいやすいと思う中々、上手くいうなぁ、と感心しました。関塚JAPANのフォーメーションは4-2-3-1で、スペイン戦やモロッコ戦での、スターティングイレブンは、GK1権田修一。CBは、13鈴木大輔と5吉田麻也。SBは、右に4酒井宏樹(酒井高徳)、左に2徳永悠平。ダブルボランチは、16山口蛍と3扇原貴宏。SHは、右に17清武博嗣、左に7大津祐樹。トップ下に10東慶悟。1トップには、11永井謙佑。
玉は権田だ
一番重要なポジションだ 動ける範囲は狭いが手が使えて隙が少ないのだ
飛車は清武だ
遠くからでも玉を狙えるミドルを持ち、攻めに威力を発揮し敵陣に入ると暴れまくるのだ
角は扇原だ
視野が広く自陣でよく働き味方と連携して遠くから敵陣を崩しゴールを睨むのだ
金は吉田・鈴木だ
玉の周りを鉄壁の守備で固め、時には相手の王に止めを刺す駒になるのだ
銀は山口・東だ
動きまくって攻めも守りも顔を出し相手選手に真っ先に体をぶつけて潰しにいくのだ
桂は永井だ
まるでワープのような瞬発力で相手を置き去りにし相手チームを混乱させるのだ
香は徳永・酒井だ
機を見てサイドを一気に駆け上がり相手の弱いところから敵陣を崩すのだ
歩は大津だ
自らが犠牲になってチャンスを作る 簡単に倒されてるように見えるが実は演技なのだ
で、このフォーメーションを、例えられた将棋の駒に置き換えてみたのが次の図です。
・・・。将棋の目で見てしまうと、真ん中から右の中盤は銀2枚と飛車で攻守ともに堅いのに対して、真ん中から左の中盤は角銀に歩と右に比べると弱いように見えてしまいますね。
元々、U23日本代表は左サイドが弱点だと言われていたのですけれども、そこを強化したのがOA枠で入った、徳永ですし、同じくOAのセンターバック吉田も左CBです。厳密には中盤の左というわけではありませんけれども、左サイドはOAで強化した訳です。
関塚ジャパンの強さは、その守備力。とりわけ、最前線からのプレス&チェイシングにあることは衆目の一致するところだと思います。エジプト戦でも、GLの対スペイン戦を彷彿とさせる最前線からのチェイシングが其処此処に見られました。
まぁ、だから何だというわけではありませんけれども、将棋とサッカーに共通点があるのかないのかというと、フォーメーション(陣形)については結構共通点があるようです。
棋士の羽生善治氏は、スポーツジャーナリストの二宮清純氏との対談で次のように述べています。
二宮 サッカーを見ていて、どんな陣形が面白いですか?筆者がなるほどと思ったのは、サッカーと将棋の守りと同じというのは元より、「主導権を取れば、次から次にうまいサイクルに入る」という部分です。サッカーではよく"リズムが出る"という表現で言われますけれども、主導権を取るとそういう具合にいいサイクルに入って、動きが俄然よくなりますよね。エジプト戦では、終始日本がゲームの主導権を握っていましたし、エジプトが10人になってからは、ゲームを完全にコントロールしていたように思います。
羽生 サッカーのスリーバックとかフォーバックとは、将棋の守りと同じ。「玉の守りは金銀3枚」という格言がある。金銀3枚で守るか4枚で守るか。相手の動きを見ながら、自分の陣形を決めるところは似ている。攻撃的にすれば攻めがうまくいく確率は高くなるが、守りは薄くなる。
二宮 飛車角はフォワード。いわばツートップ。
羽生 ラインの押し上げは、位を取ることに似ていて、隙間ができるから狙われやすい。
いまの将棋で一番の要素はいかに主導権を取るか。主導権を取れば、次から次にうまいサイクルに入る。だから、差し手争いに大きな力を注ぐ。
二宮 陣形的に不利でも、主導権を取っているとプレッシャーを掛けられる。
羽生 そう。ただ、サッカーは引き分けがあるので、いろいろな戦術が出てくる。将棋も同じように手堅くやれば、急に負かされることは絶対にない。
44年振りにベスト4に進出した関塚ジャパン。ここまできたら、一番輝いているメダルを取って欲しいと応援しています。
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クマのプータロー