苦悩する石破氏と民主党クオリティ
昨日のエントリーの続きです。
10月12日、自民党の石破幹事長は、来週15日にも、3党の幹事長会談を行うことになるという見通しを示し、「臨時国会を開く条件を整えるのは政府・与党の責任だ。そのためにも、党首会談では、野田総理大臣が谷垣前総裁に言った『近いうちに国民に信を問う』という発言がどうなったのか、尋ねなければならない」と年内解散の確約を求める考えを示した。
これまで野田首相は、解散時期は明示していないと表明しているから、15日に幹事長会談が行なわれたとしても、それで話が纏まるとは限らない。
これについては、13日に安倍総裁が札幌市内での講演で「15日の幹事長会談で党首会談の日程などを詰めてもらう。その後、なるべく週の後半にできればいい。…1回で決まらなければ2回だろう」と述べているから、そう簡単にはいかないだろうとの感触があるのだろう。
石破幹事長は、民主党の対応が不十分な場合には、「(党首会談は)極めて難しい状況になる。国会開催の条件を整えるという当たり前の仕事すらできない状況でやる意味がどこにあるのか」と、党首会談に応じないこともあり得るとも表明しているのだけれど、その"当たり前の仕事"すら出来ないことを"恥"だとも何とも思っていない党を相手にしていることを忘れてはいけない。
10月11日には、東日本大震災の復興予算が被災地の再建と無関係な事業に使われている問題を調査する「衆院決算行政監視委員会」の小委員会が、民主党委員欠席した為、流会している。
この小委員会を開会するには、過半数以上の委員の出席が必要なのだけれど、委員14人の内8人を占める民主党の委員が全員欠席したため、開会できなかった。しかも、欠席は民主党の山井和則国対委員長の指示だったというから、元からやる気なんて更々ないということ。
山井国対委員長は、「民主党の委員が決まらない中で一方的に強行で開かれたのは非常に残念」と流会したのは、さも野党のせいだと言わんばかりの発言をしているけれど、元々、この小委員会の開催は、自民が一ヶ月前から呼びかけているもの。途中に代表選を挟んだとはいえ、その気になれば、委員を決める時間なんていくらでもあった。
たとえ、委員が決まらなくても、前の国会ではちゃんと委員がいた。今は、国会が開かれていないから、新しく委員が任命されるまでは、形式上、前国会の委員がその任にある。だから、山井国体委員長の「一方的に強行で開かれたのは非常に残念」というのは言いがかりもいいところ。むしろ、非常に残念なのは、山井氏が国対委員長であることの方だろう。
結局、復興予算の検証は、野党が多数を握っている参議院での閉会中審査で行うことになった。
余談ではあるけれど、この山井氏は、先の安倍総裁と野田首相の顔合わせについても、日程が延び延びになったのは自民党のせいだとするツイートをして、ネットを中心に「嘘つき」批判が出ている御仁。
山井氏は、その炎上の元となったツイートで、「野田総理は、顔合わせを経て、すみやかに党首会談をお願いしたい、と発言しています。党首会談実現に向け頑張ります。」と発言している。
だから、山井氏は、自分が「嘘つき」呼ばわりされていることについて、そうでないと証明する気があるのなら、「すみやかな党首会談」を実現してのける必要がある。そこをまたジミンガーするのであれば、自分で自分が「嘘つき」であることを証明することになる。
石破幹事長は、こういう人達を相手にして、物事を進めなくちゃいけない立場にある。おそらく、最初のうちは物凄く苦労することになると思われるし、場合によっては、民主党のあまりの非常識ぶりにキレて批判することもあるかもしれない。
ところが、民主党は、そうした真っ当な批判を真摯に受け止め、反省して改善するような党ではないから、悪いのは自民党だとジミンガーを言い立てる可能性は非常に高い。自分の落ち度を棚に上げて、相手を批判して恥じることがない。まるで北朝鮮か何かを相手にしているかのよう。特に、「嘘つき」呼ばわりされている御仁が、国対委員長なのだから、尚の事その懸念がある。
だけど、そうやって双方の批難合戦になってしまうと、今度は、マスコミも絶好の餌だとばかりに、ジミンガー、イシバガーだと叩いてくるし、国会が空転することは間違いない。いや、国会そのものが開けないことだって十分有り得る。そうなったら、解散を少しでも先延ばししたい民主党の思うツボ。
外国人からの違法献金を受けとった元首相や政務官、暴力団と交際し、仲人までやって貰った法務大臣。それでいて、自身は問題ないとして、辞任もせず居直る政権。それが民主党。
全く、恐ろしい輩を政権与党につけたもの。このことを私たち国民は深く反省して、二度と繰り返さないようにしなくてはいけない。
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この記事へのコメント
sdi
ちび・むぎ・みみ・はな
価値観が相対化されるのを防ぐ必要がある.
つまり子供の喧嘩にならないようにするのが肝心で,
しっかりと絶対価値観を表明していくのが重要.
安倍総裁は各所できちんと自説を披露している.
相当に戦略を研究してきたものと思う.