安倍総裁は最初からクライマックス
11月9日、自民党の安倍総裁は役員会で、衆院予算委員会や野田首相との党首討論を控え、「現内閣には数多くの問題があり、これ以上任せることはできないということを国民に明らかにする。勝負の週になるので、身を引き締めて対応してほしい」と指示した。
民主党に日本をこれ以上任せることはできないことを国民に明らかにするとは、一体何を指していうのかは分からないけれど、先日も紹介したように、参院自民が民主党政権の3年間を検証したレポートを出していることから、これらを踏まえた内容を中心に党首討論や予算委員会で追及するのではないかと予想している。
何故かというと、先の代表質問においても、参院自民のレポートを下敷きにしたような内容であったから。
安倍総裁は代表質問で、「民主党政権による『失望の3年間』。『政治主導』の看板のもとに、裁量権を取りあげられた役人が責任を伴う判断を行わず、そして政治家も責任をとらない結果、政府は無責任体制に陥り、国家運営の著しい停滞を招きました」と民主党政権全体の体質を批判しているし、続いて質問に立った甘利氏は、「迷走する民主党政権」として、民主党を「受け狙いのポピュリズム政治」と批判し、民主党政権の3年間の政策が誤りだらけではなかったか、と指摘している。
更に、11月2日の緊急質問に登壇した野村哲郎議員は、問責決議への対応について触れ、問責の理由として「我々自由民主党は、総理の問責決議への賛成討論で、大きく二つ、問責に賛成する理由を挙げました。一つは、野田総理及び民主党政権に『国家運営能力がないこと』、もう一つは、野田総理及び民主党が『約束を守らないこと』です。」と述べ、更に、「野田内閣には、約束どころか、最低限のルールも守れない閣僚が続出しています。先日は、暴力団と交際し、外国人から献金をもらい、国会を欠席し、閣議も欠席した田中法務大臣が辞任しました。国会から出席を求められて、出席しなかったのは、明らかに憲法六三条違反ではありませんか。」と質問している。
これら3者の質問は、民主党の国家運営能力の無さ、無責任で約束を守らない、問責(不祥事)の3点をついている。これはまさしく、参院自民のレポートで指摘されているとおり。
だから、今度の党首討論でも、この流れに沿って討論をしていくのではないかと思う。
安倍総裁は同じく9日に、共同通信加盟社編集局長会議の懇親会での挨拶で、「来週はいよいよクライマックスを迎える。…年内に国民の信を得た政権ができて、2013年度予算を組んでいくことこそが最大の景気対策だ。…一両日中はもっともっと太陽でいることが、私たちの使命だ」として、解散への環境整備に最大限協力する姿勢を強調する一方、「対話と圧力だ」とも述べ、年内解散に踏み切らない場合には再び強硬路線に転じる考えも示唆している。
それにしても「対話と圧力」だなんてまるで北朝鮮を相手にしているかのような発言にも聞こえるけれど、或いは、それくらい信用ならない相手だとも感じているのかもしれない。
安倍総裁は「『うそつき』とは呼びたくないから、うそをつかないということを証明していただきたい。解散総選挙を、今週にでも約束をしてもらいたいと思います」と、党首討論で年内解散を約束するよう迫ると思われるけれど、11月11日、野田首相は記者団に対して、「明示はしない。心の中も明かさない」と牽制している。まぁ、これまでの野田首相の言動を考えれば、言わないのだろう。
ただ、その裏では、年内解散も視野にいれた動きをしていることも事実。
先週後半から、マスコミ各社から、野田首相が衆院解散を検討しているとのリーク情報がちらほら報道されている。今のところは、TPPの交渉参加を表明した直後に衆院解散に踏み切る案を検討しているという見方が有力で、11月下旬から12月中旬に解散し、投開票日は12月中か年明けの1月になるのではないかと言われている。
TPP参加については、自民が慎重姿勢であることから選挙での対立軸になることと、その他中小政党でTPPに対する対応が割れていることから第3極の結集をし辛くさせる狙いがあると言われている。或いはそうかもしれないけれど、TPPについては既に世論が割れている状態であるので、今更対立軸として掲げても、一方的に票が流れ込むことにはならない。
自民党の石破幹事長はTPPの争点化について「首相には何をどのようにして守るのか説明する義務がある。それなくして国内で二分された世論はなかなか収斂しない」と批判している。まぁ、もしかしたらTPP参加を打ち出すことで財界の機嫌を取ろうという狙いもあるのかもしれないけれど、それならば、原発ゼロを撤回して、現状維持又は推進あたりをセットにしないと駄目ではないかと思う。
また、TPP参加表明に関しては、民主党内でも反対派も多く、集団離党につながる可能性も取沙汰されている。特に最大の障害と見られているのは、かねてから解散先送りを主張している輿石幹事長。
TPP反対派で「TPPを慎重に考える会」会長の山田正彦元農水相は「一部経済界や米国の言いなりになっては選挙ができない」として輿石幹事長にTPP反対を申し入れている。
輿石幹事長は「そんなことで解散はさせない。…今解散したら、50、60人しか残らない」と断固阻止する構えだそうだけれど、小沢氏すら党内から叩き出した"どじょう宰相"にどこまで抵抗できるのかは分からない。
その輿石幹事長は、11日に野田首相と今後の対応について協議しているけれど、或いは、TPP参加を野田首相が明言することで、民主党から大量の離党者を出すことになるかもしれない。
逆にいえば、野田首相にそう発言させることで民主党を揺さぶることもできる訳で、今度の党首討論では、年内解散だけでなく、TPPについても質問するという手は有り得る。
解散については寝言でも言わない野田首相でも、自身が積極的なTPP参加については、ぽろっと本音を喋ってしまうかもしれないから。
果たして、安倍総裁は民主党によって迷走した"時の運行"を正すことができるのか。党首討論は、「最初からクライマックス」を迎えることになるのだろう。
この記事へのコメント
クマのプータロー
財界のご機嫌を取るならTPPだけで十分だと思います。国内に興味などありません、取締役の任期中に何とかなる見込みがないからです。あとは生産設備を外国に移すだけで、そのお墨付きを与えるのがTPPなのですから。
たまや
菅直人オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/n-kan-blog/
民主党政権は衆院任期の来年8月まで取り組むべき
衆議院は不信任案が成立した時に限り解散ができるという慣例を確立し、立法化すべき
ちび・むぎ・みみ・はな
実際には長い戦いの始まりだろう.
> まるで北朝鮮を相手にしているかのような発言にも聞こえる
私は正にそうだと思うし, 安倍総裁の気持ちも同じだろう.
同じ日本人と思うと最後に裏切られる.
安倍総裁の戦術は谷垣総裁の苦難を十分に研究した上での
ことに違いない. とすれば, 次は良い意味で期待を裏切る展開と
なるのではないか.
本当に選挙に突入するのであれば, 大きな問題はまだ自民党に
あると思う. 田母神氏を始めとする保守との完全な和解,
地方組織への自民党方針の徹底, 自民党組織の広報能力の拡充など,
総裁が日本全国を駆け回らなければならないことが沢山あると思う.
韓国嫌い
東京都は日本人の血税を、毎年12,000,000円以上も韓国学校に垂れ流しています。
http://www.tokos.ed.jp/
血税を垂れ流しているのに、教科書や教育内容等、全く調べてません!
竹島で日本人44人が殺傷されたのもお構いなし!
大統領が陛下を侮辱してもお構いなし!
平成22年度 12,979,200円
平成23年度 12,736,600円
平成24年度 支払う気満々
平成25年度 予算計上する気満々
お問い合わせ先
東京都生活文化局私学部私学振興課企画振興係
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