民主党は再生できるのか

 
今日は簡単に…

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12月16日、総選挙での大敗を受け、野田首相が、民主党の党代表からの辞任を表明した。野田首相は辞任を表明した記者会見で「政治は結果責任。厳しい敗北に至った最大の責任は私にある。」と述べていたけれど、党内では、辞任は当然とする見方が大半のようだ。

まぁ、選挙前には、230議席あったのが、57議席へと4分の1以下にまで減らしたのだから、辞任も当然といえば当然。致し方なし。だけど、大変なのはこの後。

民主党は26日に召集される特別国会の前に新代表を選出すべく、22日に代表選を行うことを決めたまでは良かったのだけれど、そこから先が続かない。

もとより、大臣クラスが軒並み落選し、"タマ"が少なくなっていることに加え、代表選には党所属国会議員20人の推薦を得なければいけないことを考えると、そもそも候補として上がる人物は限られてくる。

今のところ、岡田氏、前原氏、細野氏、馬淵氏、玄葉氏あたりの名前が取沙汰されているようなのだけれど、18日現在で名のりを挙げる人はいない。

前原氏、馬淵氏、玄葉氏は早くも、不出馬を表明し、細野氏も「党再生の動きをしっかり支える一人になりたい」と不出馬を仄めかしている。唯一白紙でいるのは、「特に何か決めているわけではない」としている岡田氏だけ。誰も火中の栗を拾いにいかない。

尤も、今回の大惨敗を受けた後に立つ民主党の代表は、党の立て直しを行う使命を担うことになるのだけれど、その為には、まず、負けた理由、大敗の総括をしなければならなくなる。

細野氏はテレビ東京の番組で敗北について「民主党が何のために存在するのか、そのことそのものが厳しく問われた」と述べているとおり、民主党の意義そのものから見つめ直さなければいけなくなる。それは端的にいえば、党の綱領をつくることと殆ど同じ。

つまり、民主党を再生させるのであれば、民主党の「世界観」を掲げることから始めなければならない。壊滅的大敗北によって、ようやくその原点にまで戻されることとなった。

もしも、それが出来ないのなら、これまでのように、反自民党というスタンスだけの政党でいる他ない。

だけど、民主党が今後も反自民党を党是とするのなら、自民党の政策を悉く否定して回らなくちゃいけなくなる。つまり、自民党が現実的かつ、まともな政策を掲げれば掲げるほど、民主党は、非現実的で、マトモでない政策を出すしかなくなってしまう。そうやって失敗したのが、この3年半。

それでも、民主が反自民党を貫くのであれば、日本未来の党や社民党などと連携、あるいは合併して、これまでどおり「選挙互助会」的政党の歴史を繰り返すことになる。

だけど、最早、非現実的な政策は国民は支持しない。

今回の選挙で、民主の「脱原発」や日本未来の党の「卒原発」は、はっきりと拒否された。原発再稼働について「3年以内の結論を目指す」とする自民党は、原発が立地する全国13選挙区のうち11選挙区を制したことがそれを物語っている。

それでも、日本未来の党の嘉田代表は「負け」を認めたくないのか、17日未明の記者会見で、「今回、最大の関心は雇用、経済の安定だったので、原発が選択の第一基準にはなっていない。推進の自民党が民意を受けたわけではない」と強調しているけれど、そう思うのであれば、次の選挙でも「卒原発」を掲げて戦えばいい。

そうして、いつまでも「卒原発」で戦って民意を仰げば、結論ははっきりする。

民主党が次の代表に誰を選び、どんな世界観を出してくるのか分からないけれど、現実を無視した世界観を掲げるのなら、この先党勢を回復させるのは難しいのではないかと思う。




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この記事へのコメント

  • 洗足池

    脱、卒原発が拒否された訳ではありません。

    原発立地の選挙区で脱、卒原発派が敗北したのは原発がなくなれば食っていけないからです。国民の大多数は原発は徐々に減らし数十年後には原発は全てなくす事を望んでいます。これはどの世論調査を見ても明白です。
    2015年08月10日 15:23
  • sdi

    やることは色々ありますが、まず「党首」を決めてから新党首のもとでこんどこそ「党綱領」を制定すべきでしょうね。「党綱領」の制定には、日比野殿が指摘した「世界観を掲げる」という行為のほかに「民主党の世界観として何を掲げ、何を掲げない」かを決定することでもあります。組織として理念・政策の「優先順位付け」と「取捨選択」のプロセスを通過することで、民主党の組織としての意思統一と方針決定のシステムが機能していることを国内世論にひいては国外に示すことができます。本当なら、こんなことは結党したときに済ませておくべきだったはずなんですがね。なんで、こんな政党を多数の人が信用したんだか。党綱領がない、ということが何を意味しているか指摘した人は少なくないはずなんですがね。
    組織としての意思統一のシステムが機能してなければ「右手の言う事を左手が知らない」状況が発生するであろうことは想像に難くありません。皮肉でもなくなんでもなく、民主党は一から出直すしか再生の道はないですね。
    2015年08月10日 15:23
  • 正義漢

    理念なき政党を再生する必要を見出せないんです
    政党は政治理念を共有できるものが集まって成り立つものです。
    大事なことは政治理念です。
    そうじゃないから、分裂、離脱でガタガタになったんです。
    地位や団体、組織の利権代表では、党が再生する意味ないんじゃないんですか。
    消えて行ってほしいと思います。
    2015年08月10日 15:23
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 最早、非現実的な政策は国民は支持しない。

    政策は関係なしに嘘付党の空気が好きな国民が
    2割程度は存在するから, 「反自民党」或は
    「反権力党」或は「イオン党」とでもして
    フランケン氏が党首になる他無いだろう.
    嘘付党の現状の多くは同氏が招いたことでもある.

    中身の無い静岡の八方美人: 胡総書記に拝謁する
    光栄で舞い上がったブログを読んだ時の印象が抜けない.
    灰色の北京の空に力を貰ったらしい.

    問題は維新の会だろう.
    2015年08月10日 15:23

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