総選挙から一夜明けた12月17日、自民党の安倍総裁は、記者団に対し、衆院選の結果について「予想以上の議席を取ることができた。それだけ責任が重い」と強調。18日に公明党の山口代表と党首会談を行い、連立に向けた政策協議に入る意向を表明した。
安倍総裁は、26日にも召集される特別国会で首班指名される見込みで、早くも組閣を睨んだ人事の検討に入った。今の所、総選挙で自民圧勝に貢献した石破幹事長を続投させる意向で、官房長官は菅幹事長代行の起用を軸に調整しているという。
また、盟友である麻生太郎元総理を副総理兼財務相などで処遇する案が浮上。公明党からは太田前代表の入閣も取沙汰されている。
まぁ、組閣がどうなるのかは分からないけれど、日本を力強く立て直す為の重量級の内閣が期待される。というのも、無論、今の日本がそれだけ深いダメージを負っているから。
以前、安倍総裁が総裁選に勝利した後のインタビューか何かで、今の日本には、震災復興・経済対策・外交安全保障と難題が山積しており、総理が3人必要だ、という趣旨の発言をしていた記憶がある。また、総選挙の翌日に行なわれた記者会見でも、安倍総裁は、危機を突破しなければならないと述べていた。
このことから考えると、組閣は相当に重量級の内閣を組むのではないか。とりわけ、復興担当相、財務相、外務大臣には、総理経験者又は党3役クラスの人材を当ててくるのではないかと思う。
既に、財務相には麻生元総理の名前が挙がっているので、麻生財務相になるとしても、外務大臣、復興担当相に誰を当てるのか。
筆者は、新しい総理が誕生する度に、新総理の行動原理を表す漢字一字を挙げているのだけれど、安倍新総理(予定)の一字はやはり前回と同じく「国」。国の形を定め、作り直す使命がある。何より総選挙のスローガンから「日本を取り戻す」なのだから、やはり「国」を意識した動きになると思われる。
麻生元総理の一字は「照」。持前の明るさと積極性で前向きな政策をどんどん打ち出していく。これも変わっていない。もしも、麻生氏が財務相に就任するのであれば、安倍総裁のインフレタ―ゲット方針に基づいて、それこそ、世の中を"照らす"が如く、大胆な財政出動をするだろうと思われる。
また、アメリカのエール大教授で、インフレターゲット論者である浜田宏一氏を内閣官房参与(経済担当)に起用する方針を固めたとも伝えられており、本気で金融緩和に向けて体制を整える意志が感じられる。
外務相については、一時石破幹事長の名前も取り沙汰されたこともうあったようなのだけれど、幹事長続投のようだから、別の誰かということになる。これについてはよく分からない。ただ、次期総理総裁とも目される石破氏の一字は何かというと、それはおそらく「直」になると思う。
本人自ら、超リアリストと言っているように、何事にも「直言」する。いい事も悪い事も、事実をありのまま見せて、それについての対策を考え、人に訴えかける。そんな特質がある。それを考えると、将来的には、石破氏が入閣し、何らかのポストに就くことは十分有り得ると思う。
では、復興担当相は誰になるのかというと、可能性は非常に低いとは思うけれど、個人的には、谷垣氏を推したい。無念にも総裁選に出馬できなかった谷垣氏は、総理の座は少し遠のいてしまったけれど、谷垣氏を表す一字は何かというと、筆者は「結」だと考えている。
谷垣氏は、その昔、後藤田正晴氏に、「君の旗印は何だ」と聞かれ、「絆です」と答えたことがあるという。この絆という言葉にも表れているように、谷垣氏は人と人を強く"結びつける"特質があると感じている。
この特質があればこそ、2009年に野党に転落した自民党を崩壊させることなく、若手を育てながら力を蓄えてこれたのではないか。自民党の影の功労者。これが小沢一郎氏だったら、今頃自民党は四分五裂していたかもしれない。
一部には、谷垣氏は衆院議長に、という憶測も出ているようだけれど、そんな"上がりポスト"ではなくて、谷垣氏の一字である「結」は、震災復興に活かしていただきたいと思う。
政治に対する信頼を失っている今、一刻も早い復興を待ち望んでいる被災地の為にも、谷垣氏の「結びつける」力は、震災復興の大きな力になる筈。
安倍内閣の組閣がどうなるかは分からないけれど、安倍・麻生・石破・谷垣の4氏の一字、国を照らし、民と直に結びついて、政治に信を取り戻す。「国照直結」が今必要とされるキーワードになるのかもしれない。
この記事へのコメント
sdi
個人的には、石破幹事長は入閣させてほうがいいんじゃないかという気がしますが続投しかないでしょう。石破幹事長にとって来年夏の参議院選がラストバトルです。大勝する必要はありませんが、ねじれ解消はなしとげて貰わないといけません。昨日の記者会見で表情が厳しかったのも道理です。
ポイントはまず党三役のうち総務会長を誰にするかでしょうかね。「敵は閣内、味方は党務」の原則をどこまで守れるか。石破幹事長を「味方」と言い切れないです。政策面での方向も一致しているわけではありません。また、党内が安倍新総理のもと一致団結できてるか不安なしとしません。安倍新総理側の立場で党内をまとめる役目になるでしょう。
閣僚人事ではやはり財務大臣ですね。とにかく、まず来年度予算案を成立させねば話になりません。足りないところは補正予算を組みまくって後追いする手があります。
実は私はむしろ谷垣前総裁を財務大臣(金融兼任)に起用したらどうかと思っています。既に一度経験されていますし、安倍総理の経済復興政策が始ま
opera
また、谷垣氏を復興担当相に起用する案には大賛成です。ただ、単独の特任大臣としてではなく、総務大臣兼復興担当相がいいのではないでしょうか。総務大臣の所管には、行政制度の管理運営及び地方自治全般と情報通信行政が含まれますから、復興や防災のための地方自治体の連携(地方分権の修正)、公務員制度改革、選挙制度改革及びメディア改革等を全て所管することになります。こうした一見地味だけれど強力なリーダーシップと調整能力が要求される部署には、谷垣氏がうってつけではないでしょうか。
外務大臣は、安倍総裁や(入閣するなら)麻生氏自身が外交に熱心ですから、中堅クラスの抜擢があってもいいと思います。その他、経済産業大臣・国土交通大臣・防衛大臣あたりに着目しています。
党務は現在細田氏が就いている総務会長がポイントでしょう。この点で、安倍総裁は日銀を説明の場に引き出すという観点から、経済財政諮問会議の復活を示唆していま