いよいよ、第46回衆院選ですね。
選挙は、「信を問う」の言葉どおり、これまでの政権運営に対する判定と、これからの信任を問うものだけれど、この3年半の民主党政権で、もはや、「政治なんて誰がやっても同じ」なんてないということを思い知った人も多いのではないかと思う。
さて、その過去の政権運営についての評価や、今回の総選挙の各党のマニフェストについて、認定NPO法人の「言論NPO」が、2009年衆院選での民主党マニフェストの実績評価を行っている。
それによると、「民主党政権3年の実績評価」として、5つの原則項目と、162の詳細項目について、その実績を検証・判定している。
その中から5つの原則項目についての検証結果を引用すると、次のとおり。
原則1: 官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へとまぁ、原則5項目は全部×判定となっている。その他の詳細項目についても、「実現不十分」「困難」「未着手」が殆どで、実現できたと言えるのは子供手当くらい。
評価 実現できず
備考 「国会改革関連法案」を撤回。
原則2:政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ
評価 実現できず
備考 党の政策調査会の復活、事前承認制の導入など、政府一元化を断念。
原則3:各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ
評価 実現できず
備考 「政治主導確立法案」を取り下げ。国家ビジョンを策定する仕組みを作れず。
原則4:タテ型の利権社会から、ヨコ型の絆(きずな)の社会へ
評価 道筋見えず
備考 「新しい公共」を提案。しかし、強い市民社会への道筋は示されず。認定NPO法人の要件緩和もほとんど効果見えず。
原則5:中央集権から、地域主権へ
評価 道筋見えず
備考 地域主権の全体像を描けず。「出先機関廃止法案」は先送り。
選挙期間中、野田首相を始め、民主党の面々は口々に時計の針を戻してもいいのかと訴えていたけれど、これら実績に対する責任から逃げることはできない。
また、言論NPOは、民主、自民、公明、日本未来の党、日本維新の会の5党について、今回の選挙のマニフェストの評価・採点を行っている。
評価は、11の政策分野について、明確で測定可能な公約になっているかを基準とする「形式要件」と課題抽出とその解決方法について評価する「実質要件」の2つについて、それぞれ、形式要件40点、実質要件60点の計100点を持ち点として採点している。
採点結果は極めて厳しいもので、11分野の平均点は5党全てが40点を割る結果となった。5党のうちで、一番点数の高かった党は自民党の39点、2位は民主党の32点、3位が公明党の28点となっている。
総じて点数が低くなっているのは、「形式要件」が測定可能な公約になっておらず、財源や達成期限、数値目標の一つでも書かれているものが12.8%しかないことと、「実質要件」である、課題に対する答えが各党共に十分に答えきれていないのがその原因だとしている。
言論NPOは、ギリギリ合格ラインに達していると判断出来るのは、自民党の経済政策の50点、自民党の震災復興の59点の2つだけとしている。
まぁ、これもひとつの切り口としての見方ではあるけれど、投票についての参考になると思われる。
いよいよ、投票日。日本の未来が決まる日。大切な一票を投じたい。
この記事へのコメント
洗足池
ECONOMIST誌の予測する日本没落のシナリオが現実にないのではないかと恐怖感を持った。
何故か? 早朝から張り切って投票に来ていた人の8割は60歳以上の高齢者だったからだ。20、30才代の若い人は一人もいなかった。これでは政治家は若い人を大事にする政治は行わない。社会的には用済みの老人の利益最優先の政治で、これからの国家を担う子供や若者は犠牲となってしまう。だから日本の没落は必然なのです。
白なまず
sdi
今回の総選挙で自民の300議席越えは直近過去二回の総選挙の勝者の成績を考えるとありえますからね。郵政選挙(2005)、政権交代選挙(2009)のいずれも勝者は300議席超を確保してます。300議席超をバブルと呼ぶなら、政権交代選挙の民主党なんぞバブル以外の何者でもありませんな。小選挙区制度の特性で極端から極端に振り子が振れるケースになっているのは事実ですがね。私個人としては自公合わせて安定多数くらいの勝ち方が理想だと考えていますが、賽の目は振ってみないと何が出るかわかりません。今後の日本にとって、良い目が出る事を祈るのみです。
ちび・むぎ・みみ・はな
「測定可能」?
世の中は刻々と変わっていくのに決まったステップを
踏むのは「官僚制」への道ではないか.
中野剛史の「官僚の反逆」を精読すべし.
査定は査定する人のレベル以上の結果は出ない.