正直、この話題に触れる気はなかったのですけれども、一言だけ。
大方の予想どおり、ルーピー殿がやらかした。
1月15日、中国の北京を訪れた鳩山由紀夫元首相は、唐家セン元外相、賈慶林・前政治局常務委員、楊外相らと相次いで面会し、尖閣諸島について「日本政府は日本の領土と言っており、中国政府は中国の領土と言っている。…係争が起きていることは事実だ。…棚上げの方向に戻ることが大事だ」と述べ、中国側から「同意する」と回答された。
また、17日には、"南京大虐殺記念館"なるものを訪れ、「多くの中国の方、特に南京の民間の方、捕虜の方々を日本兵が殺してしまったことは大変申し訳ない。おわび申し上げたい」と朱成山館長に伝えた。
鳩山氏の訪中は中国側の招待によるもので、「文化交流」の名目だそうなのだけれど、その割には、領土問題や、歴史問題の発言ばかりが伝えられ、一体、何の文化を交流してきたのか分からない。
それに、南京大虐殺記念館で、お詫び発言をするのであれば、昨年の反日デモで邦人が被害にあったことについても、何らかの発言があってしかるべき。それがないのであれば、中国の立場を代弁しただけであり、中国の良いように利用されたと言われても仕方ない。
今回の鳩山発言は、日本政府の「尖閣に領土問題は存在しない」という立場とは相反するもので、国内から批判が噴出している。
菅官房長官は「我が国の立場と明らかに相反する発言で、我が国の首相をされた方の発言として非常に残念で、極めて遺憾だ」とコメントしているし、小野寺防衛相は、BSフジの報道番組で「日本にとって大きなマイナスだ。中国はこれで係争があると世界に宣伝し、国際世論を作られてしまう。久しぶりに頭の中に『国賊』という言葉がよぎった」と痛烈に批判している。
軍事評論家の田母神氏は「尖閣は日中間の係争地だと持論を展開し中国におもねっています。中国に利用されるだけです。この人の頭の中には日本の国益を守るという発想がないようです」とツイートしている。
また、札幌市議会議員の宗形雅俊氏は「鳩山元総理は、外交の意味を知っていないし、中国に利用されている。外交は国益のぶつかり合い、それまで積み上げてきたものを崩してしまう。鳩山さんのやっていることは『害交』です」と述べているし、その他、地方議員からも「鳩山さん、あなたはもう中国人になってくれ。帰国しないでほしい」とか、「こんな人が我が国の内閣総理大臣だったと言う事実が嘆かわしい…悪夢ですよ」とか散々に批判されている。
更には、かつて党首を務めたこともある民主党からも、海江田代表が「私どもの態度は係争地ではないということだ。鳩山さんも一民間人として話したと言っている。政府の立場は、その通りだ」と突き放され、菅氏にさえも「元総理という立場を考えれば、意見を言うにもどこで発言するのか、誰に言うのか、マスコミに流れるように言うのか、それとも個人的に伝えるのか、そうしたことを考えて発言する必要がある」と言われてしまっている。
確かに、たとえ一個人の立場での発言であったとしても、元首相の肩書を持つ人物の発言は決して軽いものじゃない。
政権中枢のトップの座にいたことがある人が、政府の公式見解と異なる発言をした。これは、政府に本音と建前の違いがある、或いはあったことを意味してる。今回の例でいえば、日本政府は、非公式では尖閣に領土問題があると認識していたことになる。少なくとも外側からはそう見えてしまう。
だから、中国は、この鳩山発言を利用し、宣伝に使ってくるであろうことは目に見えている。
既に、18日付の中国主要各紙では、鳩山夫妻が「南京大虐殺記念館」を訪れ、展示資料を見学したうえで、虐殺を謝罪し、「鳩山友紀夫」の名で「友愛和平」という書を送ったことなどを伝えた上で、「鳩山氏は今は公の身分ではないが非常に大きな影響がある。鳩山氏の行動は、積極的に中日関係を改善すべきだとする自民党政権への呼び掛けだ」と述べているし、中国外務省の洪磊副報道局長は18日の定例会見で、「中日関係は非常に困難な局面にあるが、歴史をかがみとする精神を持ち、日本側は誠意を持って一連の問題を解決する努力をすべきだ」と述べている。案の定、利用されてしまってる。
一方、日本政府与党は、鳩山氏を完全無視する方針のようだ。自民党国防部会長の中山泰秀衆院議員は「国会招致なんてとんでもないです。逆に鳩山氏の存在をクローズアップさせてしまうだけ。首相を務められた方ですが、完全無視させてもらいます」と述べている。
鳩山氏は、2012年4月にイランを訪問し、アフマディネジャド大統領と会談したことがあるのだけれど、会談の場で、「国際原子力機関は特定の国々に二重基準を適用している。公平ではない」と述べ、物議を醸したことがある。鳩山氏は、帰国後の記者会見で、そんなことは言ってないと反論していたけれど、今回も同じように、そんなことは言ってない、と、後で釈明するとは限らない。
鳩山氏は、今回の「尖閣は係争地だ」発言について、菅官房長官から批判されたことに対して、「(日本)政府もよく勉強されて、その中から早く答えを見いだすべきだ」と反論している。だから、本気でそう思っている可能性が高い。
「友愛和平」に署名したように、今回の訪中は、鳩山由紀夫元首相としてではなく、「鳩山友紀夫」という全くの別人なのだから、日本政府は一切関係ない、なんて言い逃れが通じる訳もない。
全く始末に困る。
この記事へのコメント
sdi
我々はこれを戦訓として肝に銘じなければなりません、こんな人物やこんな人物を担いだ政党に権力を与えてはならない、と。
白なまず
「蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい」
鳩山さんは、賢いおつむで、素直に判断した結果、尖閣ルーピーの振る舞いをしたと仮定すると、彼の素直さの原点は何処にあるのでしょうか?
1)お金には不自由していない。だから買収される事は考えにくい。
2)他人(日本人)の気持ちより、別の誰か(私の神)の気持ちが大事。
3)素直な気持ちを実行する為には、敵の真ん中でも屈する事はない。
4)自分の行動は正しいので、私の神が守ってくれる。
5)科学の勉強をしたが、科学を超える何かを信じている。
まるで鳩山さんは古の使徒のような行動とも見れます。迫害される事を恐れず、自分の信じたものを実行する。問題は彼の神がそうさせているので、彼の神の教えが日本人を
貶め、支那人を持ち上げようとしている。では、彼の神は支那の神か???
否、支那だけではなく、イラン、ロシアと前例があるので、支那を利用しているだけだろう。彼の神は、日本を敵視している何かである。