謹賀新年 2013

 
皆さま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

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本年も、また気分を新たに日比野庵ブログを営業したいと思っています。

御蔭様で、日比野庵のアクセス数は、UUで一日あたり、約300から500人(PCのみカウント)と安定したアクセスを頂いてます。誠にありがとうございます。

さて、ここ2,3年正月エントリーでいつもネタに挙げている、煙草税増税による影響についてですけれども、過去の煙草税についてのエントリーはこちらを参照ください。
煙草1箱千円とラッファー曲線 
煙草税増税による財務省の税収試算結果の謎
謹賀新年 2011
謹賀新年 2012
元々、財務省は煙草税増税に当たって、2010年度の販売数量は、前年度比で15.9%減の1950億本まで減少。増税分の影響分を考慮した販売本数に直すと1710億本相当になるといっていたのです。

ところが、蓋を開けてみると、2010年度販売本数は2102億本と、前年比10.1%減に止まり、減収どころ増収になっています。当時、財務省は予想より数量が減らなかった、なんて言い訳していますけれども、販売本数を1950億本と見積もって、実際が2102億本ではいくらなんでも外し過ぎでしょう。

では、2011年の販売本数はどれくらいだったか、というと、JTによると販売本数は、前年度6%減の1975億本です。2年かけて、ようやく想定販売本数です。けれども、これは煙草税増税後の売り上げ本数ですから、増税分を考慮して調整しなおした販売本数である1710億本までまだありますね。

確かに、煙草の販売本数は減っていますけれども、前年度比でみると、2006年からは大体4~6%減で推移しています。2010年度だけは10%減ですけれども、これはこの年に行われた煙草の値上げによる買い控えの影響だと思われます。けれども、2011年で前年度比6%減と平年並みに"回復"していますから、煙草を吸う人は、値上げをしても、やはり吸うということではないかと思います。

毎年平均5%で販売本数が減ると仮定すると、2012年度は1876億本、2013年度で1783億本ですから、2014年になってようやく、財務省が言っていた販売本数になります。当初見積もりより3年遅いわけで、その分は増収になるということですね。

事実、販売総額をみると、増税前の2009年度が3兆5460億円だったでのが、増税した2010年度が3兆6163兆円、2011年度に至っては、4兆1080億円と大幅増になっています。

ですから、2014年頃にまたぞろ、煙草増税を言い出してきやしないかと、ちょっと穿ってしまいます。

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◆ 閑話休題 ◆


先日、渡邉哲也氏の「日本経済の復活術」を読みましたけれども、その中で指摘されている、サムスンの「焼畑工業モデル」、確かに日本のメーカーはこれと、円高によって散々に苦しめられているように思います。

「焼畑工業モデル」とは、知的財産を侵害するコピー商品を作って販売し、それらが訴訟なり何なりされても判決が出るまで2年も3年も掛かることをいいことに対象となる商品を判決が出る迄に売り切ってしまい、判決が出ることには、次の新しいモデルを販売する、というものです。

他人の褌で相撲を取っておきながら、行司に注意を受けるまで、白星を稼ぐだけ稼いで、注意された時には、また別の新しい"他人の褌"を絞めて相撲を取りなおすという感じですね。

アップルとサムスンとの間の特許侵害訴訟もこうした、コピー商品に関するものですけれども、段々と厳しい判決が出されてきているようです。

昨年の10月24日に、アメリカ国際貿易委員会(ITC)は、サムスン電子に対して、アメリカでアップルの特許を侵害したと認められる携帯電話販売額の88%、 メディアプレーヤー販売額の32.5%、タブレットPC販売額の37.6%を特許侵害保証金とするよう勧告していますし、欧州委員会(EU)も、韓国サムスン電子が通信規格特許を乱用と暫定判断を下し、正式に法に抵触すると判断した場合、サムスン電子は年間売上高の最大10%の制裁金が課される可能性があると見られています。

ITCの侵害補償金については、年間販売額なのか、限定された期間の販売なのか分かりませんけれども、業界では通常60日間の販売額とみているそうです。けれども、販売額の9割近くの保証金ともなると、1年に換算しても、0.88÷6=0.146、15%にもなります。

欧州委員会の制裁金も最大で年間10%ですから、それ以上の厳しさです。それにこの補償金なり、制裁金は、利益に対してのものではなくて売上高に対してのものですから、莫大な額になります。

2011年のサムスン電子の売上高は1486億ドル(約11兆4244億円)で世界トップですけれども、その10%は1兆1424億円になります。

まぁ、制裁金の対象が全世界での売上ではないにしても、サムスン電子の利益率は10~13%程ですから、売上に対して10%とか15%の制裁金が課されてしまうと、利益は殆どでないことになります。しかもサムスン電子の利益の大半は携帯電話だとされていますから、販売差し止めや制裁金は、軽くないダメージかと思われます。

ただ、こうした流れがいつまで続くのか、それでも焼畑工業モデルがまだ通用して、サムスンに利益を齎すかについては、もうしばらく様子をみる必要があるかと思います。

昨年、野田氏の解散宣言から円安傾向が続いていますけれども、安倍新政権にはぜひとも、景気の立て直しを図っていただき、日本復活の足掛かりを築いていただきたいと期待します。

本年は良い年になると良いですね。今年もよろしくお願いいたします。

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この記事へのコメント

  • 白なまず

    家電などの電気製品の付加価値を支えている技術は、半導体、バッテリー、ディスプレイと仮定すると、半導体の微細化はそろそろ限界がきており、コストダウンと言う意味での微細化は成り立っていないし、デイスプレイでも、画素数がドンドンふえれば良いとは言えない(十分高画質、高密度である)、残るはバッテリーだが、容量が格段に増えるわけでもないので、家電の進化は緩やかになるしか無さそうである。自動車以上に成熟した領域に入り、使いやすさとか、デザインなどでしか差が出せないのはどうしようもないでしょうね。だから、プリンターやコピー機のように、消耗品でのビジネスモデルしか生き残らない可能性もある。あとは、補償や保険とか、情報セキュリティーとか、クラウドサービスで付加価値をつける事ができれば、差別化は可能でしょうね。何れにしても、従来の半導体の進歩等の技術革新をあてにした、性能、品質の向上による付加価値UPの時代は終わったのでしょう。
    そうなれば、世界共通のコモディティ化した製品ではなく、国、地域、性別、年齢等で細かにターゲットを絞り込んだ物に付加価値を求めるようになれば、サムソンのような他人の技術をパクッても
    2015年08月10日 15:23
  • sdi

    新年あけましておめでとうこざいます。本年もよろしくお願いします。
    酒の席とかで韓国の技術やコンテンツのパクリの酷さを指摘すると、かならず「昔の日本もアメリカ相手に同じことをやっていた」と韓国を弁護する方が出てきます。そういう方に対して「そんなことをして許される時代じゃなくなっている。」と突き放すこともできますが、私は言い返すことにしてます。
    「あのころの日本人は、自分たちを模倣しようとした作品・技術や、その作り手たちに尊敬の念を持っていた。そして『いつか、これを超えた物をオレタチの手で作ってやる』と思っていたんじゃないですかね。オリジナルに対する敬意と尊敬の念がなければ模倣は簡単に海賊版に堕落しますよ。今の韓国や中国のパクリビジネスの担い手はどうでしょうね。」勿論、当時の日本人全てがそうだったと言い切るつもりはありませんが、そういう日本人のほうが多数派だった故に今の日本があるんじゃないでしょうか。
    2015年08月10日 15:23

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