敵基地攻撃能力保有の是非を議論せよ

 
今日もごく簡単に。

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2月14日、安倍総理は、北朝鮮の核実験を受けてオバマ米大統領と電話で約20分間会談し、国連安全保障理事会で北朝鮮に対する「強く新しい制裁決議」の早期採択を目指す考えで一致した。

安倍総理は、「北朝鮮の核実験は、北東アジアのみならず国際社会全体の平和と安全を著しく損なうものだ。安保理においては、制裁の追加・強化を含む決議を速やかに採択すべきだ。…金融制裁についても、日米で協力して対応していきたい」とアメリカに対し厳しい措置をとるよう要請した。そして、オバマ大統領には、「アメリカは日本に対し揺るぎない防衛義務を負っており、『核の傘』による抑止力も含まれることを再確認した」ようだ。

まぁ、ここまでは、通り一遍の協力確認だとしても、実際、その制裁とやらがどこまで効果を発揮するのかはとても疑わしい。北朝鮮は、これまで瀬戸際外交を繰り返し、何度も経済制裁を受けていながら、ミサイル開発と核実験を止めることはなかった。

なんだかんだと時間稼ぎされている間に、どんどん射程の長いミサイルを作られ、核の小型化を進められてしまった。結果的に制裁は意味を成したとは言い難い。

実際、北朝鮮は、日本にとって、はっきりと安全保障上の脅威となっている。

2月12日、安倍総理は、衆院予算委員会で、弾道ミサイル発射基地などへの先制攻撃を想定した敵基地攻撃能力の保有に関して「国際情勢はどんどん変化していくから、国民の生命と財産を守るために何をすべきかという観点から常にさまざまな検討を行うべきだ」と述べているけれど、当然といえる。

北朝鮮が日本を狙ってミサイルを撃てば、十分かそこらで着弾する。予め撃つぞと予告してくれるのならいざしらず、いきなり撃ってこられたら、迎撃のしようがない。

となると、撃たれる前に破壊するという選択肢も当然考えなくちゃいけない。

2009年の麻生政権のとき、麻生元総理は、北朝鮮のミサイル発射基地への先制攻撃を想定した敵基地攻撃能力について「一定の枠組みを決めた上で、法理上は攻撃できるということは昭和30年代からの話だ」と述べ、法的には可能との認識を示したことがある。

これは、1956年2月29日の衆議院内閣委員会で、鳩山一郎首相(当時)の答弁を、船田中防衛庁長官が代読する形で発言したことを指すと思われる。その内容は次のとおり。
「我が国土に対し、誘導弾等による攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とは考えられない。他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」
以降、敵基地攻撃能力についての政府答弁には次の様なものがある。
「我が国に現実の被害が発生していない時点であっても、侵略国が我が国に対して武力行使に着手しておれば、我が国に対する武力攻撃が発生したことと考えられ、自衛権発動の他の二つの要件を満たす場合には、我が国としては、自衛権を発動し、相手国の戦闘機や艦船を攻撃することは法理上可能となる」
1999年3月3日 野呂田芳成防衛庁長官 衆議院安全保障委員会

「おそれの段階で敵基地をたたくという意味での先制攻撃は不可能。北朝鮮が東京を灰燼に帰すと宣言し、ミサイルを屹立させたならば(攻撃に)着手したとするのは国際法上も理解できる」
2003年1月24日 石破防衛庁長官 衆議院予算委員会

「独立国家としては、侵略戦争はしないとか、相手陣営で武力行使をしないという枠組みを持っていたとしても、国民を守るために最低のものは持たなければいけない。与党で議論するべきだ」
2006年7月9日 額賀福志郎防衛長官

「敵基地攻撃能力保持論はむちゃくちゃな暴論だ。極端に言えば、日本政府が敵と認定した国の基地はどこでも攻撃できるという話になる」
2006年7月19日 民主党 小沢一郎代表

「ナショナリズムに基づく勇ましい発言が相次いでいる。その方向に動けば、政権交代を余儀なくされる」と述べ、翌日の記者会見でさらに「自民党全体が、専守防衛に徹する、非核3原則を厳守するという基本的な安全保障政策の原理・原則を忘れ、タガが緩んでいる」
2006年7月25日 山崎拓・自民党前副総裁 ワシントンでの講演

とまぁ、敵基地攻撃が自衛の範囲にあたるのか、それとも武力行使にあたるのか、という解釈によって、その見解が分かれてくるのだけれど、政治家、そしてマスコミもいい加減、こうした問題から逃げないで、今の日本の防衛力で、敵基地攻撃という手段を使わないで、日本を護りきれるのかについて徹底的議論すべきだし、国民も防衛の実体についてもっと現実を知るべきだと思う。





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この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    北朝鮮の体制は反共産主義の一環として日本人
    工作者の金策が作ったと佐藤守は主張する.
    それは日本を「目覚めさせる」ためだと言う.
    最近の政府の論調を見ると, あながちファンタジー
    とも言えない気がする.
    2015年08月10日 15:23

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