今日は雑談風に…
安倍内閣の支持率が上昇を続けている。
3月18日、朝日、読売、毎日の3紙が、週末に行った世論調査の結果を発表しているけれど、内閣支持率は、朝日が前回比で3ポイント増の65%、読売が1ポイント増の72%、毎日に至っては7ポイント増の70%となっている
昨年末に発足した第2次安倍内閣は、3ヶ月近く高支持率をキープしているけれど、内閣発足直後から、3回連続で上昇したのは1989年発足の海部俊樹内閣だけ。
これは、先日のTPP交渉参加表明後の調査だから、一部にあったTPP交渉参加表明が支持率を下げるという懸念は杞憂に終わったことになる。
実際、この世論調査ではTPP交渉参加表明についても質問していて、TPP交渉参加について支持すると答えた人の割合は、朝日が71%、読売が60%、毎日63%と、6割以上が支持するという結果となっている。
ところが、その中身をもう少しみてみると、無条件で賛成というわけでもないようだ。朝日の世論調査では、TPP交渉参加だけではなくて、TPPへの実際の加盟を支持するか、有利な条件を確保できるかといった踏み込んだ内容についても質問していて、その結果、TPPへの参加に賛成するという回答は53%、反対は23%と賛成が6割を割り、有利の条件を確保できるかについては、確保できるが39%、確保できないが40%と拮抗している。
また、渋谷に本社を置き、リサーチ事業を行なっている、リサーチパネル社は、3月19日から2日にかけて、安倍総理がTPP交渉参加表明を行なった際、「どうか私を信用してほしい」という発言をしたことについて、信用できるか、というリサーチを行ったのだけれど、回答総数140816件中、62.1%が「信用できない」と回答している。
つまり、交渉に参加することについては賛成するものの、その結果についてはあまり期待していないということ。安倍総理の自分を信じて欲しいを信じないのに、TPP交渉参加に賛成するということは、交渉する分野以外でTPPに価値を見出しているということ。
TPPは、国内で賛否が分かれるテーマだけれど、2ちゃんねるで、賛成派、反対派について上手く分類している投稿を見かけたので、次に引用する。
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] :投稿日:2013/03/18 20:53:46 ID:WmA/CQpx0 [2/4回(PC)]まぁ、今では、マスコミが賛成の大合唱から、一転手の平返しして、反対の論説を出し始めているから、マスコミが賛成一色とまでは微妙なとこだけれど、概ねこの分類は非常に良く出来ているように思われる。
現時点ではTPPそのものは日本の国益とはならないのは明らかだけど
実は日本国内だけでも賛成反対ともにいくつに分かれている
【反対】支那・朝鮮様が不利になるから
→社民党・共産党・生活の党とその支持者、支那朝鮮シンパ
【反対】既得権益を脅かされてしまうから
→農協・医師会・中小パチ屋
【反対】TPPの及ぶ項目は多岐に渡り、日本の国の形を変えてしまう!
→自民党支持者の大半、維新の旧立ち上がれ組、チャンネル桜
【賛成】中国包囲網&脱特亞(支那朝鮮) 交渉参加でできる限り毒を洗い出したい。
→安倍晋三
【賛成】利益を受けるから
→経団連・グローバル投資家、カジノ意向を進める大型パチ屋、スポンサー経由でマスコミ
【賛成】日本の(有害な)既得権益の打破にも繋がるかも
→維新の橋下派
【賛成】アメリカ様を中心としたグローバル投資家への利益誘導
→竹中平蔵、大前研一、櫻井よし子、(小泉進次郎?)
筆者のTPPに対する考えについては、これまで何度も述べてきたけれど、この分類に当てはめると、丁度、「TPPの及ぶ項目は多岐に渡り、日本の国の形を変えてしまう」派と、「中国包囲網&脱特亞(支那朝鮮)、交渉参加でできる限り毒を洗い出したい」派の両者の属する。したがってトータルでは中立だと思う。
前者の"日本の国の形を変えてしまう"について述べた「日本が誇る八重の桜な世界観」のエントリーのコメント欄で、opera様から紹介された、関連する論説として、九州大学の施光恒准教授の「『自由と繁栄の弧』路線をどうとらえるか」を読ませていただいたのだけれど、筆者はこの論説に同意する。というか、筆者がこれまで述べてきたことと大体同じ。
施光恒准教授はもう一つ、3月22日付で、「日本の交渉力」という論説を出しているけれど、この論説についても同意する。
この論説の中で施光恒准教授は、「TPP域内では、英語と日本語を公用語にすべき論」であるとか、「日本の軽自動車規格を普遍的に広げるべきだ論」であるとか、「TPP加盟国は、日本の健保や医療制度を見習うべきだ論」を挙げている。
筆者は「TPPブロック経済圏と日本の未来」のエントリーで、"ASEANを日本化せよ"と述べたことがあるけれど、これなんかも施准教授の説と、殆ど同じ方向を見ているように思う。
ただ、くだんのコメント欄でopera様も述べているように、「問題はそれを実現する意思と力が今の日本にあるかどうか」というのは、筆者も懸念するところ。
安倍総理はTPP交渉参加にあたって、はっきりと安全保障について述べているし、麻生副総理がかつて、中東に「平和と繁栄の回廊」構想を掲げて外交交渉をやったことを考えると、安倍総理と麻生副総理がコンビでしっかり連携をとって、TPPに良い影響を与えてくれることを期待したいのだけれど、何度もいうけれど、如何せん遅きに失したことは否めない。
返す返すも、民主党政権の3年半は、大きな後退であり、損失であったと思う。
この記事へのコメント
日比野
中々お返事できなくて申しわけありません。
ご紹介いただいた記事、(廣宮さんのブログですね。)拝読させていただきました。
オバマ政権の初期の段階からアジアシフトを始め、それは軍事と経済とセットの動きであった、ということですね。
アメリカの戦略については、http://kotobukibune.at.webry.info/201110/article_27.html のエントリーで引用して述べたことがありますけれども、2010年当時感じていたことと、大筋では同じではないかという印象を受けましたので、この廣宮さんの解説は、私には非常に納得できるものです。
これがオバマ大統領の属人的問題なのか、アメリカ全体としての意志なのか、私には分からないですけれども、大枠では、アメリカは軍事を縮小再編する流れにあるとはいえるかと思います。
ただ、そのきっかけがシェールガス革命にあるかといわれると…、う~ん。何ともいえませんね。
というか、私自身、まだシェールガスには懐疑的な部分があるからなんです。御存知のとおり、シェールガスは貯留槽ではなく、その上下の頁岩層に浸み込んだ、ガスや
55
間違った改革の政策のオンパレードで20年近くもデフレ脱却もできずに来たくせにその改革や政策よりもさらにひどい事をしようとしてるんですから
日本を取り戻すと小泉政権のことなんです?
他人の既得権がどうたら言ってる人たちは
自分の既得権に被害が及ぶ時は騒がないでほしいですわ。
WN
>痴呆症じゃないのか?今後一切、君とは議論しない。
つくづく頭の悪い人ですねえ。
「自由貿易論者は自由貿易によってモノカルチャー化が進むと主張しているが、モノカルチャー化にはリスク(=危険性)もある。仮に自由貿易論者が正しい(モノカルチャー化する)と仮定した場合、モノカルチャー化の危険性については無視するのか?」
こう書けば理解できますか?
そもそもあなたは、比較優位・劣位と、絶対優位・劣位の違いを理解していますか?
海外との競争云々は絶対優位・劣位の話で、比較優位・劣位は国内の産業間の競争の話なんですよ。
ある産業が、絶対優位であると同時に比較劣位でもあり得る、ということを理解できますか?
たとえ絶対優位であっても比較劣位であれば比較優位に特化した方が経済的利益は大きい、というのが比較優位論ですよ。この程度のことは経済学の教科書にも書いてあったはずですがねえ。
sdi
TPPに参加することに経済的なメリットを見出せないし、なにより「とにかく目の前にある気に入らない物をぶっ壊せば日本はよくなる」なんて意見の連中に組する気は毛頭ありません。
ただ、最近気になっているのは「アメリカ自身がどこまでTPPの本気なのか?」という点です。確証といえるようなものはないのですが、アメリカはTPP締結の課程でもたらされる太平洋沿岸諸国による枠組みを重視してもTPP自体はそれほど重視してないのではないか?、という疑問です。
極端なことを言えば、TPPの交渉がまとまらず延々と環太平洋諸国が会議を続けつつ、自国の社会体制や法体系や国民の意識の改革(改善か改悪かは置きます)が進んでいく状況こそがアメリカの目的なのではないか、ということです。延々と続くTPP参加・締結交渉の場を、それ以外の議題の交渉の場を兼ねるものにするのは可能でしょう。経済、外交等の代表は既に居るのですから、安全保障担当がなし崩し的に加わっていくという過程はありえます。
欧州の場合は、NATOとEUができてからEECという道程でしたが、太平洋沿岸地域はその逆かも
opera
◇TPPが「安全保障」という《言語明瞭、意味不明》な話の意味を、中東情勢とオバマ政権の外交方針から読み解いてみます
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-581.html
これを読んでの感想を述べると、TPP問題はアメリカと言うより、オバマ大統領の属人的問題という印象を強く持ちます。もともとオバマ氏はNAFTA等の自由貿易協定はアメリカの国益に反すると主張して大統領に当選しています(民主党内では未だにこの考え方が根強い)。にもかからず、なぜTPPなのか。
単純化すると、以下のようになるかもしれません。
シェールガス革命 → 中東依存の低下 → アジア・太平洋
イラク戦争批判 中東から外交的・ 重視(回帰)
軍事的撤退 TPP
しかし、イラク戦争批判はいいとしても、シェールガス革命は本物なのか。この点は、日比野さんの方が詳しいと思いますが、シェールガスを利用するには、膨大な水が必要で、か
ちび・むぎ・みみ・はな
出てくるのか. アジアを日本化することは
決して日本のためにもアジアのためにもならない.
ベトナムは何時までもベトナムであるべきだし,
インドネシアは何時までもインドネシアであるべきだし,
... (以下省略) ...だ.
大体にして, ASEANは元々がアジアの弱者連合
であるし, 支那に対抗できればそれで良かったのだ.
そこに支那を引き入れたのは日本の理想主義者.
重要なことは不当な圧力の下の国際関係は
全ての国の不幸であることだけ.
それ以外の理想は『理想』として飾っておくべきで,
現実には数えることもできないほどの慣例の違いが
単純な理想を不可能とする.
大体にして人間の平等にしても, アジアでさえ,
実現しようとすれば国政は破綻するし, 地球も耐え得ない.
現在の安倍首相のTPP参加表明についても,
世論が正しく述べているように, 対支那戦略の
一環であり, 支那の軍事的膨張を防げればTPPに
参加できない方が良い. TPPを詳しく検討してきた
若手の政治家を周囲に数多く持つ安倍晋三が知らない
筈はない.
我々が理解して
洗足池
経済的に不利になる団体、業界は全て反対している。「国の形が変わる」だの「国益が損なわれる」だのはただの屁理屈だ。自分が食って行けなくなるから反対しているだけの話。
WN君、TPP加入でモノカルチャーになると主張しているが、日本がサツマイモ畑だらけになると言ってるのか? FTA締結で韓国にキムチ畑しか残っていないのか? モノカルチャーについて詳しい様だから説明してくれ。
韓国の貿易黒字が縮小してきてるのはウォン高のせいだろう。この数か月の急速なウォン高、円安でも黒字を保っているのはたいしたものだ。日本は円安でも貿易赤字だからな。だから私はTPPでもFTAでも積極的に加入して巻き返せと主張しているのだ。