サイバー朝鮮戦争
3月20日、韓国のKBSテレビとMBCテレビ、YTNテレビの3放送局と新韓銀行のコンピューターサーバーが一斉にダウンし、国内各所は大混乱に陥った。韓国警察はサイバー攻撃の可能性があるとして捜査を開始した。
これまでのところ、被害を受けたコンピューターやサーバーは3万2000台余りで、完全復旧には少なくとも4、5日かかると見られている。どうやら、放送局や金融機関のサーバーにハッキングしl、コンピューターウイルスのワクチンプログラムを装って悪性プログラムが流されたようだ。
韓国の合同調査チームは、被害を受けた一部の銀行のシステムを調べ、悪性プログラムの発信元のIPアドレスが中国のものだったと発表。韓国政府関係者は「攻撃の規模、技術レベルから、北朝鮮の仕業である可能性がある」と述べた。
韓国の専門家によれば、北朝鮮のハッキング技術は、アメリカやロシアといった世界最高水準の能力に引けをとらないという。
北朝鮮のハッキングは、アメリカ防総省の機密文書の暗号を解読する目的で始まった。北朝鮮の5年制の軍事大学で、1986年に100人のコンピュータ専門要員の教育を始めたのがその始まり。
1991年、湾岸戦争でアメリカが勝利すると、金正日はサイバー戦の重要性を認識。コンピュータ専門要員をロシアや東ヨーロッパにある北朝鮮の大使館に派遣し、ハッキングを行なうようになったという。
そして1995年には専門のハッカー部隊を創設。当初は労働党作戦部の指揮下にあったけれど、2009年に改変され、現在は偵察総局の傘下に統合されている。北朝鮮のサイバーテロ部隊は、朝鮮人民軍総参謀部の「情報統制センター」が統括し、その指揮下に、実行部隊である「偵察総局121局」、情報・心理戦を担当する「偵察総局204局」や情報偵察部隊などが置かれているとされる。
北朝鮮は過去にも、韓国に対するサイバーテロ攻撃を仕掛けたことがあり、近い所では、2011年3月に韓国大統領府、国家情報院、韓国軍合同参謀本部、在韓米軍、外交通商省、国民銀行などがサイバー攻撃を受け、ウェブサイトが一時的にアクセス不能となった。銀行のオンライン決済もストップするなど大混乱し、回復するまでに3日から1週間もかかったという。
また、更に遡って、2009年には、韓国の政府機関や金融機関、マスコミなどが相次いで接続障害を起こす大規模なサイバーテロ攻撃を受けている。この時、韓国政府はサイバー攻撃に使われたIPアドレスを解析して、北朝鮮逓信省が中国国内で使用していたIPだったことを突き止めている。このアドレスは2011年3月の攻撃時にも同じアドレスが使われていたという。
まぁ、今回のサイバー攻撃の発信元IPアドレスが、以前のサイバー攻撃のそれと同じかどうかは分からないけれど、韓国政府にしてみれば、攻撃元のIPアドレスをみただけで、ピンとくるものがあるのかもしれない。
こうしたサイバー攻撃とは別に、38度線もキナ臭くなってきた。
3月18日、韓国中央日報は、17日の午後2時頃、江原道鉄原郡の韓国と北朝鮮の国境にある歩哨所で、韓国兵士金さんが銃撃され死亡したと伝えた。また、この地区では、韓国軍少尉も行方不明になり、37日後に駐屯地から1キロ離れた場所で遺体で発見される事件も起きている。
この銃撃が北朝鮮からのものなのかどうか証拠がないから、まだ何ともいえないけれど、軍事境界線で起こっているだけに、不気味なものを感じる。
いや、北朝鮮が休戦協定を破棄すると宣言しているのだから、既に戦時体制に入っていると考えれば、こうしたことは普通に起こり得ること。韓国政府はまだ表立って、これという動きはしていないのだけれど、朝鮮戦争は既に始まっているとみたほうがいいかもしれない。
日本としても、事が大きくなる前に、対策と体制を整えておく必要がある。
この記事へのコメント
ス内パー
windowsの強制アップデートに巻き込まれて不正PC(海賊版)が強制終了されただけではないか。
まぁ中枢部分に正規版なりUNIXなり入れないで無料の海賊版、割れOS使うとか
日本じゃ考えられなくても中韓では日常だから否定は出来ませんが。
もしこの説が真実だったとしても公表はされないだろうなぁと苦笑しつつことの推移を見守ってます。
眠
sdi
そういう技術者集団を韓国政府または軍が抱えているかというのもありますが、攻撃対象が少なすぎる。皆無ではないかもしれませんがね。