冴える安倍外交 この世界を僕らは待っていた

 
靖国参拝で隣国が激しく反応しています。

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1.ヒステリーを起こす韓国

韓国がヒステリーを起こしている。

4月23日、翌24日と、韓国の新聞各紙は、日本の国会議員の靖国参拝について大々的に報じている。例えば、韓国の夕刊紙である文化日報は「円安・歴史挑発…日本また“韓半島侵略”」と一面トップで伝え、朝鮮日報は「安倍総理、日帝の侵略まで否認…ドイツなら辞職もの」「侵略戦争を否定すれば、戦争可能な国家になる」等々。

24日、韓国国会外交通商統一委員会の全体会議で、民主統合党の洪翼杓議員は靖国参拝した麻生太郎副首相など閣僚3人に対して入国禁止を要求し、また、民主党のシム・ジェグォン議員は駐日大使の召還も口にしたようだ。これを受けた、外交部の金奎顕第1次官は「外交的対応については検討をしてみる。…日本の責任ある政治家がいまだに時代錯誤的な発言をしていることに遺憾を禁じ得ない」と述べたそうだから、或いは今後そのような処置をしてくるかもしれない。

また、同じく24日、朴槿恵大統領は、マスコミ各社報道編集局長との昼食会で「韓日関係は安保経済的に非常に重要だが、歴史認識を誤って過去の傷を悪化させれば未来志向的に進むのは難しい。…日本は国際社会との調和に向けて進むべき。…右傾化すれば北東アジアとアジアの国家間の関係が難しくなり、日本にも望ましくない」と述べている。

先日、韓国の尹炳世外相が訪日を取りやめたという報道があったけれど、24日に予定されていた福田康夫元首相らと朴大統領との面会も見送りとなったようだ。

ただ、これらの対応の背景には、今年2月に行われた、麻生副総理と朴槿恵大統領との会談が影響していると韓国紙の中央日報が報じている。

中央日報によると、麻生副総理は、朴槿恵大統領との会談で、朴大統領が「真の友好関係を構築するには歴史を直視し過去の傷が癒やされるよう努力しなければならない」と述べたのに対して、麻生副総理は「同じ国、民族でも歴史認識は一致しない。それを前提に歴史認識を論じるべきではないか。」と指摘したという。

政府当局者は「麻生氏は就任祝いではなく、歴史観の違いを認めるよう戒めに来たようだった」とし、麻生副総理の発言を聞いた朴大統領は表情をこわばらせたそうだ。

そもそも、意見が違うからこそ、対話することに意味があるのであって、最初から意見が一致するのであれば、会談なんてする必要がない。

それよりも、筆者が気になっているのは朴大統領が、マスコミとの昼食会で「韓日関係は安保経済的に非常に重要だが、過去の傷を悪化させれば未来志向的に進むのは難しい。」と述べていること。これは、自国の安全保障や経済の上位に歴史問題を置くという宣言であり、極端なことを言えば、面子を保つためには国が滅びても構わないということを意味してる。北朝鮮の脅威が目の前にあり、円安を脅威としている韓国が日本を敵に回して何の得があるというのか。

筆者はひと月ほど前のエントリー「危うい朴槿恵大統領」で、朴大統領の生い立ちに触れ、朴大統領は、筋を曲げずに正面突破という選択をする可能性があると述べたことがある。それが却って危機を呼びこむことがあるのだ、と。

今回の朴槿恵大統領の対応には、早くもこの種の「危うさ」を感じざるを得ない。




2.脅しに屈しない安倍総理

4月24日、安倍総理は、参院予算委員会で、中国や韓国が閣僚の靖国参拝に反発していることに関し、「国のために尊い命を落とした英霊に対し、尊崇の念を表するのは当たり前だ。…わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない。その自由は確保している。…国益を守り、歴史や伝統の上に立ち、誇りを守るのが私の仕事だ。…それを削れば関係がうまくいくという考え方は間違いだ」と答弁している。

まぁ、一昔前であれば、日本が自身の身を削れば関係が上手くいくという説も説得力を持っていたかもしれないけれど、流石にそれは嘘だったということを国民は知ってしまった。民主党の暗黒政治が、それをダメ押しした。

はっきり言って、以前と靖国参拝に対する国民の見方はがらりと変わった。その発端は小泉総理の靖国参拝から始まったと思われるのだけれど、あれから10年余り。ようやくここまできた。最早、中韓にとって、靖国は外交カードでは無くなった。当人達がそれに気づいているのかどうかは別として。
※ 靖国の外交カードとしての意味の変化については、こちらのブログ記事が参考になる。

それどころか、彼らの度重なる抗議とその振る舞いが、日本人の中韓に対する見方をネガティブな方向に導いていくようにすらなっている。安倍総理のいうように、どんな脅かしにも屈しない姿勢は、相手に対する明快なメッセージとなる。

そして、もっと大切なことは、日本を脅しても何の得にもならない、と彼らが悟らざるを得ないような状況に追い込んでいくということ。靖国参拝に抗議することが、そのまま自分で自分の首を締める行為となるよう仕向けること。

日本の強みは、特亜3国と国内の反日マスコミ、反日政党以外に敵が殆どいないことにある。外国は基本的に中立もしくは友好国。

最近、中国の大手検索サイトである百度の掲示板に「なぜ靖国神社参拝に抗議するのは中韓だけなのか」というスレッドが立てられ、そのスレ主が「これでは中韓が自分の利益のために抗議しているように見えてしまう」と書きこんでいるそうなのだけれど、これなんかは、正に、"自分で自分の首を絞めている"ことを白状しているようなもの。

日本のマスコミは、特亜3国だけが外国だと思っているのかもしれないけれど、世界の圧倒的多数は日本を敵視してはいない。毎年、イギリスのBBCが調査している「世界によい影響を与えている国」で、日本がいつも上位に食い込んでいることをみても、それは明らか。




3.この世界を僕らは待っていた

アメリカの世界の警察官としての力が衰えていくのは、時代の趨勢として仕方がないとしても、それで日本の安全保障を放棄する理由にはならない。パックスアメリカーナが終わるのなら、それに代わる安全保障戦略がなければならない。

日米同盟に代わる、又はそれを補完する安全保障戦略として、一番現実的なのは、やはり「遠交近攻」戦略になるのだろうと思う。

「遠交近攻」とは、「遠きと交わり近きを攻める」の意味で、中国戦国時代に范雎が唱えた戦略。自国から遠い国と友好関係を結ぶことで、敵対する隣国を背後から牽制させ、抑止力とするのがその基本線となるのだけれど、今の日本でいえば、中国包囲網がそれにあたるだろう。

安倍総理は、昨年末の総理就任以来、着々と「遠交近攻」の外交を展開している。

4月15日、安倍総理は、NATOのラスムセン事務総長と会談し、日本とNATOとして初めての共同政治宣言を出した。その内容は、日本とNATOは、自由や民主主義といった普遍的価値を共有するパートナーであり、サイバー防衛や安全保障分野について協力を強化していくというもので、はっきりと中国に対して牽制を入れた。

また、5月の連休に、安倍総理が中東諸国を歴訪し、サウジアラビアのアブドラ国王と会談し、安全保障対話を始める方針を固めている。

総理就任時には、ASEAN歴訪から始まった「遠交近攻」も、近場は一回りして、早くも中東、欧州といった"遠い国々"と交わり始めている。

このように、脅しても何の得にもならないことを、流血なしで相手に伝えることは非常に大事。それはまた、戦争を避けるための努力でもある。遠交近攻を地でゆく安倍外交。この世界を僕らは待っていた。
べローズ 「レド、だったな…。なんで海賊を皆殺しにした?」

レド   「敵の排除に理由が必要なのか?」

べローズ 「…!、…宇宙じゃどうだか知らないが、ここでは殺生は何よりも戒められている。」

レド   「生物を殺して食用とすることは、問題とされないのか?」

べローズ 「確かにあたしたちは、魚や鳥を殺して喰ってるさぁ。けどそれだって、自分達が生きるのに必要な分だけだ。無駄な殺生はしちゃいない。ましてや海賊は人間だ!同族だ。軽々しく、命を奪っちゃいけない。」

レド   「人間の殺傷を禁じるのであれば、何故兵器を保有する?」

べローズ 「その気になれば命も奪える。そう脅すことで、海賊は相手を従わせようとする。だからこっちも、黙って殺されたりしないと態度で示す。お互いに大砲を見せびらかしあっているうちは、要するに交渉のうちなのさ。あたしたちの言葉に『魚を釣ってきたものには真水を与えよ』っていうのがある。」

レド   「人間の相互援助を推奨する言葉か?」

べローズ 「そうさ。みんなでものを持ち寄らなければ、生きてはいけないからね。」

レド   「だが海賊は、その規則を順守しない。」

べローズ 「もちろん、あたしたちはそんなことを認めるわけにはいかない。命も財産も、海賊なんぞに渡したりできるもんか。けどね…、その為には、あたしたちを襲っても得にはならないって、連中に知らせるだけで十分なんだよ。ところが人死にがでると話は別さ。奴らは立場を取り戻すため、より多くの血を流さなきゃ引っ込みがつかなくなる。」
翠星のガルガンティア 第3話 「無頼の女帝」より




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