ボストンの爆発と最後通牒

 
ボストンマラソンでの爆発で被害を受けられた方に心よりお見舞い申し上げます。

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4月15日、アメリカ東部のマサチューセッツ州ボストンで開かれたボストンマラソンのゴール付近で、大きな爆発があり、8歳の少年を含む3人が死亡、17名が重体で、141名以上が負傷した。

爆発は、トップランナーのゴールから2時間余りたち、マラソンが半分程終了した現地時間午後2時50分頃、コプリー広場で発生。その30秒後に、40メートル離れた場所で2回目の爆発が起きた。

現在は、爆発の起きたコプリー広場近くのホテルからは、念のため滞在客らが退避。連邦航空局(FAA)は現場上空の航空機の飛行を制限した。また、ニューヨークやワシントンなどの都市も、市内の警戒態勢を強化している。

連邦捜査当局者によると、爆弾は2つとも小型で、初期段階の調査では強力な爆薬は検出されていないそうなのだけれど、ネットにアップされた動画を見る限り、その爆発は結構大きなもので、素人が扱えるレベルなのかどうか疑問に思う。

国土安全保障省のカイアム元長官補佐官は「警察によるゴール周辺の不審物チェックは48時間前には終わっていた。爆発物は爆発直前に現場に持ち込まれたのではないか」と語っている。

犯行は国内グループによるものか、国外勢力によるものかは不明。連邦当局は爆弾テロ事件とみて調査を進めており、ホワイトハウス高官は「複数の爆発物がほぼ同時に爆発しており、テロ事件として捜査していく」と指摘した。

この事件を受けて、オバマ大統領は記者会見を開き、「われわれが徹底捜査する前に犯人像について早合点してはいけない。…誰が、なぜこのようなことをしたのか分かっていないが、必ず見つけ出して裁きを受けさせる…ボストンは強い街だ。米国民はあらゆる面でボストン市民を支える」と述べたのだけれど、爆発を「テロリストの攻撃」だったと言うことは避けたようだ。

今のところ、情報は錯綜していて、はっきりしたことは分からない。



ボストンマラソンは、アメリカ独立戦争が起きた4月19日を「愛国者の日」として、それを記念して第一回大会が行われたという歴史がある。

だから、ニューヨークでもなく、ワシントンでもなく、ボストンのマラソン大会に照準を合わせた爆発は、何等かの政治的メッセージが込められているとみることもできる。

しかも、今は、北朝鮮情勢が緊迫している上に、当の北朝鮮が、先月、アメリカを名指しで先制攻撃すると宣言してる。だから、今回の爆発に北朝鮮の関与を疑う声が上がってもおかしくない。だけど、今のところ、どこからも犯行声明は発表されていない。

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今回の爆発について、軍事ジャーナリストの神浦元彰氏は次のように述べている。以下に引用する。
2013.04.16 ボストンマラソンで爆発2人死亡 132人負傷、テロとFBI 

米東部マサチューセッツ州ボストンで開かれたボストン・マラソンのゴール付近で15日午後3時(日本時間16日午前4時)ごろ、大きな爆発が2回あり、米メディアによると、8歳の男児を含む2人が死亡、132人が負傷した。

うち6人が重体という。米連邦捜査局(FBI)は「テロ攻撃」との見方を示した。

オバマ米大統領は「誰が起こしたのか突き止める」と真相解明に全力を挙げる考えを表明した。

在ボストン総領事館によると、日本人の負傷者などの情報は伝えられていないが、照会中という。

コメント
これが現時点(09:30)でもっとも新しいボストンマラソンのゴール付近で起きた爆発事故の情報である。

爆破は45メートル離れた場所で起こり、最初にゴール付近で爆発し、約30秒後に45メートルほど離れたコースの歩道付近で爆発した。

さらにゴールから反対側の歩道から2発の爆発物が見つかり、警察の爆発物処理班が安全に処理した。

これから爆発物(火薬や仕掛け)などの分析が行われるが、ボストン警察によれば火薬は高性能(おそらく軍用)なものが使われた可能性と指摘している。

テレビの映像を見た範囲では、爆発規模は軍用火薬で1キロ未満(数百グラム)程度で、容易にバッグなどに入れて持ち運びできる。

残された2発の爆発物から、今回の犯行を行ったグループと目的を特定される可能性もある。

今のところ、米国内のテログループか、外国のテログループか、そのあたりに関心が集まる。

9.11事件のときは、米国の情報機関は空港の駐車場で、放置レンタカーの中にコーランと操縦マニュアルがあるのを見つけ、そのレンタカーの借主(実名)から主犯を特定し、さらに彼の電話の盗聴記録からハイジャック犯全員名前を特定している。そしてアルカイダのテロを断定した。

だから今後、北朝鮮がだれがやったかわからないようなテロを起こすという話は軍事理論ではない。

今回のテロで犯行グループは成功したと鼓舞し、犯行声明を出す可能性もある。今後の展開が注目される。
日本軍事情報センター」のサイトより抜粋引用
とまぁ、今後の状況に注目せよ、といったコメントなのだけれど、"逆神"神浦氏が「犯行グループが、犯行声明を出す可能性もある」とコメントしたということは、実際はその真逆に展開するかもしれない。

まぁ、それはさておき、今回の爆発について、ネットの一部では、「アメリカによる自作自演説」というのも流れているようだ。その理由は、北朝鮮を軍事攻撃するための口実を得るため、というもので、そのうち北当選のテロだと発表されるのではないかと、まことしやかに語られたりしている。



果たして、今回の爆発がアメリカの自作自演なのかどうかは分からない。だけど、結果として、アメリカがこの状況を利用して、北朝鮮に圧力をかけてくると思う。

仮に、今回の爆発について、北朝鮮が犯行声明を出したとする。その場合、おそらくアメリカは、問答無用で北朝鮮に軍事報復するだろう。

また、北朝鮮が犯行声明を出さなかったとしても、アメリカが「テロの実行には北朝鮮が関与している」なんて発表すれば、やっぱり軍事報復という答えになる。

つまり、北朝鮮が声明を出す、出さない如何に関わらず、報復のボールはアメリカが握っていて、それを投げるかどうかは、オバマ大統領の胸先三寸。

北朝鮮がこのアメリカの軍事報復を回避したいのなら、これまでの挑発を止め、核開発も止めて、大人しくなる他ない。そういう圧力を、今、アメリカはかけている。

ここ2週間ばかり、公に姿をみせず、一説には地下に隠れていたとも噂される金正恩は、4月15日、故金日成の誕生日に合わせて、錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を訪問し、公に姿を現したと伝えられている。

本当に金正恩が表に出たのであれば、半島周辺に軍事力を展開し、移動型Xバンドレーダーまで持ち出しているアメリカが、これを見逃すとは思えない。千載一遇のチャンスとばかり、あらゆる装備を駆使して、金正恩の動きをトレースしているに違いない。

そんな状況で起こった、ボストンマラソンの爆発。北朝鮮を攻撃する口実はあるは、標的もトレースしているは、となると、北朝鮮に対するプレッシャーとしては相当なもの。

4月16日、北朝鮮は、朝鮮中央放送を通じて「予告なく報復を行う」と、韓国に"最後通牒"を突きつけているけれど、実は、北朝鮮もアメリカから"最後通牒"を突きつけられていると言える。

こうした中で、アメリカは、北朝鮮との対話を提案している。

4月15日、来日したアメリカのケリー国務長官は、東京で記者会見し「北朝鮮が核開発の停止に取り掛かかれば、アメリカで協力相手を見つけることになるだろう」と北朝鮮との協議を求める考えを示した。

この席には日本の岸田外務大臣も同席し、日本人拉致問題の解決が、北朝鮮側との交渉の起点になると表明している。また、韓国の朴槿恵大統領も、北朝鮮との対話の意向を明らかにしているところを見ると、日本、韓国と同盟国に対して根回しをした上でのケリー国務長官の発表だと思われる。

だから、アメリカは日本と韓国に対して、北朝鮮に対する"軍事攻撃"のオプションについても、説明を済ませているのではないかと思う。

テーブルにナイフを突き立てて「さぁ話し合いをしようか」とにこやかに迫るアメリカ。今後の動向には注意を擁する。




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この記事へのコメント

  • とおる

    イラクのフセイン大統領を排除するためには、「大量破壊兵器を持っている」という話で米国は攻撃しましたが、同様に証拠は無くても、北朝鮮(あるいは、イラン?)を攻撃する理由なんて、警察・検察・裁判所の役割を一手に握っている米国大統領が「ボストンでの爆破事件の背景には○○が存在する」と発言さえすれば簡単です。
    そういえば、ケネディ大統領暗殺でも、捕まった犯人が身代わりという話がありましたが、目的のためには、都合の良い理由を探してくればいいだけの話。
    また、大東亜戦争で日本は犯罪者扱いされ、米国などの連合国は正義の味方扱いでしたが、世界中を支配してきた植民地主義・帝国主義、黒人奴隷・差別をしてきた米国が「自由」を主張するなんて事もありました。
    2015年08月10日 15:23
  • sdi

    アトランタ五輪の事件との関連を指摘する分析もあるようですね。
    2015年08月10日 15:23
  • ス内パー

    ボストンの件は本当に情報が錯綜しています。
    一説には日本赤軍の圧力鍋+黒色火薬テロの手口だといい、一説には自作自演、一説には北朝鮮工作員のC4火薬テロ。あらゆるケースが考えられますので今は情報収集ですかね。
    2015年08月10日 15:23
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > テーブルにナイフを突き立てて
    > 「さぁ話し合いをしようか」とにこやかに
    > 迫るアメリカ。

    これはオバマ・ケリーというリベラルペアの
    スタイルではない.

    オバマ大統領はこの件をうやむやにする
    と思う. 大統領にはベンガジという傷がある.
    2015年08月10日 15:23

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