鳩山発言に苦しむ民主党
昨日のエントリーの続きです。
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今回の鳩山発言で一番困っているのが民主党。無論、参院選へ悪影響が出ることが懸念されるから。
6月28日、民主党の細野幹事長は、鳩山氏の発言について、「…元総理の立場を踏まえない発言を党として看過することは出来ない。先日も表明した通り、尖閣諸島は日本固有の領土であるという民主党の見解とは全く異なり、同時に鳩山内閣を含めて民主党政権時の政府見解とも異なるものであり、誠に遺憾である。加えて、鳩山元総理が中国国内で同様の発言を繰り返したことは、国益を損なう、あまりに無責任な発言というほかない。鳩山元総理の尖閣諸島に関する一連の発言に対して、改めて抗議を行うとともに、今後こうした国益を損なう発言がないよう厳重に申し入れる。」と、批判する談話を発表している。
また、海江田代表も、都内で記者団に対し「今は民主党を離れて1人の民間人だが、首相を経験したという立場もある。よくその立場をわきまえた発言をお願いしたい。…もちろんこれは民主党の考え方ではない。民主党の主張とは大きく異なる」と強調している。
細野幹事長の談話にしても、海江田代表のコメントにしても、鳩山氏は5月末に民主党を離党して、今は一民間人。それゆえ、民主党は無関係なのだ、と言いたいのが言外に滲み出ている。だけど、そんな言い訳が通用するほど世間は甘くない。
細野氏の談話では、鳩山氏に抗議する、と強調しているけれど、"お願いする"とか、"申し入れる"とかいう、いわゆる「お願いレベル」の対応程度で、民主党に対する国民の厳しい目を躱せるとでも思っているのか。
民主党は鳩山氏を5月末で離党したとしているけれど、鳩山氏側は、党費を納めている6月一杯で離党するという立場で、互いに食い違いがある。その意味では、民主党は、鳩山氏に6月まで党籍があると認めた上で、たとえ党籍が残り数日しかなかったとしても、即時除名処分にするなり何なりしたほうが、まだ世間に対するアピールにはなったと思う。
だけど、民主党は、鳩山氏は党とは無関係の人だ、とトカゲの尻尾切りにいった。
民主党は、参院選に向けて「鳩山氏は民主党とは無縁の人」作戦をやろうとしている。だけど、筆者には、この作戦は「裏目」に出るような気がしてならない。何故なら、鳩山氏の言動に対する国民の不満が溜まっているから。
政治評論家の浅川博忠氏は「有権者は鳩山氏の言動を見るたびに、民主党政権3年3ヶ月の迷走と政権を任せた後悔を鮮明に思いだす。参院選で対立候補が、海江田氏も含めて『信用できない民主党の象徴だ!』といえば説得力がある。数議席減るだろう」と述べているけれど、その通りだろうと思う。
国民の側からしてみれば、もしも鳩山氏本人が次の参院選に立候補すれば、選挙で叩き落としてやることで、その不満の一部は解消される。まぁ、選挙本来の姿からはかけ離れているし、こんなので不満を解消するなんて感心できないけれど、事実上、"ガス抜き"に近い効果はあると思われる。
だけど、その張本人は、先の衆院選にも出なかった。3年3ヶ月の民主党政権に対する国民の審判を受けることなく、引退と称して逃げてしまった。それどころか、のこのこと中国に出かけていっては売国発言を繰り返す。国民の目にはそう映ってる。
ゆえに、その怒りは民主党そのものに向かう可能性がある。「鳩山氏は民主党とは無縁の人」作戦で参院選に臨むのは勝手だろうけれど、果たしてそれで逃げられるのか。民間人だから何もできないという理屈で、国民の怒りが収まるかというと、やっぱり厳しいと思う。
先の都議選では、民主党だけでなく、維新の会も惨敗しているけれど、その理由として、東スポが興味深い記事を載せている。それは、維新の惨敗の原因は、元民主にあったというもの。
記事によると、維新が擁立した34人の候補者のうち、13人が元民主党所属の地方議員か、元民主党議員の秘書を務めた人物で、その"隠れ民主党"候補は綺麗に落選しているのだという。
元民主というだけで、落選の憂き目に遭うくらい、民主が嫌われているのなら、民主党の生みの親で、民主党の象徴ともいうべき鳩山氏なら、尚の事。だけど、本人に、その怒りがぶつけられないとなると、矛先が民主党そのものに向けられても少しもおかしくない。
立つ鳩、跡を濁しまくる。民主党はその後始末から逃れられない。
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とおる