今日はこの話題です。

6月23日、東京都議会選挙の投開票が行われ、自民が圧勝を収め、都議会第1党を奪還した。
対する民主は、改選前の43議席から15議席へと1/3近くにまで激減。第2党に踏みとどまるどころか、公明、共産にかわされ、第4党に転落した。
各党の獲得議席数は次のとおり。
自公で82議席。過半数を大きく上回ったことは勿論のこと、注目すべきは、自民も公明もそれぞれ候補者全員が当選したこと。
これは、事前の票読み及び票割りが完璧にできたということを意味してる。完全勝利。まぁ、現職のみ23人を擁立した公明党の手堅さもさることながら、改選前39人を今回59人と20人増やして全部当選させるとはお見事。
対する民主は、選挙戦略で失敗した。民主は複数区で、2人擁立して票を食い合って共倒れ。例えば、8人区の世田谷区は"自自自公公み共ネ"となったのだけれど、民主は2人擁立した。世田谷区の次点は、民主の山口氏で、獲得票数は19016票だったのだけれど、最下位当選の生活者ネットワークの西崎氏との差は2487票しかなかった。
民主が擁立した二人の候補者の得票数を合わせると、35044票あるから、候補者を1人に絞れば、十分当選できた計算になる。
これは、共産やみんなが複数区でも、1人だけ立てて、しっかり議席を確保したとは対照的。同様に、民主は、品川区、杉並区、江戸川区、北区で、共倒れ。これだけで4議席失っている。
尤も、複数区では維新も複数候補者を擁立していたから、共に票を食いあったという事情もあることはある。ただ、それでも、きちんと選挙情勢を見極められていたら、もう少し議席を獲得できていた可能性はある。自民は複数区で複数の候補者を立てて全部当選させている。こちらは選挙情勢がちゃんと読めていた。
また、一人区でも民主が全滅したというのも議席を大きく減らす原因となった。中には、小金井市や、武蔵野市のように、ギリギリの接戦だった区もあったのだけれど、1票でも届かなければ駄目なのが選挙。
このように、結果だけをみれば、自民大勝、民主大敗であるのは明らかなのだけれど、その裏には互いの選挙戦略というか、選挙力の差があったように思われる。
更には、民主党が、複数区でも候補者を絞り込んで、確実に議席を獲得した共産、みんなの党の黄塵を排したのも、やはり選挙戦略に甘さがあったのではないかと思う。
維新の会の橋下共同代表の慰安婦発言このかた、維新が失速し、民主に追い風が吹き始めた、なんて観測があったけれど、何でも、それをみて民主党内で都議選に対して緩みが広がっていたのだそうだ。
「25議席はとれる」とみる党幹部が出てきたり、「都議会第2党は確保できるのではないか」と、楽観的な見通しさえ出ていたという。
岡田克也元代表も自身のブログで「自分の選挙区にいると、いろいろなことがよく見えてくるわけですが、民主党に対する風向きが、若干変わりつつあるのかなと思い始めました。…このビラ配りは、私の選挙区のあちこちでやっていますが、少し雰囲気が和らいできたというか、ビラを取ってくれる人の数も増えた気がしますし、「民主党頑張ってください」という声をかけていかれる方も増えたと思います」と述べていた。
それがこの有様。複数区は選挙戦略にミスがあったのだとしても、一人区で全滅という状況は流石に痛い。
民主党の中堅議員は「民主党が完全に有権者から拒否されている。参院選の結果を考えると恐ろしい。『1人区』全滅だけでなく、比例選も総崩れが予想される。甘く見すぎていた」と漏らしたそうだけれど、国民を裏切ったのみならず、日本を崩壊させる瀬戸際まで追いやった罪はそう簡単に晴れるとは考えないほうがいい。
今、日本国民は、「安心・安定」を求めてる。国難迫る中、安心して暮らせる社会を求めてる。だけど、それは安全保障や外交・経済を含めたトータルの「安心・安定」であって、何とか手当だとか、正社員の雇用がどうだというような、小さなレベルのものじゃない。民主党は、その辺りが十分に見えていないのではないか。
そういった部分に対する政策を打ち出すことなく、ジミンガーと批判だけしたところで、そっぽを向かれるだけ。国難の最中に統治能力のない政党に国政をゆだねるほど、有権者はバカじゃない。
この記事へのコメント
sdi
今回の都議選前、鹿児島三区補選のときと同じような表現をするとしたら以下のようになるでしょう。
「前回、自民に投票した有権者の大部分は結局、今回も自民に投票した」
「前回、自民に投票しなかった有権者の大部分は、今回投票所に行きもしなかった」
この状況、喜ばしいこととは思えないのです。民主党は、少なくとも東京都在住の有権者の「リベラルへの幻想」を打ち砕いてしまいましたが、同時に「政治への期待感」「国政への関心」もぶっ壊してし