安倍総理は日本を何から取り戻すのか

 
6月8日から10日にかけて、読売新聞が電話での全国世論調査を実施した。

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それによると、安倍内閣の支持率は67%と前回よりも5ポイント下げたものの依然として高支持率をキープ。政党支持率も、自民が44%と2位の民主党7%、3位の公明、維新の5%を大きく引き離している。

特徴的なのは、維新の会の失速。今年1月には16%あった支持率は4月には9%と下落。5月に8%となって、今月5%。その原因として、やはり、例の橋下代表の"慰安婦"発言が影響しているようで、橋下発言で維新の会の印象が「悪くなった」と答えた人は43%と半数近くに達している。

とりわけ、女性の「維新離れ」が顕著で、維新の会に投票すると答えた人は、5月調査時点では、男性8%、女性7%と並んでいたのだけれど、橋下発言以降の調査となる今回、男性が横這いの8%であるのに対して、女性は2%と激減している。やはり女性票は維新から逃げ出してしまったようだ。

参院選では、維新の支持率が減った分、別の政党に票が回ることになる筈なのだけれど、参院比例での各党の獲得議席数を、今回の調査結果をもとに単純に計算してみると、維新の会は3議席で、今年1月調査時点での10議席から激減している。

で、肝心の減らした議席はというと、今回政党支持率で2位に浮上した民主党は5議席で1月時点と変わらず、みんなの党も1月予想4議席から2議席に減。公明と共産がそれぞれ1議席増やす程度。一方自民は1月予想の25議席から32議席と大幅増の見込みで、残りは全部自民に流れると予想されている。

だけど、その楽勝予想の自民は左団扇なのかというと、必ずしもそうじゃない。ここのところの自民の発言を聞いていると参院選公約の後退というか修正がちらちら入っている。

先月23日明らかになった、参院選公約原案では、憲法96条の先行改正が盛り込まれなかったし、「竹島の日」の式典開催についても、昨年12月の衆院選公約では「政府主催」としていたのを削除している。

特に、96条の先行改正見送りについては、5月14日の参院予算委員会で、安倍総理が「反対意見が多いのも事実だ」と述べたように、改正に慎重な世論や、連立政権を組む公明党に配慮したことが大きいとされる。憲法改正で、協調できるとアテにしていた維新の会が失速している現状が、それを後押しさせる。

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ねじれ国会が完全解消されていない以上、参院選に勝利してから、というのは分からなくはないけれど、配慮も過ぎると争点がぼやけてしまう。

だけど、他への配慮をする必要があり、その結果、争点がぼやけることがあるのなら、猶更、政策について一丁目一番地はこれ、二番地はこれ、という具合に、優先順位をつけて、有権者にしっかりと訴える必要があるのではないかと思う。

なぜなら、今の安倍政権の支持は「アベノミクス」への期待であり、自民党への支持は民主党に対する拒否感の裏返しだと思うから。

先の世論調査でも、安倍内閣の経済政策を「評価する」との回答は59%で「評価しない」の26%を大きく上回っている。国民は、アベノミクス路線を支持してる。また、政党支持率をみても、維新の会の支持が急落しているのに、民主党の支持が増えてはいない。依然、民主党に対する拒否感は強い。

民主党の中では、海江田代表の党運営を「低空安定飛行」と評する声が広がっていて、海江田代表ののリーダーシップに原因があるとの見方も出ているそうだ。

今の安倍政権、および自民党に対する支持率の高さの裏には、こうした背景がある。だから「安倍総理だから支持する」だとか、「自民党だから支持する」と言える程、甘い状況ではないと筆者は見る。

96条の先行改正について、国民の反対が強いのも、改正要件を緩和してしまうと、時の与党が自分の好き勝手に暴走して無茶苦茶やるのではないか、という不安というか、漫然とした不信みたいなものが残っているのではないかと思う。事実、国民はその恐怖を民主党政権で体験したばかり。

今度の参院選は、野党が低迷する中、安倍政権の信任投票的な色合いが強いと言われている。確かに、信任投票であれば「全てお任せ」「良きに計らえ」で丸投げになるから、争点なんて、好い加減にしておいても許されるのかもしれない。

だけど、そうでなかった場合は、争点をぼかして「信任投票型」で選挙戦をやってしまったら、却って裏目にでる。

ここのところ、株価が乱高下を続けているけれど、これに対して、自民党内でも、参院選への影響を懸念する声が出てきているという。これは、自民党自身が、経済政策が支持の源だと認識していること証左。
国民は「良きに計らえ」ではなくて、支持を判断する為の何かを欲してる。争点はぼやかしてはいけない。

「日本を取り戻す」というスローガンは悪くない。だけど、日本の"何から取り戻すのか"くらいは言った方がいい。

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この記事へのコメント

  • mohariza

    自民党は、参院選で 正々堂々と阿倍政策の路線の評価の是非を国民に問うべきで、
    それをやらず、ぼかしては、
    明確に反対勢力がその意志(ポリシー)を示せてない状況での選挙は意味が無く、

    いっそ、参院選は中止にすべき!、と思います。
    2015年08月10日 15:22
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    皆はっきりと言わないが, 安倍首相が周囲に
    合わせるようになるほど支持率が下がる傾向がある.
    現在の支持率の微減は衆参同時選挙を止めたり,
    憲法改正の主張を弱めたりした結果である.

    もちろん, 両方に反対の立場のメディアは決して
    その様なことは書かない. しかし, 安倍晋三が
    主張してきたものが国民の意に沿うものであった
    ことは確かである.

    衆参同時選挙を諦めたのは安倍内閣の失敗である.
    小泉首相であれば実行したであろう.
    人と言うものは中々変われない.
    一度政治的に死んだのであるから覚悟はある筈なのに,
    やりたいことを欲張ると周囲に妥協を始める.
    小泉首相の凄い点はやりたいことを一つに絞った点である.

    衆参同時選挙で嘘付左曲がりを駆逐することだけを
    心がければ道は開けたであろう. 残念である.
    2015年08月10日 15:22
  • ス内パー

    >衆参同時選挙を諦めたのは安倍内閣の失敗である

    最初っから同時選挙やる気はなかったでしょ。
    民主党や維新、マスコミにとってはメリットがでかいですが自民にはメリットないし。
    民主党や維新に衆議院の議席を差し上げたいなら止めませんがねぇその主張。

    ★自民の「取り過ぎた」議席を確実に減らせる(と皮算用)
    ★自民の資金を大きくけずり取れる
    ★選挙期間中は反日活動への対処が甘くなる
    (選挙違反はだいたい終わってから検挙のためやり得)
    ★選挙期間中はアベノミクスが止まる
    (選挙活動の兼ね合いで動きが鈍る、通すべき法案が通せない)
    2015年08月10日 15:22

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