ヤフーの参院選議席予測について
参院選が始まったばかりなのに、もう結果が見えてしまったような報道がされていますね。
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7月8日、安倍総理は千葉県習志野市のJR津田沼駅前での演説で、今度の参院選について「安定多数によって、政治の安定によって、私たちは誇りある日本をつくっていく」と、自公で安定多数の議席獲得を目指す考えであることを明らかにした。
安定多数とは、常任委員長ポストを独占した上で、各委員会の半数を占めるのに必要な議席数のことで、参院の安定多数は129議席。自公両党の非改選は59で、今回の選挙で70議席以上が必要になる。
当初の目標は、自公で過半数だったのだけれど、参院選に突入した後で目標を引き上げるということは、既に過半数を獲得する感触があるのだろう。故に、気の緩みから票を取りこぼすことがないように、引き締めの意味もあって目標の引き上げをしたのではないかと思う。各紙も告示から一週間も経っていないのに、自公の大勝だと報道している。
では、本当に大勝できるのか。
ヤフージャパンは、自身が持つネットのビッグデータの中から、昨年末の衆議院選挙期間、全12日間における政治関連のデータを抽出、選挙結果との関連を調査して、非常に興味深い報告をしている。
それによると、小選挙区では、SNSへの投稿数と小選挙区での得票はほぼ完全な相関があり、比例区では、検索量と得票にかなり高い相関があるという結果となった。
なぜそういう傾向となるのか確たる理由は分からないけれど、もしかしたら、コミュニティ型、或いはクローズドなウェブサイトであるSNSには、より身近な話題が投稿され、一方、完全オープンな検索エンジンでは、全国区或いは一般的な情報を引き出しているといった傾向があって、それと連動する形で小選挙区と比例区との相関として見えているのかもしれない。
また、検索数とSNSへの投稿数の最多候補者を100として、各候補者を指数化し、その和を"注目度"と定義し分布をみると、注目度上位2%の候補者が全注目度の1/3を集めているということが明らかになった。
この調査は小選挙区候補者1294名を対象にしたものなのだけれど、1294人の2%といえばたったの26人。これだけの人数で、注目度全体の3割を集めている。そしてその注目度は得票数と高い相関があるとなると、この2%を如何におさえ、我がものとするかが、各党の選挙結果を大きく左右することになる。
選挙前になると、よく「党の顔に相応しい」とか「選挙の顔に持ってくるには華がない」とかいわれることがあるけれど、このヤフーの調査結果をみると、さもありなんと思わせる。
ヤフージャパンは、この調査結果から、今回の参院選について、ビッグデータからの検索量から、各政党の得票数の予測を行っている。
ヤフーが採用した予測モデルには2つあって、ひとつは「相関モデル」。もうひとつが「投影モデル」。
相関モデルとは、前回の衆議院選挙レポートの結果を元に分析を行い、各政党ごとの得票への繋がりやすさを補正した上で、特定期間における検索量から得票数を推定するもの。
そして、投影モデルは、過去の選挙事例を元に、公示日前後における検索量の変化を増加率としてスコア化し、今回の公示前の検索数を用いて得票数の推定するもの。
その結果、比例区では、自民党が相関モデルで14議席、投影モデルで18議席。公明党は相関で7議席、投影で8議席となり、自公両党で相関22議席、投影25議席となった。
一方、選挙区では、自民党が相関で45議席、投影で49議席。公明はどちらのモデルでも4議席という結果。比例と選挙区の両者を合わせると、自民が相関で59議席、投影で67議席。公明は相関で12議席、投影で11議席としている。
安倍総理が津田沼での演説で、参院選の目標を安定多数への引き上げているけれど、その為には自公で70議席以上が必要になる。だけど、このヤフーの予測では、自公だと相関モデルで71議席、投影モデルだと78議席にもなる。だから、安倍総理の目標引き上げは、一見強気に見えるようでいて、その実は結構手堅いラインなのかもしれない。
ともあれ、参院選は、与党の大勝に終わるにしても、その結果には注目したい。
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