自民党のTBS取材拒否について

 
すみません。今日も諸般の事情で極々々簡単に…

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6月4日、自民党がTBSに対し取材拒否を発表してちょっとした騒ぎになった。

これは、6月26日、報道番組「NEWS23」が、国会会期末の与野党攻防の末に電気事業法改正案などが廃案となった経緯に関して報道した際、廃案の責任が全て与党側にあると視聴者に誤解させるような内容があった、というのがその理由。

筆者もネットにアップされている問題の録音を見たのだけれど、見る人によっては、そう受け取る人もいるかもしれないと思う。

TBSは自民党の取材拒否発表当初は「放送内容について自民党から抗議を受けたことは残念だ。引き続き理解を得られるよう努力する」と回答していたのだけれど、翌日の5日夜には、一転して、TBSの西野智彦報道局長名で「指摘を受けたことを重く受け止める。今後一層公平、公正に報道していく」という文書を石破幹事長に提出。自民党はTBSの謝罪を受け入れ、取材拒否を即日解除した。

一応これで、形の上では、騒動は収まったことになるのだけれど、野党は取材拒否に噛みついた。



民主党の細野幹事長は、記者団に対し「権力の乱用、権力の横暴そのものだ」と批判。共産党の志位委員長もツイッターで「言論での批判にたいしては言論で反論すべきだ。取材拒否は、まともな政党のとるべき態度ではない」と批判している。確かにそのとおり。

だけど、それはまともに反論する機会と時間を与えられ、かつ編集など一切されないという前提での話。極端なことをいえば、くだんの報道のビデオを再生しては、問題の箇所ごとにストップしては、いちいち反論して、ゆえに誤解されたのだ、という具合に、警察とか裁判所でやるような検証作業をやらないといけなくなる。

だけどそんな放送は時間がかかることは勿論のこと、見ている方も退屈になる。視聴率的には全然美味しくない。ゆえに現実問題として検証番組を組むことは難しい。

となると、テレビに出ても、普通に反論するくらいしか手が無くなるのだけれど、数分、十数分くらいの時間で、誤解を解かせられるくらいに説明できるかというとこれも疑問が残る。

その意味では、マスコミに「謝罪」させることで、報道そのものに瑕疵があったのだ、と国民に知らしめるやり方は、乱暴ではあるけれど、有効な方法ではある。こうした強気な抗議は、橋下大阪市長を彷彿とさせるのだけれど、あるいは、自民も橋下氏のやり方に、その有効性を見出したのかもしれない。

尤も、TBSでも広報部長なんかは、「公平公正な内容で事実に誤りはない。報道局長の文書は謝罪ではなく回答だ」と言っているようだけれど、"今後一層公平、公正に報道していく"という文言がある時点で、自らの瑕疵を認めてる。

何にせよ、マスコミに「謝罪」させた事実は大きい。特に、選挙戦開始直後というタイミングで、マスコミ一撃を加えたことは、狙ったのかどうかは分からないけれど、偏向報道にブレーキがかかる効果が期待できる。

サッカーのレフリーは、試合を荒れさせないため、試合開始直後に厳しくファウルをとってイエローカードを出し、試合をコントロールしようとすることがあるけれど、もしかしたら、今回の自民党の抗議も、選挙戦というピッチをアウェイにしないための牽制として、狙ってやったのかもしれない。であれば、自民は、それほどまでに参院選に賭けていることになる。

それにしても、第2次安倍内閣は、ちゃんと反論する。少なくとも言われっぱなしということは殆どない。間違いには訂正を求め、不十分だと思われることには説明を加える。これは、情報が物凄いスピードで拡散する現在では、大切なこと。のみならず、ネットが発達した社会では、何年も前の発言は記録され、検索され、晒される。だから、誤解を誤解のまま放置するのは拙い。気が付いたら、それが世間の常識になってしまうことだって有り得る。

そういうちょっとした綻びも出さないように、事前に手をうっている印象がある。2006年の第一次安倍政権時よりもよっぽど手堅い。果たして、小泉以来の長期安定政権はくるだろうか。




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この記事へのコメント

  • M

    今回の一件は、テレビ・(毎日)新聞等を見ない・読まない人間には、

    また、グルっているな~、としか云えません。

    かの有名なTBSが、権力に対して反駁する報道をする訳は無く、
    裏で結託し、<謝罪>の演技をさせただけです。

    素人が見ても、バレバレな素人以下の演技だと思います。

    (但し、本記事の音付きの画像他、テレビ報道も見てないので、
    仮想でしかありませんが・・・。)
    2015年08月10日 15:22

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