6月28日、ニコニコ動画のネット党首討論が行われた。
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前回から比べて視聴者数はぐっと減ってしまったようだけれど、外交政策をテーマにした討論の中で、安倍総理は中国との首脳会談について、「例えば尖閣の問題について、ある一定の条件を日本が飲まなければ、首脳会談はしないと言ってきている、これは間違ってますよと我々は言い続けています。何が何でも首脳会談をやろうとしてですね、こちらが国益を削っていく、これはは間違ってますから。そもそもそうした課題があるんであれば、会って話すべきだ。当然、それが外交の常識なんだろうと思います。」と批判した。
その条件とは何かについて、安倍総理はその場では明らかにしなかったけれど、 中国側はその条件を明らかにしている。中国は、日本の尖閣に対する立場を「三不承認(3つのノー)」と称し、これに関して日本が譲歩することが首脳会談開催の条件だとしている。その"3つのノー"とは次のとおり。
1)領土の係争があることを認めないとまぁ、どの項目も領土に対する原則であって、譲歩もクソもない。元々領土問題などなかったところに、中国がイチャモンをつけて奪い取ろうとしているのが尖閣問題なのであって、日本が譲歩することは、中国に侵略されたと同じ。どれ一つとて、認められる訳がない。
2)領有権「棚上げ」を認めない
3)領土問題としての対話に応じない
中国は4月以降、この「三不承認」について、唐家セン元国務委員が、日本の政治家との会談で言及し、また、王毅外相も最近、日本の要人と会談した際に提起している。
勿論、日本は「尖閣諸島は日本固有の領土で、領有権の問題は存在しない」としてこの譲歩要求を拒否しているのだけれど、ある中国政府高官は「安倍首相は『対話のドアを常にオープンにしている』と言っているが、『三つのノー』がある限り、対話の『入り口』にも入れず、両国関係は硬直化し、問題解決の道筋も見えてこない」とし、また、別の中国外務省幹部も「中国はこれ以上事を荒立てたくないが、静観するしかない」と述べている。
したがって、安倍政権の間は、中国が態度を改めない限り、今のような状態が続くものと思われる。
中国は中国で、ありとあらゆる手を使って、尖閣を獲ろうとしているけれど、やはり日米同盟が邪魔と映っていることは間違いない。先日の米中首脳会談でも、8時間の会談のうち、1時間40分も尖閣関連に費やしている。
だけど、習近平主席は、意気込んで会談に臨んだものの、アメリカから日本とは同盟関係にあると釘をさされ、さしたる成果も手にすることなく、会談を終えた。
独立総合研究所の青山繁晴氏によると、中国にしてみれば、米中首脳会談は失敗であり、オバマ大統領は習近平主席は軍部の操り人形だという印象をもってしまったという。
そして、更に興味深いのは、習近平主席とのロングラン会談を終えたオバマ大統領が、エアフォースワンでワシントンへ戻る機中から、安倍総理に電話して、30分も一方的に喋り続けたということ。
何でも、オバマ大統領は電話に出た安倍総理にずっと、「習近平さんはひどかったと。目も合わせないし、役人や軍人の用意した紙を読み上げるだけで、やっぱり文化が違う、これはもう中国のトップと、本当に心開くってのは難しいってことを、うわーっと喋った」という。
電話した時間は、日本時間で、未明から朝にかけての時間だったそうだから、安倍総理もさも緊急事態でも起こったのか、と焦ったかもしれないけれど、その内容はオバマ大統領の愚痴だったというオチ。安倍総理は突然のことで相槌を打つだけで終わってしまったそうだけれど、既にオバマ大統領から愚痴をこぼして貰えるくらいの関係を作っている意味は決して軽くない。オバマ大統領にしても、習近平主席との会談によって、安倍総理に対する見方が変わったのだという。
安倍総理は、この時と、6月13日の日米電話首脳会談でオバマ大統領としっかり話せたから、先日の北アイルランドでのサミットで、オバマ大統領との会談をやれなかったのではなくて、やる必要がなかったというのが真相のようだ。こうした背景を聞くと、首脳同士の信頼関係を作っておくことが如何に大切なのかよく分かる。
日米同盟がしっかりしているうちは、中国とて、日本に対して迂闊に手を出せなくなる。それを象徴するのが、米中首脳会談の直後に行われた、日米合同軍事演習「ドーン・ブリッツ(夜明けの電撃戦)」
ドーン・ブリッツでは、離島防衛を想定した統合作戦の演習を行うのだけれど、これまで米軍単独訓練として実施されてもの。これに今回、陸・海・空、3自衛隊のおよそ1000人が初めて参加した。
陸自からは、西部方面隊の西方普通科連隊と、西方航空隊、 輸送ヘリCH-47チヌーク、対戦車ヘリAH-64Dアパッチ・ロングボウ各2機。海自からは、護衛艦「ひゅうが」、「あたご」、輸送艦「しもきた」、 哨戒ヘリSH-60Kが3機。空自からは航空総隊が参加した。陸自の西部方面普通科連隊といえば、隊員の大半がレンジャー徽章をもつ精鋭中の精鋭。
そして、海自が派遣したのが、ヘリ空母「ひゅうが」に、おおすみ型輸送艦の2番艦「しもきた」。そして、空自は、昨年3月に司令部を米軍横田基地に移転した航空総隊を派遣している。このように演習に参加した人員装備をみても相当に力の入った演習であったと思われる。
実際、中国が尖閣を占領するような事態では、陸自の西方普通科連隊が佐世保から輸送艦に乗り込んで奪還作戦に向かうことが想定されていることから、実戦に即した部隊を選定したようだ。
演習では、「水路潜入」、「エアクッション型揚陸艇での上陸と艦艇による輸送」、「ヘリからの要員・ボート投下」、「戦闘射撃」などが行われ、海自の「ひゅうが」と「しもきた」にアメリカ海兵隊のオスプレイが離着艦、及び運用訓練も実施された。
これは、日米で共同作戦を行う場合に米軍機を活用する為の訓練でもあるから、日米合同で、離党奪還訓練を行うこと自体が、尖閣有事などでも米軍が介入するという対外メッセージになる。
この訓練は、カリフォルニア州サンディエゴ周辺で行われたのだけれど、先の米中首脳会談が行われたパームスプリングスまでは、車で2時間ほどの距離しか離れていない。
つまり、米中首脳会談が行われた時にその目と鼻の先で、日米合同演習、しかも離島奪還訓練が行なわれた訳で、それだけでも、暗黙のメッセージが送られたことになる。当然、中国側もそれを承知していて、アメリカにドーン・ブリッツの中止を要請したけれど、アメリカはこれを拒否した。
そんな"針のムシロ"の中、行われた米中首脳会談で習近平国家主席は、オバマ大統領に"軍部の操り人形だ"と思わせ、相対的に安倍総理の印象を良くさせた。こんなことなら、前倒しで米中首脳会談をしないほうがよかったくらい。
戦争は何も、実弾を打ち合うだけが戦争じゃない。「戦争は外交の延長にある」とはよく言われる言葉だけれど、合同訓練や首脳会談、経済連携その他いろいろなフェーズで実弾の飛ばない戦争は起こっている。だけど、人死にがでないうちに勝利を得、事を収めてしまうことができればそれに越したことはないし、それができるのは、まさに政治の力。
安倍総理が、暁の水平線に勝利を刻むことを願っている。
この記事へのコメント
しょうちゃんのつぶやき
いつも素晴らしい情報ありがとうございます。勉強になります。
2013/6末の毎日新聞世論調査(はるはるパパからの引用)によれば参院選の比例での自民党への投票が43%とのこと。
63議席を得た小泉時代の参院選前の数字が30%台前半だと言うから今回の参院選の自民圧勝は間違いないと思われる。
この調査の中で特筆すべき良い兆候と言うのが20代の若者の60%超が自民党に投票するとの結果である。安倍政権が誕生できたのは正にネットの大きな支援があったからだと思っているが、NHKや朝日、毎日、中日等々反日マスコミがこぞって安倍批判を継続し続けているにも拘らずこの数字、特に若い人の投票先が圧倒的に自民党ということは、もはやマスコミの反日報道に若い人は踊らされず、効果がないことが証明されている。反日サヨク世代と言われる60~70代(私もその恥ずかしい世代だが。。。)がこの世から消えて無くなれば日本にもネットで正しい情報を得る世代が立派な世の中にしてくれる予感ができた。
白なまず
mayo5
二週間くらい前の朝ズバッで、オバマ、安倍ツーショットを見ながら、どんな会話しているんでしょうかねえというネタがありました。
How are you? とか Who are you? とかだろって、コメンテータが言っておりました。
昔、サヨクは頭が良くないとできないと思い込んでいましたが、
コメンテータとサヨクは、頭が良かったらできない商売だと思いますなあ、最近。特に、恥という概念を持っていたらできません。