昨日のエントリーの続きです
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8月16日、新藤義孝総務相はBSフジの番組に出演し、終戦記念日の靖国神社参拝について「個人の心の自由の問題だ。外交の場で取り上げられることが不思議で仕方ない。…中国と韓国が反応しているが、ほかのアジアの国から反応は聞いていない」と述べた。
昨日のエントリーで、靖国参拝に反発しているのは中朝韓の特亜3ヶ国だけといったけれど、図らずも、新藤総務相がそれを公にした形。マスコミは、新藤総務相の発言に対して、「中韓の反発は必至だ」なんてテンプレ批判をしているけれど、「ほかのアジアの国から反応は聞いていない」という指摘についてはダンマリ。アジアは特亜だけではないことを未だ明確にしない。
中国外務省の劉振民次官は、木寺昌人駐中国大使を外務省に呼んで、日本の閣僚が終戦の日に靖国神社を参拝したことについて「強烈な抗議と厳格な非難」の意思を表明し、洪磊報道官は「歴史の正義や人類の良識に対する公然たる挑戦であり、中国などアジア諸国の被害国民の感情を著しく傷つけるものだ」との談話を発表しているけれど、日中関係筋によると、これまで中国は閣僚の参拝については強い抗議はしてこなかったことから、中国政府の対日姿勢が一段と厳しくなったとみているようだ。
中国当局はこれまで、日本の首相、官房長官、外相の靖国神社参拝について自粛を求めてきたが、ほかの閣僚の参拝を強く抗議せず、“黙認”してきた経緯がある。今回の激しい反応について、日中関係筋は「中国政府の対日姿勢が一段と厳しくなった表れだ」と指摘している。
だけど、その一方で、中国は国内に対しては、靖国問題について、方針変更というか、リスクヘッジに掛かっているように見える動きがある。
8月17日、中国網は「靖国神社、日本の対中闘争の『予備戦場』」と題した社説を掲載し、次のように述べている。一部引用する。
《前略》と、このように、靖国問題は「予備」であって全力投球するような問題ではないから、目くじらを立てるな。口頭での抗議は控えて別の方法を考えようと主張している。これまで日本を責める筈だった靖国が、今や日本の外交カードになっていることを中国自身が認めている。
日本の首相は参拝するしないの曖昧な情報を流し、中国は外交で圧力をかけ、日本の首相は最終的に策を弄して閣僚と議員が参拝する。中国は抗議しても自らが勝利したのか、愚弄を受けたのかわからない。こうした「靖国神社ゲーム」がこのまま続けば、中国がどんどん不利になるだけだ。
日本が靖国神社で中国に顔色を伺わせるとすれば、この闘争で勝つのは難しいことは事実が証明している。日本にどうしろと要求し、細かいことを気にすれば、靖国神社を対中闘争の「プレ戦場」とする日本の計略に協力するに等しい。
《中略》
中国政府は対日闘争の新しい道具の開発に力を入れ、口頭での抗議は控えることだ。 ここ2年で実際に状況は進展、例えば中国軍艦の日本海での演習、公務船が釣魚島(日本名・尖閣諸島)の12海里に進入、東中国海の油ガス田開発、中国軍艦の日本一周など対日闘争の内容は豊富になり、靖国神社の中日闘争における中心的位置は薄らいだ。
中国の中日首脳会談拒否は特に安倍首相を焦らせているだろう。我々は多少大がかりでもいいから新しい手段を練りだすべきだ。
中日対立は最終的に国力の勝負となる。日本はフィリピンのようにチビでも、負けてばかりでもない。靖国神社問題で中国により多くの刺激を与えるのはまったく可能だ。我々が少しの怒りにも耐えられないようなら今の世界に立脚するのは難しい。
中日闘争はつまるところ中国台頭の「余暇科目」だ。我々は油断するでもなく、全力投球する必要もない。対日闘争の戦略は楽観的で気楽な態度を保つことだ。結局、中国の次なる世界戦略のスーパー将棋において日本は盤上のいたずらなコマでしかない。中国網 8月17日付「靖国神社、日本の対中闘争の『予備戦場』」より一部引用
くだんの記事で中国網は、「中日首脳会談拒否は特に安倍首相を焦らせているだろう」などと言っているけれど、安倍総理が首脳会談が出来なくて焦っているという根拠は示さない。安倍総理は周囲に「5年、10年会談がなくても、それでいいんだよ。日本の経済力が強くなれば問題ない。中国が尖閣問題であれだけめちゃくちゃやると、日本の国民世論も乗せられない。中国は墓穴を掘った」と述べたことがある。だから、そんな安倍総理が、今の段階で日中首脳会談が開かれないからといって、焦っているとはとても思えない。
勿論、中国だって、日本のメディアの報道をウォッチしているだろうし、スパイや工作員を潜入させているだろうから、そうした安倍総理の思惑だって十二分に知っている筈。その上でこうした報道をするということは、やはり国内向けに靖国問題を冷却させようと、ダメージコントロールも入れ始めたと見る。
とはいえ、それで中国が大人しくなるかといえば、そうとも言い切れない。あの手この手で工作活動をやってくることは間違いない。第一、くだんの記事で、靖国で騒がない代わりに、「対日闘争の新しい道具の開発」に力を入れると宣言している。例として、中国公務船の釣魚島12海里に進入、東中国海の油ガス田開発、中国軍艦の日本一周などを挙げ、対日闘争の内容が豊富になったと自慢してる。
ただ、一言ツッコミを入れるとするならば、公務船が釣魚島の12海里に"進入"と表現しているところ。まぁ、日本語訳が正確ではない可能性もあるけれど、自国の領土に対して"進入"なんて言葉は、普通使わない。この"侵入"を「対日闘争」といっている時点で、尖閣が中国の領土ではないと自覚している証拠だと思う。
それでも、中国が、新しい対日闘争の道具を開発すると言っている以上、日本に対する挑発は、今後もエスカレートこそすれ、大人しくなることはないとみるべきと思われる。
また、工作といえば、気になる報道もある。
ジャーナリストの加賀孝英氏によると、8月始めから、ここ数年、全く姿を見せなかった中国の大物工作員が東京に現れ、配下の工作員を東京に結集させ、政治家や官僚に密かにアプローチし始めているのだという。外事警察幹部によれば、彼らは、「日本が尖閣問題で一歩も引かないのは安倍首相がいるからだ。…安倍首相さえいなくなれば、日本の政治家は必ず中国と妥協する。そうなるはずだ」と考えているようで、「安倍政権転覆工作」を狙って、工作活動を開始しているという。
国内では靖国で騒ぐなとダメコンをしつつ、日本に対しては、表で抗議レベルを一段上げてみせ、その裏で安倍政権の転覆工作を仕掛ける。やはり、この辺り侮れないものがある。
参院選で勝利して、ねじれを解消してようやく安定政権が出来上がるかと思っているその隙を中国は狙っている。より一層の警戒が必要だろう。
この記事へのコメント
朱鷺池
国は無策である。最大の危機は100万人、気がつけば住んで居た。
進入は漢、朝人になる。
ちび・むぎ・みみ・はな
シリーズを youtube でずっと見たが, 同女史の
説明によれば, 支那は駄目となればあっさりと
引いて次を狙うのだそうだ. 尖閣諸島や靖國参拝では
反日新聞は「つっぱねると次はこんな危険がある」
と不安を煽るが, 実際には何の問題にもなるまい.
尖閣諸島については日本の覚悟の問題である.
他方, 「従軍慰安婦」と「南京」は米国が問題.
同女史が強調するのは, 「南京」において日本が
無罪であるなら, 自国が世界で一番非人道国家
であることが証明されてしまう米国が一番困るし,
日本と戦って人民を解放したという神話の崩壊に
直面する中共政府の危機感である.
いずれにしても, 外務省の無為無策が, 幤原外交
がそうであったように, アジアの不安定要因である.
白なまず
とおる
・【写真】靖国神社で一礼する制服の少女たち
http://www.blackchina.info/archives/12497