2日程遅れてしまいましたけれども、外すことの出来ないこの話題です。
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1.安倍総理の全国戦没者追悼式式辞
8月15日、「終戦の日」を迎え、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれた。安倍総理は式辞で、戦没者を悼み、「世界の恒久平和に能うる限り貢献」する決意を述べたのだけれど、その内容は今までと違うということで、一部のマスコミが噛みついている。
くだんの安倍総理の式辞の全文は次のとおり。
天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、戦没者の御遺族、各界代表多数の御列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行致します。筆者には至極真っ当な式辞に思えるのだけれど、一部のマスコミにはこれが気に食わないらしい。例えば朝日新聞は8月16日付の社説で次のように述べている。一部引用する。
祖国を思い、家族を案じつつ、戦場に倒れられた御霊、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遠い異郷に亡くなられた御霊の御前に、政府を代表し、式辞を申し述べます。いとしい我が子や妻を思い、残していく父、母に幸多かれ、ふるさとの山河よ、緑なせと念じつつ、貴い命を捧げられた、あなた方の犠牲の上に、いま、私たちが享受する平和と、繁栄があります。そのことを、片時たりとも忘れません。
御霊を悼んで平安を祈り、感謝を捧げるに、言葉は無力なれば、いまは来し方を思い、しばし瞑目(めいもく)し、静かに頭を垂れたいと思います。
戦後わが国は、自由、民主主義を尊び、ひたすらに平和の道を邁進してまいりました。今日よりも明日、世界をより良い場に変えるため、戦後間もない頃から、各国・各地域に、支援の手を差し伸べてまいりました。内にあっては、経済社会の変化、天変地異がもたらした危機を、幾たびか、互いに助け合い、乗り越えて、今日に至りました。
私たちは、歴史に対して謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を深く胸に刻みつつ、希望に満ちた、国の未来を切り拓いてまいります。世界の恒久平和に、能うる限り貢献し、万人が、心豊かに暮らせる世を実現するよう、全力を尽くしてまいります。
終わりにいま一度、戦没者の御霊に平安を、ご遺族の皆様には、ご健勝をお祈りし、式辞といたします。平成25年8月15日 内閣総理大臣 安倍晋三
きのうの政府主催の全国戦没者追悼式で、首相の式辞からアジア諸国への加害責任への反省や哀悼の意を示す言葉が、すっぽりと抜け落ちたのだ。加害責任への言及は、93年の細川護熙首相(当時)から歴代首相が踏襲してきた。とまぁ、朝日は、加害責任や不戦の誓いに言及しなかったと批判している。朝日は2007年の第一次安倍政権の時には、安倍総理も、加害責任や不戦の誓いについて述べていたのではないかと指摘しているけれど、2007年当時の安倍総理の追悼式での式辞全文は次のとおり。
第1次安倍内閣の2007年には首相自身も「アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」「深い反省とともに、犠牲となった方々に謹んで哀悼の意を表す」と述べていた。
今回は、これまで表明されてきた「不戦の誓い」という表現も使わなかった。首相周辺は「式典は戦没者のため、という首相の意向を反映した」「アジアへの配慮は国会答弁でしている」という。
だが、そんな方便は通用しないのではないか。式典は、先の戦争への日本の姿勢を世界に発信する場でもある。加害責任への言及が消えたことで、アジアの人々への配慮を欠いていると受け取られかねない。朝日新聞8月16日社説「加害責任―歴史から目をそらすな」より一部引用。
天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、戦没者の御遺族及び各界代表多数の御列席を得て、全国戦没者追悼式をここに挙行いたします。確かに、加害責任と不戦の誓いについて触れている。実は、追悼式典での式辞の文章は、今回の安倍総理の式辞を除き、歴代総理通じて殆ど同じだったりする。
先の大戦では、300万余の方々が、祖国を思い、家族を案じつつ戦場に倒れ、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遠い異境の地に亡くなりました。また、我が国は、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。国民を代表して、深い反省とともに、犠牲となった方々に謹んで哀悼の意を表します。
終戦から62年の歳月が過ぎ去りましたが、今日の平和と繁栄は、戦争によってかけがえのない命を落とした方々の尊い犠牲と、戦後の国民のたゆまぬ努力の上に築かれています。世界中の各国・各地域との友好関係が、戦後の日本の安定を支えていることも忘れてはなりません。
私達は、過去を謙虚に振り返り、悲惨な戦争の教訓を風化させることなく次の世代に継承する責任があります。
本日、ここに、我が国は、戦争の反省を踏まえ、不戦の誓いを堅持し、世界各国との友好関係を一層発展させ、国際社会の先頭に立ち、世界の恒久平和の確立に積極的に貢献していくことを誓います。国際平和を誠実に希求する国家として、世界から一層高い信頼を得られるよう、全力を尽くしてまいります。
終わりに、御霊の安らかならんことと、戦没者御遺族の今後の御平安と御健勝を心からお祈り申し上げて式辞といたします。平成19年8月15日 内閣総理大臣 安倍晋三
因みに、2009年の麻生総理の式辞は次のとおり。
天皇皇后両陛下の御臨席をかたじけなくし、戦没者の御遺族及び各界代表多数の御列席を得て、全国戦没者追悼式をここに挙行いたします。こんな言い方は問題かもしれないけれど、2007年の安倍総理の式辞と2009年の麻生総理の式辞はテンプレかと思うくらいそっくり同じ。アウトラインが殆ど決まっている文章に、総理が一部手を加える程度しか許されていなかったのかさえと思う程。
先の大戦では、300万余の方々が、祖国を思い、愛する家族を案じつつ、亡くなられました。戦場に倒れ、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遠い異境の地において亡くなられました。また、我が国は、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えております。国民を代表して、深い反省とともに、犠牲となられた方々に、謹んで哀悼の意を表します。
終戦から64年の歳月が過ぎ去りましたが、今日の日本の平和と繁栄は、戦争によって、命を落とされた方々の尊い犠牲と、戦後の国民の、たゆまぬ努力の上に築かれております。世界中の国々や各地域との友好関係が、戦後の日本の安定を支えていることも、忘れてはなりません。
私達は、過去を謙虚に振り返り、悲惨な戦争の教訓を風化させることなく、次の世代に継承していかなければなりません。
本日、ここに、我が国は、不戦の誓いを新たにし、世界の恒久平和の確立に向けて、積極的に貢献していくことを誓います。国際平和を誠実に希求する国家として、世界から一層高い信頼を得られるよう、全力を尽くしてまいります。
戦没者の御霊の安らかならんことを、そして御遺族の皆様の御健勝をお祈りして、式辞とさせていただきます。平成21年8月15日 内閣総理大臣 麻生太郎
この"テンプレ"は政権が代わっても、変わらなかった。2012年の野田首相の式辞は次のとおり。
天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦没者のご遺族ならびに各界代表多数のご列席を得て、全国戦没者追悼式をここに挙行いたします。とまぁ、"テンプレ"が炸裂してる。確かに過去の総理の式辞と比べてみると、今回の安倍総理の式辞の内容が大きく違っていることがよく分かる。したがって、今回の式辞の文面については、安倍総理の意向ががっつりと入っていると見ていいと思う。大きなターニングポイントになるかもしれない。故に、朝日新聞はこうした違いを敏感に嗅ぎ取って批判したのではないかと思われる。
先の大戦では、300万余の方々が、祖国を思い、家族を案じつつ戦場に倒れ、戦禍に遭われ、あるいは戦後、異郷の地で亡くなられました。あらためて、心からご冥福をお祈りいたします。また、最愛の肉親を失った悲しみに耐え、苦難を乗り越えてこられたご遺族の皆さまに、深く敬意を表します。先の大戦では、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対し、多大の損害と苦痛を与えました。深く反省し、犠牲となられた方々とそのご遺族に、謹んで哀悼の意を表します。
今日のわが国の平和と繁栄は、戦争によって心ならずも命を落とされた方々の尊い犠牲の上に築かれています。
私たちは、過去の悲惨な戦争の教訓を風化させることなく、次の世代に語り継いでいかなければなりません。
終戦から67年の歳月を経た本日、ここに、わが国は、不戦の誓いを堅持し、戦争の惨禍を繰り返すことのないよう、国際社会の一員として、国際平和の実現を不断に追求していくことをあらためて誓います。
また、わが国の安定と発展を願い続けた戦没者のためにも、私たちは、東日本大震災からの復興を通じた日本再生という使命を果たしていかなければなりません。
戦没者のみ霊の安らかならんことを、そしてご遺族の皆さまのご平安とご健勝を心からお祈り申し上げ、式辞といたします。平成24年8月15日 内閣総理大臣 野田佳彦
2.日本を見るアジアは二分している
朝日は毎年のように「アジアの国々への配慮」と叫ぶけれど、そろそろ、朝日のいう"アジア"とは、具体的にどの国のことを指し、何を持って"配慮"とするのかときちんと定義づけするべきときだと思う。なぜなら、日本を敵視するアジアとはアジア全部ではなく、ほんの一部の国、いわゆる中朝韓の"特亜3国"だけだから。
今年の7月中頃にアメリカの調査機関「ピュー・リサーチ・センター」がアジア太平洋地域各国の世論調査を公表しているけれど、日本はアジアの大多数の諸国家から好感され、信頼されている結果となっている。
調査は、中国、韓国、マレーシア、インドネシア、フィリピン、パキスタン、オーストラリアと、アジア・太平洋地域の計7ヶ国に対して行われ、「日本の印象」を訪ねると、マレーシア、インドネシア、フィリピン、オーストラリアなどで80%前後が「よい」と答えた。ところが中国では逆に90%が、韓国では77%が「悪い」と答えている。
また、「日本は戦争行動に対して十分に謝罪したと思うか」という問いについても、フィリピン、マレーシア、インドネシア、オーストラリアなどが「十分に謝罪した」「もう謝罪する必要はない」という答えが圧倒的多数派で、中韓両国だけ「日本は十分に謝っていない」が7~8割以上とくっきり二分されている。
だから、マスコミも、"アジア"なんて十把一絡げにいうのではなく、親日アジア諸国、反日アジア3ヶ国と、ちゃんと区別して報道しないと駄目ではないかと思う。いつまでも"アジア"と括って報道してしては、もうそれだけで印象操作になってしまいかねない。
先の調査では、戦時中に日本軍が攻めこんで、戦場となり、多大な犠牲を出したフィリピン、マレーシア、インドネシアなどという諸国でさえも「もう日本はこれ以上、謝罪する必要はない」という答えが多数派を占めている。であるならば、彼らに対しては、加害責任や不戦の誓いに言及することは、逆に彼らに"配慮していない"ことになる。
東南アジア各国が日本の集団的自衛権行使を支持していることを考えれば、彼ら親日アジア諸国に本当に"配慮"するのならば、それこそ安倍総理の価値観外交でいうところの「日本は、法の支配でアジアの秩序を守る」くらいは言えなくちゃいけない。
それに対して、韓国の朴大統領は、同じく8月15日、ソウルでの「光復節」記念式典での演説で、「過去を直視する勇気と相手の痛みに配慮する姿勢がなければ、未来へ向かう信頼をつくることは難しい」と、いつもの日本批判を展開し、先日来日した、韓国の野党議員団は、靖国で声明を発表しようとして警官隊に阻止され、靖国から500メートル離れた交差点で、安倍政権の閣僚の靖国参拝を非難する横断幕を広げ、 報道陣に「安倍政権は平和憲法を侵害して軍隊を保有し、日本の軍国主義化と同時に世界の緊張を高めるだろう」など批判する声明文を配った。
3.終戦の日のエンペラー
歴史を直視するとは、韓国や中国の歴史観だけを受け入れることじゃない。この夏公開されている「終戦のエンペラー」という映画があるけれど、これは、アメリカ政策の歴史映画。第二次世界大戦終戦直後の戦後処理を史実を基に、フィクションを交えながら描かれた作品。
この映画の企画を立ち上げた劇作家で作詞家の奈良橋陽子氏は、かつて宮内省職員として働いていた関屋貞三郎を祖父に持ち、子供の頃から戦中戦後の事を聞いていたという。その影響で様々な資料を調べる中でボナー・フェラーズに目を留め、日本にいた経験もある脚本家のデヴィッド・クラス氏に映画の企画を持ち込んだ。
デヴィッド・クラス氏は、占領下の日本と言う設定に魅了され、イギリス人のピーター・ウェーバーを監督に迎えて制作されたのだけれど、ウェーバー監督は、「歴史の隅に追いやられた出来事」と考え、映像化に夢中になったのだという。制作側もウェーバー氏参加について「作品に客観的な視線が加わった」と述べている。
映画は、マッカーサーが、戦争犯罪人の一斉検挙と戦争犯罪を裁くに当たって、皇室、特に昭和天皇に対する戦争犯罪の有無の立証と、昭和天皇が逮捕・処刑された際の、日本国民への影響を考慮し、知日家のフェラーズ准将にその調査を命じるところから始まる。フェラーズ准将は僅か10日という期間の中で、旧日本政府の要人と様々なルートを通じてコンタクトを試み、開戦に至る隠された真実と、終戦における天皇の役割を暴いていく様子を描いている。
そのフェラーズ准将の調査の中で、中村雅俊扮する、近衛文磨と会談するシーンがあるのだけれど、その中で近衛はフェラーズに対して、欧米列強の植民地政策について「貴方たちは、侵略と言うが、当時の東南アジアは、米英蘭の植民地だった。日本は、侵略したのではなく、交戦国の領土で戦争行為をしたに過ぎない、欧米各国が繰り返して来たのと同じことをしたのだ」と反論する。
この作品は戦勝国が作った映画だから、敗戦国の言い分など無視して、そんなシーンなど出さないようにすることなんていくらでも出来た筈なのに、そうしなかった。敗戦国からの視点も取りあげた。仮に、中韓が同じテーマの映画を作ったとしても、こんなシーンなんて絶対作らないだろう。
評論家の石平氏によると、最近、中国では国内で反日報道をしても、多くの視聴者から「中国人民は皆知っている。よく嘘をつくメディアは人民日報、よく捏造する教科書は中国の教科書だ。お前らこそ、毎日のように中国人民をだましているのではないか」とか、「自国の歴史さえ正視できないこの国が他国に正しい歴史認識を求めることができるのか。嘘ばかりをつくこの政府は、他人に真実を語れと要求できるのか」などという批判がくるのだそうだ。
だとすると、中国とて、歴史を"直視"しているとは言えなくなる。その意味では、アメリカの方がよっぽど、歴史を直視しているように思う。
この映画では、昭和天皇に戦争責任があるかどうかについての答えは出さなかったけれど、終戦を決断したのは、間違いなく昭和天皇だとしている。まぁ、細かい事実関係での演出(改竄)はあるにせよ、それでも尚、昭和天皇の存在の大きさは描き出していた。
何やら、安倍総理の式辞といい、親日アジア諸国の反応といい、先の大戦の意味を再評価するときが近づいているのではないかと思える。最後に"終戦の日のエンペラー"、今上陛下のお言葉を引用して、今日のエントリーの締めとしたい。
本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
終戦以来既に68年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。
ここに歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。平成25年8月15日 今上陛下
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
ここに大きな変革が起きていることを
真っ赤な(嘘の)朝日は感じているのだろう.
もともとは無かった詫びの一文を入れさせた
のは反日テロ組織にとっては譲ることのできない
利権であった.
真っ赤な(嘘の)朝日がやってきたことは
○日比谷焼き打ち事件煽動
→日露戦争講和の危機
○近衛文麿の支那事変戦闘継続声明発表
→支那事変講和を吹き飛ばし大東亜戦争へ
(当時は首相には外交権限がなかった)
○日米安保条約改正反対煽動
→憲法改正に意欲を持つ岸首相の退陣
○中国共産党と協力して「南京事件」を宣伝
○「靖國問題」を作り出す
○「従軍慰安婦問題」捏造
○近隣諸国条項の原因となった捏造報道
現在の日本が苦しんでいることの原因は全て
真っ赤な(嘘の)朝日の捏造/煽動の結果と言って良い.
毎日(が嘘の)新聞も脇役を努めているが, 所詮脇役.
この新聞の真っ赤な嘘が特定アジアのためばかり
だと思うと間違いだ. 追放されていたアジテータの
復帰を許したのはGHQであり, GHQのために言論
統制に血道を上げていたのはこの新聞.
経営危機に陥ってい