安倍総理の8月15日靖国参拝見送りについて

 
安倍総理は、8月15日の「終戦の日」に、靖国神社に参拝しない一方、代理人を通じて、「自民党総裁・安倍晋三」として、私費で玉串料を納める意向を固めた。

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これは、冷え込んでいる中韓関係に配慮したと見られる一方、自身がこれまでの国会答弁や記者会見などで「国のために尊い命を犠牲にした方々に尊崇の念を表する気持ちは持ち続けていきたい」と述べていたことから、それを示す意味でこうした判断に至ったと見られている。また、玉串料についても、「内閣総理大臣」ではなく、「自民党総裁」とし、更に、公費ではなく、私費で納めることで批判をかわそうとしているのではないかと見られている。いわば、双方への妥協案というところか。

尤も、安倍総理は、閣僚の参拝は、「各閣僚の心の問題であり自由だ」という考えを示しており、新藤総務相、稲田行革担当相、古屋国家公安委員長の3閣僚が、参拝したい意向を首相官邸に伝えているとされており、官邸側は、これを容認する方向で最終調整しているようだ。

安倍総理は、周辺に「参拝するなら例大祭だ」と、春と秋の例大祭を重視する考えを示しているようなのだけれど、第2次安倍内閣発足翌日の就任直後である昨年12月27日に靖国を電撃参拝するプランがあったことが明らかになっている。

関係者らによると、安倍総理は総理就任前の昨年12月の衆院選の最中から、限られたメンバーと靖国参拝の時機を協議していて、「英霊に就任のあいさつを行うという名目が立つ」、「中国や韓国は反発するだろうが、当面急速な関係改善は期待できないなか、早いうちに参拝しておいた方がいい」、「批判も予想されるが、年が明けると雰囲気も変わる」などという理由から検討されていたという。

当初は、12月27日早朝に靖国神社に秘書官らを招集し「電撃参拝」することが予定されていたのだけれど、前日になって安倍総理から周囲に延期が告げられ、28日か29日の参拝も検討したものの結局見送られたという。

最終的にドタキャンした理由は分からない。だけど、外交問題を理由にキャンセルしたとするならば、今回8月15日の参拝見送りと合わせて、中韓に配慮して2回参拝を見送ったことになる。安倍総理は今年春の例大祭にも参拝しなかったから、残る靖国での大きな祭典は、秋の例大祭しか残っていない。

もしも、秋の例大祭の参拝をも見送るとなると、安倍総理の靖国への想いについて、国内からも疑問符を持ってみられることになるだろうと思う。故に、このタイミングで、昨年末の電撃訪問プランのドタキャン報道は、安倍総理に対して、これ以上の先送りは許されないという意味で、逆に追い詰める結果となったのではないかと思う。安倍総理周辺は、昨年末の電撃訪問ドタキャンについて「『電撃参拝』の機会はしばらくないだろう。次は堂々と参拝するしかない」と語ったそうだけれど、そのとおりだと思う。

ただ、独立総合研究所の青山繁晴氏によると、「最近の中国と韓国は、意外なほど折れてきている」そうで、当局者は「安倍総理と麻生副総理が参拝しなければ、大きな問題は起きない」と見ているようだ。青山氏はその結果、先の参院選前後から、中国がこれまで散々言ってきた「尖閣棚上げ論」を言わなくなってきたことを挙げ、韓国についても「韓国経済界が朴槿恵大統領に対して、日韓関係を改善するよう突き上げている」という動きがあることを述べている。

昨日のエントリーで、韓国民主党の李竜得最高委員ら4人が、靖国神社を訪問し、「安倍政権の右傾化への遺憾の意」を示す声明を発表する予定でいることに触れたけれど、彼らは14日夕方に羽田空港に到着後、記者団に対して、「(靖国神社に)行くかどうかは決めていない。皆で相談して決める」と急にヘタれ出している。或いは、日韓関係の改善を図りたい韓国政府から寸止めでストップするよう圧力が掛かっているのかもしれない。

そんなこんなで、表向きは安倍総理の靖国参拝見送りについて、非難や反発その他様々な反応があるのだけれど、水面下ではギリギリの見極めというか調整が行なわれているとみる。ただ、それで上手くいけばいいけれど、どうにもならなくなった場合には、最後の決断が求められることを忘れてはいけない。その時こそ、第二次安倍政権の真価が問われることになる。




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この記事へのコメント

  • とおる

    歴史の捏造をしている中国・韓国に対して、「リビジョ二スト」と発言しない米国人。
    また、それを指摘しない日本のマスコミ。
    2015年08月10日 15:22
  • -d-

    はじめまして、いつも拝読させて頂いております。

    日欧米がようやく経済立て直しの兆しという時期で、
    靖国参拝で シナのデモ→大規模暴動→急激な崩壊の懸念から
    日本がきっかけを作ってもらっては困ると欧米と中共から懇願され
    見合わせたということはありませんか。
    日本も難民問題や邦人関連からソフトランディングがベストですし‥
    水面下で靖国カードで日本が何を条件に出したかこれから見えてくるかもですね。

    国を思って身を捧げた英霊こそ 敗戦日の30分ばかりの参拝行為より
    今なすべき大切な目的の為に忍耐する総理を支持する事でしょう。
    そもそも神社参拝は国民それぞれがいけばいいこと。
    特亜とゴミの煽りで 総理一人に参拝責任を押し付けるのは間違いです。
    今の日本は、米国民主党の不安定さ、TPP、経済立て直し、法整備
    腰を据えて戦わなくてはいけないことが山積しています。

    安倍政権は着々と手を打っているようなので、焦らず
    陛下も総理も自由に靖国参拝するべきだという国民の後押しと
    特亜・ゴミを喜ばせるような保守分断に 私たちは乗らないようにしましょう。
    2015年08月10日 15:22
  • NP

    ナゼにネトウヨは安倍総理のこの8月15日靖国参拝にこだわるのか?
    余りにも頭が悪過ぎで途方にくれそうだ。

    安倍総理の目的は何ですか?

    「戦後レジームからの脱却」です。

    それには日本国民の多数の支持をベースに戦後の偽りの歴史観とたいじするということなわけです。

    では、今日本国民はどれほど靖国参拝を求めていますか?
    あるいは9条改正をどれほど求めていますか?

    まだ熟していません。

    日本の再生と成長にとってネトウヨは邪魔ものと言えるでしょうね。
    2015年08月10日 15:22

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