韓国ロビーに反撃する安倍政権

 
8月13日、韓国の最大野党・民主党の金ハンギル代表ら同党の国会議員12人が竹島に上陸した。

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日本政府は韓国外交省を通じて、上陸しないよう求めていたのだけれど、韓国議員団はこれを無視。ヘリを使って日帰りで上陸、韓国メディアの共同取材団も同行した。

金代表は記者団に「独島が我々の島だということを確認するために来た。…最近、日本で起きている右傾化と軍国主義復活の兆しは、北東アジアの平和と安定を損ねる深刻な挑発だ」と述べた。

更に、韓国民主党の李竜得最高委員ら4人は、8月15日に靖国神社を訪問し、「安倍政権の右傾化への遺憾の意」を示す声明を発表する予定でいるという。

韓国民主党の金代表は、日本の右傾化は、北東アジアの平和と安定を損ねる深刻な挑発だと言っているようだけれど、8月15日の「光復節」に合わせて竹島上陸を強行したり、靖国で「右傾化への遺憾の意」を示す声明を発表する韓国側の態度の方が余程日本を挑発している。

韓国野党の竹島上陸について日本の外務省は、韓国の金元辰駐日公使を呼んで、「竹島上陸は受け入れられず、極めて遺憾だ」と抗議し、再発防止を強く求めたそうだけれど、そんなものが通じるのなら、最初から苦労しない。金氏は「独島は韓国領だ」との韓国側の従来の主張を繰り返して平行線。無論、抗議も何もしないと、黙認したと見做されるから、厳重抗議は必須。

先日も、アメリカ在住の日系人が、韓国による慰安婦像の設置に猛反対して、否決させるなどの動きがあった。度重なる韓国の反日行動が、日本人の意識を徐々に変えつつあるように見える。

安倍総理の外交ブレーンである宮家邦彦・立命館大客員教授は「李前大統領の竹島上陸は、結果的に対外発信の重要性を日本人に思い知らせた」 として、李前大統領の暴挙が日本外交に変化をもたらしたと指摘している。

確かに、昨年8月の李明博元大統領の竹島上陸以来、日本国民の竹島に関する認知は確実に広まっているように見える。8月1日に内閣府が発表した、竹島に関する特別世論調査でも、竹島そのものの認知度は94.5%に達している。



安倍総理は、政権発足後、「領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会」を設置し、7月2日に報告書を取りまとめている。その報告書では、領土・主権をめぐる内外発信全般及び、尖閣・竹島に関する内外情報発信について、次のように述べている。

・領土・主権をめぐる内外発信全般について
1. 領土・主権をめぐる対外発信に関しては、第三国の国民に日本の主張がよくわかるような論点を選択し、集中的に戦略的広報を実施する必要がある。

2. 国際的に影響力・発信力のある第三国において、日本の立場への支持を得るべく、英語による発信を抜本的に強化する必要がある。

3. 領土・主権をめぐる発信に際しては、有識者、シンクタンクおよび海外の研究者等の政府以外の主体からも重層的に発信する必要がある。

4. 第三国に対して領土・主権に関する日本の立場を「ワン・ボイス(一貫性のある言葉)」で発信することが有効である。

5. 効果的な対外発信のためには、事実に基づいて日本のポジティブなイメージを投影しつつ、短く、わかり易く、正確な説明を冷静に行うことが必要である。

6. 領土・主権をめぐる政府の施策の遂行には、国内世論によるサポートが不可欠であり、教育現場との連携も含め、国内啓発を強化する必要がある。

7. 日本の主張の正当性をより効果的に発信するために、歴史的な経緯や文献・史料の収集も含め、調査研究を強化する体制整備が望まれる。

8. 発信においては、写真/映像等を用いて、視覚に訴える手法を効果的に利用すべきであり、視覚に訴える地図等は日本の主張に即したものとなるよう働きかけを強化すべきである。


・尖閣諸島をめぐる内外発信について
9. 尖閣諸島をめぐる内外発信においては、中国の物理的な力の行使による現状変更は許されないという点を強調すべきである。その際、日中関係を戦略的互恵関係で発展させるとの外交上の目標と十分整合性を考慮すべきである。

10. 尖閣諸島について、中国が1971年になって初めて領有権を主張してきた事実を対外的にアピールすることが有効である。また、正しい事実関係について中国語で発信することも重要である。

・竹島問題に関する内外発信について
11. 竹島問題では、日韓関係の大局的観点に留意しつつ、長期にわたって日本の立場を適切に発信していく必要がある。そのためには、竹島問題に関する国内世論の啓発が極めて重要である。

12. 竹島問題に関しては、1950 年代に韓国が力によって竹島を奪取し、不法な占拠を継続しているのに対し、日本政府がこの問題に関して国際司法裁判所付託を含む平和的方法により国際法に則って解決を追求してきた点を対比的に発信すべきである。



これらの報告内容は、筆者には、至極当然な内容ばかりであるように見えるのだけれど、これが今になって報告されるということは、逆に言えば、これらのことすら満足に行われていなかったことを意味してる。

例えば、6.の国内啓発について、報告書は「日本の領土・主権に関して的確に説明ができる資料や教材が現状では十分ではない。例えば、島根県では、竹島問題に関する独自の資料を作成し、その副教材を用いて県内の小中学校での教育に使用している。国内啓発という観点から、教育現場で使える資料の充実を図るべきである。」としているけれど、これは、内外への情報発信云々以前に、基本的な歴史的事実の周知すら怠っていたことの証明以外の何物でもないと思う。

先の内閣府の世論調査でも、竹島そのものについては、95%近くが知っていたけれど、「竹島が日本固有の領土である」と答えた人が60.7%に留まっている。この結果について、山本一太領土問題担当相は「6割ではいけない。領土主権に関する問題意識が十分に浸透していないことが判明した」と述べ、啓発活動に努める考えを示しているけれど、当然だろう。

また、対外的な情報発信という意味では、4.の「ワン・ボイス」による発信も重要な指摘。これについて、報告書は、次のように述べている。

日本の立場を「ワン・ボイス」で発信できないために、日本の立場を決定的に危うくしている事例が数多くみられる。関係国の立場を利するような発言をする日本人も少なからずいる。数多くの発信の努力も、一瞬にして無にしてしまうような言動もある。

したがって、少なくとも政府・内閣においては「ワン・ボイス」での発信を行う必要がある。外に対しては日本側による正確な理解に基づく説明が行われるように、領土・主権に関する使いやすい説明資料を作成すべきである。

日本がオールジャパンでの発信を行っていくためには、政府だけでなく、海外で在住したり活躍したりしている民間人の存在もまた重要である。外国人との会話において、日本の立場を損ねるような発言をすることがないように、政府として簡便に答えられる材料を英語の資料として提供しておく必要がある。特に影響力の大きい個人や団体に対して、政府は正確な事実を共有するよう努めなければならない。

この中で指摘されているように、確かに"関係国の立場を利するような発言をする日本人"は存在する。先日も、ルーピー鳩山氏が、尖閣を日本が盗んだ発言をして、見事に利敵行為をしたことは記憶に新しい。個人的には、この「ワン・ボイス」対策が尤も重要かつハードルの高い課題になるのではないかと見る。

竹島にしても尖閣にしても、国民の見解がバラバラであるところに、つけ入られる隙が生まれる。仮に、中国が日本本土は中国のものだと言ったとしても誰も認めないだろうけれど、その意識があやふやだと、途端に踏み込まれてしまう。今は、沖縄に対してそれが行われている。そうしたことを防ぐためには、国民の意識を一定以上のレベルで纏めておかなくちゃいけない。

その為には迂遠ではあるけれど、やはり、国内啓蒙活動と、事実を元にした議論を積み重ねることで、国民的統一見解を醸成していく必要があると思う。

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この記事へのコメント

  • とおる

    ・靖国参拝、米はどうみる? 慎重対応求め、警戒論も
     http://sankei.jp.msn.com/world/news/130813/amr13081321070011-n1.htm

    日本の国会議員が靖国神社に参拝すると騒ぐ日本のマスコミ・米国のマスコミ。
    しかし、韓国の国会議員が日本から侵略した竹島に行っても、同じくらい騒がない日米マスコミの不思議さ。
    2015年08月10日 15:22
  • 白なまず

    日本人の認識を著しく損なっている世代への周知徹底にはTV、新聞しか効果が少ない現状ではマスコミの国益を損なう行為に対して罰則規定を設け、場合によっては破防法などの適応により活動停止が出来るようにしないと駄目でしょうね。また、支那朝鮮は口だけでは分からないだろうから、日本国内での活動を制限する為の法律を作り警察の監視をつけて、もし違法行為があれば即刻強制送還して、二度と入国できない何処かの国の様にしないと駄目かもしれません。また、支那朝鮮人の犯罪はTOP2の多さである事から同様に即刻強制送還し、二度目以降の場合はさらに厳しい処分が出来るようにして、在日外国人の場合は本人だけでなく、家族などの一族全員を処罰の対象にして身内に連帯責任の義務がある事を認識させる等で日本側の本気度を態度で示す必要があるかもしれません。そうしたら支那朝鮮では対抗手段として同様の法律を作り、日本人を対象にした同様の事が行われるでしょうね。そうなると国交断絶までいくのでしょう。だからその前段階として、まずは日本からの全ての金の流れを制限して支那へのODAは中止して、朝鮮への資金援助なども中止して、支那朝鮮との特別関税
    2015年08月10日 15:22

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