安倍内閣支持率回復とキングオブキングスを夢見る者

 
安倍内閣の支持率が回復した。

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9月6日から9日にかけて、時事通信が実施した9月の世論調査によると、安倍内閣の支持率は前月から7.1ポイント増えて61.3%と、4か月ぶりに60%台を回復。世論調査を始めた池田内閣以降、支持率が落ち込んだ後に6割台を回復した内閣は初めてだという。政党支持率も自民は28.8%と2.3ポイント増。公明党も1.6ポイント増やして4.8%。

対する野党は散々。民主党は3.5%に低下。日本維新の会2.0%、共産党1.8%、みんなの党1.4%、社民党0.5%、生活の党0.1%で、全部足しても10%にも満たない。

この状況で、野党が与党に対抗しようと思ったら、野党勢力の結集くらいしかないのだけれど、それもあまり上手くいってない。

例えば、みんなの党は、政界再編に前向きだった江田憲司前幹事長を更迭し、柿沢未途衆院議員を離党させるなどして、結集どころか「純化路線」に走っている。

こうした動きに対して、維新の会の橋下共同代表は、大阪市内で開かれたパーティーで「考え方が違うから出て行け、なんてやっていたら『ひとりの党』になってしまう」 と批判している。

尤も、渡辺代表自身は、野党糾合の必要性は感じているようで、政策の一致する野党どうしで連立政権を目指す「政党ブロック(政党連合)」構想を打ち出している。

政党ブロックとは、政策や主張に共通点のある政党同志が集まって、意見の集約や統一された政策の形成を図ったり、選挙協力をしたり、議会の運営の基本単位を構築するなどの組織体のこと。

政界再編などで、新党を結成する場合、個人の考えが近い議員同士が集まって、政党を作るのが普通だと思うけれど、政党ブロックは、議員個人単位ではなくて、政党単位で更に一つの大きな纏まりを作ることに該当すると思われる。中世風にいえば、"諸侯連合"といったところか。

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だけど、その為には、個々のパーティの意見・見解が、つねに一つに集約されている、又は党議拘束等で、統一行動が取れるという前提が必要があり、且つ、それが、他の政党の意見調整を踏まえて、柔軟に変更、再集約・行動できる政党同士のブロックでなければ、中々厳しいのではないかと思う。そうでなければ、党内の意見集約だけで時間が過ぎて、結局、連合できなかったということに成りかねないから。

つまり、政党ブロックを形成する個々の政党は、即断即決できる政党でなければならず、その意味では、独裁的に全てをさっと決められる性格の政党のほうが相性がよいのだろうと思われる。

この政党ブロック構想については、民主党は関心を示しているものの、維新の会の橋下氏は、「今の政党のまま選挙の調整はたぶん不可能だ。自分の党の議員の身分を守るための方策だ」とばっさり。

みんなの党の党内でさえも、先日「政党ブロック構想」に関する勉強会を開いているけれど、江田憲司前幹事長は「基本政策の一致や選挙区での候補者統一ができるのか。今のところは疑問だ」と述べていて、党内をまとめるのも簡単ではなさそう。無論、反対者を根こそぎ離党させてしまえば、「政党ブロック構想」で纏められるかもしれないけれど、そのとき「みんなの党」は、渡辺代表個人の「あんたの党(your party)」になってるかもしれない。

たとえ、この、みんなの党の渡辺代表が提案している政党ブロック構想が上手くいって、各政党間の意見を纏めて、政策なり何なりを出すことができたとしても、その出来上がった政策は、かなりの確率で、各政党の主張を取り入れた妥協の産物になるだろうと思われる。

だけど、大切なことは、その"妥協の政策"が、正しい政策であるかということ。

ともすれば、野党は、与党との違いを出すために、与党はここが駄目、あそこが駄目といったりするものだけれど、それが、そのとおりかどうかは、野党の内にある程度、証明というか国民を説得できなくちゃいけない。なぜなら、野党の主張の正しさを証明するために、政権を任せて、実際やってみてその結果を持って判断する、というやり方だと、失敗した時のリスクが余りにも大きくなるから。

一度やらせてみてくださいで民主党に政権を預けたのが2009年。それからの3年半で、取りあえず「やらせてみる」ことのリスクがいかに大きいかを国民は身を持って体験した。だから、もう、ジミンガーだとか、カンリョウガーだとか、批判だけで政権が取れる時代は、もう終わったと考えるべきだし、そうであってはならないと思う。

そんな状況で、政党ブロックが出してくる"妥協の政策"が正しい結果を導いてくると、一体、誰が保証して、どうやって国民に説明するのか。

政権を取りたいから、或いは、生き残りたいからといって、妥協を重ねて勢力を増やしたとしても、その勢力が目指すものや方法が「正しく」なければ、国は傾く。

渡辺代表が、"キングオブキングス"になる道は限りなく険しい。




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この記事へのコメント

  • 白なまず

    イプシロンロケット打ち上げ成功おめでとう!
    これでまた一歩進んだ。
    惑星観測、太陽観測、地球環境観測とスーパーコンピュータを活用し、
    災害の予測や観測により新たな知見を得る機会を得た。
    内閣支持率が高いのは国民の期待が内閣から離れていないと言う事だから、
    期待通りの内需拡大による経済成長、災害復興、様々な強靭化を行えば良いだけ。
    日本が成功し続ければ、反日勢力は段々やる気をなくすでしょう。
    気力をなくして廃人になってもらいましょう。
    2015年08月10日 15:22

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