祝!2020年東京オリンピック開催決定

 
今日は、もうこの話題しかないでしょう。

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9月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれた、国際オリンピック委員会総会で、2020年の第32回夏季オリンピック大会の開催都市に東京を選んだ。

誘致候補都市は東京とトルコのイスタンブール、スペインのマドリードの3都市で、1回目の投票でマドリードが脱落。東京とイスタンブールの決選投票の末、東京が60票、イスタンブールが36票、棄権1で、圧倒的票数を集めた東京が誘致を決めた。東京開催は1964年の第18回大会以来56年ぶり。開催決定の瞬間、関係者は歓喜の声を挙げた。

当初は、東京開催が有力視されていたのだけれど、イスタンブールとマドリードの猛烈な追い上げに加え、福島原発の汚染水問題が取沙汰され、一部には、召致できないのでは、という見方もあったのだけれど、見事に開催を決めた。

今回の誘致が決まった早朝から、各メディアがこぞって特番を組んで、取り上げているけれど、誘致に成功した理由として、国際オリンピック委員会委員の多くが東京の最終プレゼンをその一つに挙げている。

カナダのパウンド委員は「東京が1回目の投票で勝つとさえ思っていたから驚きはないが、大差にはびっくりした。…厳しい質問にも明確な英語で返していたし、あれほど感情に訴えた日本のプレゼンを見るのは初めてだった。勝利に値する」と述べている。

また、プレゼンでの安倍総理の演説も高く評価されており、ロイター通信は、「国家指導者のなめらかな演説は、IOCが懸念する福島原発問題の不安を解消するために行われた。日本は60対36でイスタンブールを大差で勝利したことから、演説はその目的にぴったりと合っていたようだ」としている。

福島原発問題について、安倍総理は演説の中で「福島について、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません。」と明言。

質疑応答でノルウェーのハイベルク委員から「福島の問題が毎日報道されているが、東京に影響がないという根拠は」との質問に、「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメールの範囲内で完全にブロックされている。福島の近海で行っているモニタリングの数値は最大でもWHO=世界保健機関の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ。また、わが国の食品や水の安全基準は世界で最も厳しいが、被ばく量は日本のどの地域でもその100分の1だ。健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」と、不安を払拭した。

 

ハイベルク委員はこの問題について、「風評が耳に入っており、誰かが聞かなくてはならなかった。首相は問題をきちんと理解し、答えは的確で、危険がないことが伝わった」と述べ、メディアセンターで見ていた外国の記者も、安倍総理が原発問題について説明したことを評価している。

今回の誘致成功は、関係者の努力は勿論のこと、国際オリンピック委員会自身、安心・安全を一つの基準としていたフシがある。オーストラリアのコーツ理事は「マドリードは経済危機、イスタンブールには政情不安がある。IOCは安心して開催できる都市を選んだ」と述べ、ドイツのバッハ副会長も「東京は開催の提案を実現できることをきちんと示した」と評価した。

また、ウォールストリート・ジャーナルは、開催地が決まる前の9月4日の記事で、汚染水問題について、G20の場で安倍総理が安全だと発言したことなどの例を挙げ、日本の対応に一定の評価を与え、ニューヨーク・タイムズも「IOC委員にとって、日本の環境問題より、シリアが隣国となるイスタンブールや、不景気で失業率が高いマドリードのほうが切迫した問題だった」と分析している。

確かに、オリンピックの誘致に成功しても、それを行えるだけの体制や準備ができなかったら何のために誘致したのか分からない。事実、次回2016年開催予定のブラジルのリオデジャネイロは、その準備の遅れが指摘されている。9月4日、国際オリンピック委員会のロゲ会長は記者会見で、リオデジャネイロ五輪について「たくさんのインフラ建設計画があり、スピードアップする必要がある。時間がたつのは早いことを忘れてはならない」と警告しているし、現地のリオデジャネイロでは、「日本人による準備なら成功確実だが、ブラジルは失敗しそうだ」との声まで上がっているそうだ。



これまで、"平和の祭典"といわれながら、国威発揚の場として使われた面もあったオリンピックだけれど、ここにきて、本当に"平和"でなければ、オリンピックを誘致できなくなってきたのだとすれば、逆説的ではあるけれど、オリンピックが本来の姿に近づきつつあるともいえなくもない。

それでも、誘致ともなれば、やはりその経済効果は計り知れない。

東京都は、2020年東京オリンピック開催で、2013年から2020年までの国内経済波及効果を試算し、約2兆9600億円と弾き出している。また、民間エコノミストの中には、首都高速道路の改修や観光立国へ向けた動きが加速し、効果はさらに大きくなると見込む向きもあり、一部にはオリンピック招致は「最大のアベノミクス」との声もあるほど。

安倍総理の側近によると、安倍総理は、東京へのオリンピック招致は、経済再生の追い風になると考えていて、最近は、オリンピック関連の話題や指示が多くなってきているのだそうだ。また、自民党政調幹部も 「アベノミクスはここまでは何とか来たが、4、5月に発表した成長戦略は不評だった。秋の『第4の矢』も規制緩和や税制が中心で、あまり手がない。『今後、株価が下がり始めるのでは』という不安もある。そうしたなかで、マーケットが注目しているのが五輪招致。安倍首相にとっても『株価を牽引する起爆剤は東京五輪しかない』くらいの思いだ」と述べていて、先月末、中東・アフリカ歴訪も、オリンピック招致のためのロビー活動も兼ねていたのだという。

東京招致を決めたのだから、その甲斐もあったというもの。これで、2020年に向けて、交通網の整備を始めとして老朽化したインフラ整備が進むことは間違いない。自民党の国土強靭化計画もこれに便乗してやれば、急速に進むだろう。

筆者は4月30日のエントリー「国土強靭化計画を戦略の階層で分析する」の中で、有事の際には、高速道路のパーキングエリアの地下からPAC3やTHAADが出てくるように整備したり、トンネルがそのまま防空壕にもなるように作っておくなど、国防を意識したインフラ整備を考えたらどうか、と述べたことがあるけれど、2020年東京オリンピック開催という目標が出来た今、福島原発問題対策を含めて、一気に日本のインフラを土台から作り変えるチャンスを迎えたように思う。




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