今日は、この話題です。

10月25日、韓国軍とその特殊部隊が、竹島での軍事訓練を行なった。訓練は陸・海・空軍が参加して行われ、海軍の特殊部隊による上陸訓練も含まれていると見られている。
韓国国防省は、この訓練について「極右の民間人が島に上陸した」という想定で行っていると発表し、その理由について、「歴史的にも実質的にもわれわれの領土であり、どんな状況でもしっかりと守るというわが軍の意志を示すためだ」としている。
これまでは、竹島に対して韓国は公式には「警察官」を上陸させるにとどめていたから、日本も建前上は「不法占拠」ということも出来たけれど、軍を上陸させたとなると、もうそんな言い訳はできない。
菅官房長官は記者会見で、「訓練の実施は竹島の領有権に関するわが国の立場に照らして受け入れられず、極めて遺憾だ。竹島は歴史的事実に照らしても、国際法上もわが国固有の領土であり、立場は一貫している。韓国側に対して、東京とソウルで外交ルートを通じ直ちに強く抗議した」と述べ、国際司法裁判所への提訴について「日本は常に用意をしている」と牽制する発言をしたのだけれど、同時に「日本にとって韓国は、同じ自由主義を目指している極めて大事な国だ。こうした問題があっても、互いに友好を袖にするようなことはすべきでない」としている。
この発言を聞く限りでは、防衛出動を出す積りはないようだ。一体、どうする積りなのか。
一つには、もちろん、菅官房長官の言った通り、韓国は一応日本の友好国としていることがあるだろうけれど、もう一つ考慮しなければいけないのが、在韓米軍の存在。
在韓米軍は、2015年の撤退を控え、統帥権の返還をしようとしているアメリカに対して、それを延期してくれと韓国が要請している。だから、アメリカが統帥権を持っている以上、今回の竹島上陸演習はアメリカが指示したことになるのかといえば、そうじゃない。
今、アメリカが持っている統帥権は戦時統帥権であって、平時の統帥権じゃない。
在韓米軍の作戦統帥権の歴史は、朝鮮戦争中の1950年7月14日まで遡る。当時の李承晩大統領は、国連軍総司令官のマッカーサーに書簡を送って韓国軍の作戦指揮に関する権限を委譲する旨を伝え、16日にマッカーサーがこれを受諾。この日をもって、国連軍を率いる米軍が韓国軍の指揮を取ることになった。
1953年に朝鮮戦争が停戦した後、韓国軍は国連軍総司令部の作戦統制権の下に置かれることが明記され、統帥権は在韓米軍が握ることとなった。
その後、1961年に韓国軍の一部部隊について作戦統制権が解除。1978年には、米韓連合司令部が設置。1994年には、韓国軍に対する作戦統制権が戦時と平時に分けられ、そのうち平時の作戦統制権が国連軍総司令部から韓国側に移管されている。
つまり、平時における韓国軍の運用は韓国の手によって行われている。現在、日韓関係は悪化しているとはいえ、戦争しているわけじゃないから、「平時」ということで軍を竹島に上陸させたものと思われる。
本来、竹島に韓国軍が上陸したことは占領行為であり、日本に宣戦布告したも同然なのだけれど、日本が竹島を奪還する動きをみせ、日韓両国が戦争状態となった途端、韓国軍の統帥権はアメリカに移ることになる。だから、アメリカは韓国を守ろうとすれば、自衛隊と戦わなければならなくなってしまう。実際、そんなことはありえない。
韓国の朴政権は、在韓米軍が持つ統帥権が戦時だけのものであり、平時の統帥権は韓国軍が持つという隙をついて、韓国軍を竹島に上陸させたことになるのだけれど、そのお蔭で、在韓米軍も自衛隊も動けない中で、韓国軍が竹島に上陸して演習を行ったという事実が残ることになった。
韓国軍が竹島に上陸したという既成事実は、実効支配を増々強めていく方向に働く。
また、アメリカの華字ニュースサイト・多維新聞は、中韓両国は、尖閣諸島の領有権問題で、武力協力する見通しだと、伝えているのだけれど、韓国軍の竹島上陸に合わせて、中国も海軍の艦船十数隻による太平洋西部海域での実戦演習を行っている。だから今回のことも、中韓示し合わせての行動の可能性もある。
韓国は在韓米軍の牙を日本に向けることで、竹島の支配を揺るぎないものにしようとしている。
だけど、この手が通用するには、韓国とアメリカが同盟を結んでいるという前提が要る。もしも、米韓同盟が破棄されたら、今度が在日米軍と自衛隊が日米安保に基づいて、竹島奪還に動くことだって有り得る。だから、韓国のやり方は相当危ない橋を渡ってるといえる。
あと、これは推測にしか過ぎないのだけれど、今回の韓国軍の竹島上陸演習については、日米両政府は事前に知っていたのではないかと思う。平時の統帥権がないとはいえ、在韓米軍司令部が韓国軍の動きを全く把握していないことなんて有りえない。
軍を動かすには、それなりの準備が要る。ましてや海を渡らなければならないとなれば、尚のことそう。日本政府も通信傍受その他で、韓国軍の動きを掴んでいたと思う。もしかしたら、韓国国防省が今回の訓練を発表しなかったら、スルーしていたのかもしれないけれど、先方が公にした以上、何もしない訳にはいかない。
しかも、事の性質上、放置してしまっては、日本は領土主権を放棄することにも繋がる可能性があるから、それ相応の対策は必要になる。最早、昔のように日本国民が韓国に甘い目を向けることはない。「遺憾の意」だけで済むことはないだろう。
この記事へのコメント
白なまず
【韓国軍はこんなに弱い! 】
http://www.youtube.com/watch?v=IgA-jxO0coM
almanos