ちょっとお洒落な北朝鮮の国

 
今日はこの話題です。

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10月21日、中国外務省の華春瑩報道官は定例記者会見で、靖国神社参拝に対する中国や韓国の反対は、内政干渉だとの指摘に対して、「日本が軍国主義の侵略の歴史と植民統治の歴史をいかに認識し、対処するかに関わる問題であり、絶対に内政などではない。…日本の指導者による靖国神社参拝問題は、中韓を含む多くの国家、特にアジアの国々の共通認識だ。…日本が歴史問題を悔いず、反省せず、軍国主義の亡者を放さないならば、日本とアジアの隣国との関係に未来はない」と主張した。

安倍総理の積極的平和主義は、ASEAN各国から支持を集め、オーストラリアからも日本は軍国主義にはならないとも言われている。世界から更なる国際貢献を期待されている日本は、少なくとも、特亜以外のアジア各国と、未来に向けて、強固な関係を作っている。

中国の靖国批判はいつものことではあるのだけれど、最近の批判は更に輪をかけて酷いものになっている。

10月18日付の人民日報は、「亡霊参拝行為は袋だたきにせねばならない」という見出しの記事を掲載。「日本では軍国主義思想が極めて頑固に生存力を保っており、その社会的温床が徹底的に排除されずにいる。この点は日本メディアの報道にも表れている。共同通信は安倍氏の間接的亡霊参拝に対する中国の一部メディアの報道方式に強く注目したうえで、全くわけの分からないことに『中国は冷静な反応』などという結論を導き出した。『冷静な反応』などあり得ないことだ。日本に侵略された痛ましい歴史を忘れることは裏切りを意味し、歴史の正しい道理と正義に対する日本の政治屋の挑戦を放任することも同様に裏切りなのである。」と、日本政府のみならず、日本のマスコミをも名指しで批判している。

なんとも言いたい放題な中国だけれど、中国のメディア管理は事前規制と事後規制から成り立っている。

事前規制とは、中国国内の法規制による規制のことで、建前上は、憲法35条で言論の自由を謳ってはいるのだけれど、刑法で、国家機密条項を定めていて、それに抵触すれば、たちまち逮捕されてしまう。

中国の刑法は1997年に改定されているのだけれど、その7条で「中華人民共和国の領域外で本法が規定する罪を侵した中華人民共和国の国民に、本法を適用する」とあり、たとえ、中国国外にいても、当局が罪を犯したと判断すれば、逮捕できるようになっている。

こうした法律による一種の「脅し」を掛けることで、中国国内のマスコミに対し、自主規制させるようにしている。

それに対して、事後規制とは、報道内容に対して、当局が検閲を行うことで、国内メディアに対しては、通稿、審査制度等が行われ、海外メディアに対しても、監視や入国拒否等による取材活動の妨害や取材対象の隠蔽をしたりしている。また、インターネットについても、「金盾」によるフィルタリングなどを行っていて、情報統制を掛けている。

中国はこの2種類の規制のうち、これらの規制を強化している節がある。



今年7月、東洋学園大教授で中国人学者の朱建栄氏が、情報漏洩の疑いで中国国家安全省の警察に上海市内で拘束され、浙江省の施設で取り調べを受けていることが明らかになった。

中国当局によると、朱氏は昨年まで、日本の政府機関から資金援助を受けた見返りに、中国の政治、軍事などに関する機密情報を収集し、提供した疑いが掛けられていて、日本の当局関係者との交流についても事情聴取されているという

中国共産党筋は「平時なら問題視されないことだが、日中関係が悪化している中、クローズアップされた。…日本にいる中国人学者に対し、『日本当局者と親密な関係を持つな』と警告する意味がある」と話しているそうだから、明らかに、在日中国人に対する見せしめ。情報管理という意味では、前者の事前規制に当たるだろう。

また、中国共産党は、国内記者の統一免許更新試験を来年1~2月に予定し、それに向けた全国25万人の記者を対象にした大規模研修を行っているのだけれど、その中で、尖閣諸島や歴史認識の問題に絡めて日本政府を厳しく非難し、報道の際に領土問題で譲歩する主張などを伝えないよう指示しているという。

これは、裏を返せば、指示どおりに報道しないと免許はやらないという意味にも取れる。まぁ、あからさまに報道内容について検閲しているわけで、こちらは後者の事後規制と言える。

更には、TV規制も強化し、2014年からは、放送時間全体の30%以上を、ニュース、経済、文化、科学教育、生活、アニメ・児童向け番組、ドキュメンタリー、農業関連の番組に当てるよう指示。外国番組の放送は1本だけしか許されず、しかも、午後7時半から午後10時の時間帯には放送禁止。その一方、国産アニメを午前8時から午後9時半の間に、最低30分は放送するように求めている。

要するに、人民は、海外情報を見てはならぬ、ということ。このように、一党独裁国家中国は、ますます自由から遠く離れていこうとしている。

中国の掲示板「百度」では、こうした動きについて、「中国が北朝鮮化していく」というコメントが書き込まれているそうだけれど、そのとおり。むしろ、北朝鮮化するという認識があるだけまだマシで、こうした統制が何十年も続けば、自国が「北朝鮮化」したという自覚さえ出来なくなるのではないか。正に、ジョージ・オーウェルの「1984年」の世界

かつて、ある有名ブロガーが中国をして「ちょっとお洒落な北朝鮮」と評したことがあるけれど、全くもって、この言葉は至言だと思う。




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