金融庁、みずほ銀行に業務改善命令

 
筆者、体調不良につき、今日は超々々簡単エントリーとさせていただきます。
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9月27日、金融庁は、みずほ銀行に対し、業務改善命令を出した。

これは、みずほ銀行が、多数の暴力団組員らに融資し、役員らがそれを知りながら2年以上も対策を取らずに放置していた為で、金融庁が去年12月から実施していた定期検査で発覚した。

金融庁は銀行法に基づき、経営責任の明確化や法令順守態勢の確立などを盛り込んだ業務改善計画を、10月28日までに提出するよう求めている。

金融庁は「主要行等向けの総合的な監督指針」の「III -3 業務の適切性等」の項目で、反社会的勢力との取引を禁じている。該当部分を一部引用する。
III -3-1-4-2 主な着眼点

反社会的勢力との関係を遮断するための態勢整備の検証については、個々の取引状況等を考慮しつつ、例えば以下のような点に留意することとする。

(1)反社会的勢力とは一切の関係をもたず、反社会的勢力であることを知らずに関係を有してしまった場合には、相手方が反社会的勢力であると判明した時点で可能な限り速やかに関係を解消できるよう、以下の点に留意した取組みを行うこととしているか。

・反社会的勢力との取引を未然に防止するための適切な事前審査の実施や必要に応じて契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入するなど、反社会的勢力が取引先となることを防止すること。

・定期的に自社株の取引状況や株主の属性情報等を確認するなど、株主情報の管理を適切に行うこと。

・いかなる理由であれ、反社会的勢力であることが判明した場合には資金提供や不適切・異例な取引を行わないこと。
とまぁ、このように、思いっきり「反社会的勢力」と関係を持たないよう定めている。

多くの銀行は、この種の問題融資を大なり小なり抱えているとされる。こうした案件は、みずほ銀行の前身である旧第一勧業銀行ではマル特、旧富士銀行では特対と呼ばれていて、経営トップには必ず報告が上がり、例えば、今回のように、暴力団組員らへの融資は、特定の支店に集中するのを避け、全国各地に分散させるなど、金融庁検査にひっかからないように処理されることもあるそうだ。

今回発覚した問題取引は、系列信販会社オリエントコーポレーションなどが仲介する提携ローンで、自動車の購入費用などを融資したというもの。取引、件数は230件、融資額は2億円超に上っているという。当時の担当役員は、2年以上前から反社会的勢力との取引があったことを知りながら具体的な対応をとらず、頭取ら経営トップにも事実関係を報告していなかった。本当にそんなことがあるのか。

みずほ銀行は、この件について、金融庁から指摘されても、担当役員だったOBへの聞き取りなど本格的な調査をしていなかったし、業務改善命令が出されても、直ぐに記者会見を開かず、11月4日になるまで、一週間近くも「放置」した。これでは、みずほ銀行全体が隠蔽体質なのではないかと見られ兼ねない。

しかも、問題融資を把握していた当時の担当役員は、コンプライアンス担当だったという。一体何の冗談なのか。

10月4日の記者会見で、岡部副頭取は、問題融資の発覚を受け、みずほ銀行との取引を控える取引先企業が出ていることを明らかにしているけれど、コンプライアンスがしっかりしている企業ほど、みずほ銀行との取引を控えるようになる。

反社会的勢力を排除できない企業は、自分自身が周りから反社会的勢力と見做されてしまうことを忘れてはいけない。




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この記事へのコメント

  • sdi

    他の銀行との取引が窮屈になってきて比較的寛容なみずほ銀行系のローン会社に其の手の顧客が集まってきた、という構図なんでしょうか。担当役員はなにかネタを掴まれていてわざと対策しなかった可能性高いですね。
    体調不良とのこと、どうかお大事に。
    2015年08月10日 15:22

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