昨日のエントリーの続きですけれども、簡単に…

安倍総理の靖国参拝について、各国の反応はちらほら出てきた。
昨日のエントリーでは詳しく取り上げなかったけれど、韓国はいつものように大反発。政界やメディアは対日批判一色となった。12月26日、韓国政府は国家安全保障政策調整会議を開き、今後の対日外交について協議、更に、来年1月に開催を目指して調整していた次官級戦略対話や局長級の安保対話も凍結される見込み。
韓国大手紙の朝鮮日報は27日付の社説で、「『これまでの日本』はもう存在せず、海の向こうの『新しい日本』が頭をもたげつつある」とし、韓国内の知日派として知られる世宗研究所の陳昌洙氏は「今後(安倍政権が続くと予想される)3年間の両国関係は厳しいだろう。…安倍政権が続く限り、日韓関係の改善は不可能」との諦め、あるいは絶望が、韓国内に拡がっているという。
一方、中国は、口での激しい批判と裏腹に抑制的。27日、中国当局は北京の日本大使館や各地の総領事館付近での警備を強化し、当面は、抗議の動きが暴動などに発展しないよう社会の安定を優先し、大規模な抗議活動は容認しない方針でいるようだ。事実、北京の大使館前ではネット上でデモの予告があったものの、数人が個別に抗議しただけ。ある意味、気味悪いくらい統制がとれている。
これら中韓の反応に対して、冷静な目でみているのがロシア。ロシア国営ラジオ局の「ロシアの声」は、モスクワ国際関係大学のドミートリイ・ストレリツォフ氏のコメントで「中国の台頭、それに伴う米国との同盟関係強化という流れの中に、今回の靖国参拝を位置づけることも可能だ。中国が尖閣諸島を含む地域に防空識別圏を設定したことは、日本には敵対的措置、挑発的行為と受け止められている。今回の参拝を中国への一種の返答と見ることも出来る」とし、既に日中関係は。もう悪くなりようがないくらい悪くなっているから、今回の一件で日中関係が悪化することは考えにくいと指摘している。
一方、韓国については、 「韓国の方が状況が複雑かもしれない。一種のねじれがある。というのも、安倍内閣は韓国との関係を深め、ソウル・東京・ワシントンという三角形を結んで中国の台頭とバランスさせることを目標に置いているのだ。韓国の側がもし日本との政治・軍事的協力関係の深化に重きを置いているならば、今回の一件にそう大きな意味をもたせることはしないであろう」とコメントしている。
だけど、韓国の反発具合を見ていると、"日本との政治・軍事的協力関係の深化に重きを置いている"のかどうかについては不安を覚える。反日に拘泥し、自国の安全保障について冷静に答えを出すことができなければ、亡国への階段を上ることになる。
また、アメリカ紙のNYタイムズは、27日付の社説で、「日本の危険なナショナリズム」と題して批判しながらも、中国や韓国が日本に圧力を加えていることが、安倍首相に靖国参拝の「ライセンス(口実)」を与えたと指摘。中韓首脳に安倍首相と会談するよう促している。
更に、アメリカ政府に対して、「日本の軍事的冒険は、米国の支持があって初めて可能となる。安倍氏の目指すものが地域の利益にならないことを明確に示すべきだ」と求めている。
アメリカ政府はというと、26日、国務省のサキ報道官が、在日米大使館が発表した声明と同じく、「日本は大切な同盟国だが、日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに米国政府は失望している」と批判する談話を発表している。
在日米大使館の声明については、昨日のエントリーで触れたから繰り返さないけれど、アメリカは、内政干渉にならないように配慮しつつ、極東アジアの一層の不安定化への懸念を表明した。
先のNYタイムズの記事では、「日本の軍事的冒険は、米国の支持があって初めて可能となる」と指摘しているけれど、アメリカは既に、日本の集団的自衛権行使を支持している。
集団的自衛権は、その名のとおり、"自衛"する権利。日本がそれを行使するということは、これまで国を守るために戦って亡くなられた英霊も認めなければ筋が通らない。日本は高々200年や300年前に出来上がった国じゃない。戦後も戦前も、それ以前の遥かな昔からの歴史を背負っている。それをアメリカが理解しているかどうか。
靖国に祀られている英霊は、断じてテロリストなどではない。大東亜戦争は、戦時法に基づいて行なわれた軍隊同士の戦いだった。もしも、彼らをテロリストというのなら、東京大空襲や広島長崎の原爆投下によって民間人を虐殺したアメリカ兵もテロリストになる。
おそらく中国は、アメリカに対して、靖国はA級戦犯を祭ったものだ、と猛烈なロビー活動をかけて、日米離間を仕掛けてくると思う。だから、尚の事、英霊とテロリストの違いを理解させられるかどうかが鍵になると見る。
12月27日、菅官房長官は、各国の日本大使館に対し、参拝に関する首相の談話を各言語に翻訳して発信するよう指示したことを明らかにし、「不戦の誓いのために全力を尽くすという首相の参拝の趣旨を粘り強く説明する」と、理解を得るために努力する考えを述べた。
だけど、何万遍説明したところで、中韓は永遠に理解することはないだろう。表向きは。けれども、少なくとも、中韓以外の国々に対しては、英霊はテロリストではないのだということをきちんと理解させない限り、この問題はいつまでも続く。
そしてこれは、A級戦犯が東京裁判で「
※コメント欄で柾様から、A級戦犯は"人道に対する罪"ではなく、"平和に対する罪"だとご指摘いただきました。お詫びして訂正いたします。柾様、御指摘ありがとうございました。
安倍政権にとっても、ここからの舵取りは容易ではない。安倍総理は、国を護るが故の上り坂を選択した。
この記事へのコメント
白なまず
ジョナサン・ケイナーの星占いから
http://www.cainer.com/japan/
【天王星と冥王星のスクエア 】
今年は「最後までハラハラさせられる出来事」が何度か起こりましたが、2014年 はそんな出来事がもっと起こりそうです。現在、天王星と冥王星がスクエア(直角)を形成するという、めったにない星位が7回に渡り起こっていますが、今、 私たちはその真っ只中にいます。前回この星位が起こったのは約80年前のことになります。現在進行中の「天王星と冥王星のスクエア」は2012年6月に端を発するのですが、今回は普通よりもその星位が形成される回数が多くなっています。 星々は、私たちの生活を管理している機関(金融や政治など)に欠点があることを教え諭(さと)そうとしているのです。まるで星々は、私たちがそのことに気づくまで、その星位を形成し続けることを決心しているかのようです。
opera
ここなんですね。
少し言い方を変えると、極東地域でのアメリカのプレゼンスが低下して、日本がその肩代わりをする=日本が自立するということは、ある意味で戦前の状況への回帰です。したがって、その過程で必然的に東京裁判史観(日本が野心を持たなければ戦争は起きなかった云々)に抵触し、その見直しが進むだろうことをアメリカのリベラル派はどの程度理解しているのか。また、問題は靖国だけでなく、慰安婦、南京事件等あらゆる問題に及ぶでしょうし、(政治上は別にしても)歴史的な観点からは、東京裁判自体の正当性が問われることにもなるでしょう。
NYT紙は「日本の軍事的冒険は、米国の支持があって初めて可能となる」などと上から目線で言っていますが、中国が侵略してこない限り、日本側が軍事力を行使する理由も実益もありません。これが尖閣諸島への自衛隊の配備を意味するなら、緊急性がある自国領土の国防力強化の何が問題なのだと反論されたら、どう答えるつもり
ちび・むぎ・みみ・はな
しかし, 日本を占領下にとどめておきたい米国としては
これから日本に対する圧力を高めてくるだろう.
安倍首相は米国の保守勢力と対話を行なっていく必要がある.
なぜなら, 米国保守も現在は必ずしも安倍首相を
支持していないだろうが, 対話を進めれば, 結局は
安倍首相の路線が風前のともし火である米国保守の回復に
重要であることが分かるであろうから.
ななし
TPP交渉に喜び勇んで参加表明した安倍に、
日本を守るつもりなど毛頭ありません。
何故いまだに交渉を抜け出さないのでしょう。
交渉を抜け出すどころか、聖域を譲歩しようとしてる。
譲歩するなら聖域でも何でもない。最初から何も守る気はなかった。
日中韓投資協定で中韓に内国民待遇、最恵国待遇、
ISD条項を与えてます。今年度中にも発効の可能性があります。
このような行為が売国以外の何なのでしょうか。
アメリカにも中国にも韓国にも、全力で国を売り渡しているのが安倍。
そうでないというのなら、これらの行動をどう説明するのでしょうか。
プチ農
柾
いわゆる「A級戦犯」の名目は「人道に対する罪」ではなく「平和に対する罪」です。名目「人道に対する罪」はA級ではなくC級。
日比野