安倍総理靖国神社参拝す

 
今日は、もうこの話題しかないですね。

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12月26日午前、安倍総理が靖国神社を参拝した。首相による靖国参拝は平成18年8月の小泉純一郎元総理以来、7年4カ月ぶり。

安倍総理は、玉串料3万円を私費で支払い、玄関ホールにあたる到着殿で「内閣総理大臣 安倍晋三」と記帳し、本殿前には首相名で花も添えられた。堂々と総理としての参拝を行った。

この日は丁度、再登板した安倍総理の総理就任1周年に当たる日なのだけれど、昨年12月に、総理就任翌日の27日に靖国に「電撃参拝」することが計画されていたのだけれど、総理周辺の慎重論が強く見送った経緯がある。

安倍総理は第1次政権時代に参拝しなかったことについて、「痛恨の極み」として、再登板後は国際情勢などを慎重に見極めながら参拝のタイミングを探っていたのだけれど、就任1年後に参拝したことで、なんとか自らの言葉通りに約束を果たしたとみていいと思われる。

安倍総理は、10月半ばに周囲に「年内に必ず参拝する」とし、参拝前日の25日夜には、「痛恨の極みとまで言った以上、その発言は重い。戦略的にも考えている」と周囲に語ったという。

まぁ、これが戦略的といえるのかどうか分からないけれど、参院選勝利、消費増税、オリンピック招致、特定秘密保護法、辺野古移設、来年度予算案、と大きな政治イシューを次々と片づけた今というタイミングでの参拝は、確かに政治課題への影響を最小にするという意味では戦略的かもしれない。



安倍総理は参拝にあたり「恒久平和への誓い」と題した談話を英訳とともに発表している。談話の全文はこちらに公開されているけれど、英訳を準備していたというのは、周辺国への説明を行うことを想定していることを意味するから、今回の参拝には、それなりの準備と判断があるものと思われる。

実際、安倍総理は、本殿での参拝のほか、敷地内にある「鎮霊社」にも現職総理として初めて参拝している。鎮霊社は靖国神社に合祀されていない戦没者らを慰霊するために1965年に建てられたもので、外国人も祭られている。それにも参拝したことで、「恒久平和への誓い」談話のとおり、不戦の誓いのための参拝であるという意思表示する意図もあったと思う。

だから、今回の参拝は、表向きには電撃参拝の形を取っているけれど、周到な準備のもと極秘裏に進められたものだともいえる。事実、安倍総理の参拝方針は菅官房長官らごく少数の側近にのみ伝達されただけで、官邸内でも「年内参拝はない」という見方が強まっていたという。実際、毎日新聞は、前日に「年内見送り」と誤報するなど、赤っ恥をかいている。

安倍総理の参拝については、靖国神社にさえ、当日26日の午前7時になってその意向を伝え、続いて与党幹部やアメリカ、中国、韓国などの関係国にも連絡し、本当に直前まで外部に漏らさなかった。これはこれで評価していいと思う。

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さて、安倍総理の靖国参拝についての国内の反応なのだけれど、「中韓の反発は必至だ」と変わり映えのしないいつものテンプレ批判をする国内マスコミはさておき、yahooが「安倍首相の靖国神社参拝は妥当?」というネットアンケートを実施している。それによると、27日0時30分現在の段階で、投票は16万件を超え、その83%以上が妥当だと回答している。また、安倍総理のfacebookでも、総理自身の参拝報告に短時間で3万件超の「いいね!」が寄せられている。(27日0時30分現在は47000件超

また、周辺国の反応はというと、いつもの中韓と在日アメリカ大使館の「失望」声明以外、今の所、特に目立った抗議声明は出ていない。

韓国は26日、「慨嘆と怒りを禁じ得ない」と非難する声明を発表。韓国政府報道官として劉震竜文化体育観光相が「近隣国と国際社会の憂慮と警告にもかかわらず、戦犯を合祀している靖国神社を参拝したことは誤った歴史認識をあらわにし、日韓関係、北東アジアの安定と協力を根本から傷つける時代錯誤的な行為だ」と述べている。

また、中国も、同じく26日、外交部の秦剛報道官が、非難の談話を発表している。その談話の全文はこちらにあるのだけれど、そこでは、「人民の感情を傷つけた」、「A級戦犯」、「第二次世界大戦の結果の国際秩序に挑戦」と激しく批判している。

では、7年前の小泉総理の靖国参拝の時、中国は何をいっていたかというと、「侵略戦争受害国人民感情」「靖国神社供奉的二戦甲級戦犯」「是在挑戦国際正義、践踏人類良知」と、実は、今回と殆ど同じ批判をしていた。違うのは2013年の日本の動きを批判するのを付け加えただけ。

この小泉元総理の参拝当時の中国の批判について、有名ブログであった「日々是チナオチ」では、「強烈抗議」というほどには気合が入ってない、と軽く受け流している。

だから、もし、日々是チナオチ殿が御存命であれば、おそらく、今回の安倍総理の参拝に対する中国の非難談話についても、同じ見解を示されるのではないかと思う。



最後のアメリカの反応についてなのだけれど、マスコミは、26日、在日アメリカ大使館が、「近隣諸国との関係を悪化させる行動を取ったことに、米国政府は失望している。…米国は、首相の過去への反省と日本の平和への決意を再確認する表現に注目する」とする声明を出したと報じている。

原文はこちらにあるのだけれど、これを読む限り、アメリカが失望したのは「近隣諸国との緊張を悪化させるような行動」であり、靖国参拝そのものについて批判はしていない。まぁ、そんなことをいえば、内政干渉にあたる可能性が出てくるから、巧みにそれを避けたのだと思われる。

だけど、緊張を悪化させる行動といっても、そもそも悪化させているのは中韓の方。彼らが勝手に反応して、勝手に悪化させているのであって、別に日本から会談拒否なんかして関係を悪化させている訳じゃない。

現に中国の非難談話(声明ではないらしい)でも「人民の感情を傷つけた」、「A級戦犯」、「国際秩序に挑戦」と、客観的な法的根拠に基づくものじゃない。強いて言えば、日本が今の国際秩序に挑戦する気なのかどうかが懸念事項になるかどうかくらいだけれど、それゆえに、在日アメリカ大使館は「安陪総理の過去の反省についての表現が重要であり、日本が再度平和への関与を強く誓った点が重要だ」との声明になっているのではないかと思う。

安倍総理は、自民党インターネット番組で「さまざまな誤解があるのも事実であり、特に近年、その誤解がだいぶ増幅をされてまいりました。ですから、むしろこの機に、黙ってそれをやり過ごすのではなくて、しっかりと説明していくことによって、誤解を解いていきたいと思います」とアメリカを「説得」する意向を示している。

これは穿った見方かもしれないとは思うけれど、筆者は、今回の靖国参拝で、アメリカに対する安倍総理のメッセージがあるのだとすると、それは、もしかしたら、先般の中国の防空識別圏設定でヘタれたアメリカへの楔というか警告の意味合いもあるのかもしれないと思ったりしている。

つまり、アメリカが日本やアジアを捨てるというのなら、日本は、自分の国は自分で守るように行動しますよという意思表示を靖国参拝で示したのではないかということ。

果たして、安倍総理がアメリカに、どんな説得をしていくのかは分からないけれど、今後の動向は要注目だと思われる。

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この記事へのコメント

  • ななし

    各国から非難を受けてるわけですが、内政干渉には屈しないと言うのなら、
    なぜ8/15に参拝しなかったのか。
    本当に英霊のことを思うのなら、政権発足一周年記念日ではなく、
    終戦記念日に参拝すべきでしょう。
    英霊の記念日より自分の記念日が大事なのか。

    「恒久平和への誓い」も思いつきを言ってるようにしか思えない。
    集団的自衛権行使は、憲法改正という国民の信を問う過程を経て
    実現すべきもの。国民が兵となり、時には命をも失うのだから。
    その集団的自衛権行使を、民意を無視し、独断で行なおうという人間が
    何を白々しく平和云々言ってるのか。

    さらに注意して読めばわかるが、安倍は「靖国参拝が戦犯を崇拝する」もの
    であることを決して否定していない。
    村山談話も河野談話も踏襲したのだから、そうでしょうね。
    そんな人間が靖国参拝するのは英霊の侮辱としか思えない。

    腹の中では、英霊を支持率向上に利用することをせせら笑っていた
    に違いない。
    2015年08月10日 15:21
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    国際的な意味は分からないが,
    国内的な意味は明らかだと思う.
    安倍首相はTPPや消費税増と言った政策により
    反自由主義の立場にある保守層の失望を買っている.
    靖國参拝はこれらの層に大きな満足を与える.
    これからも支那様のNHKや真っ赤な(嘘の)朝日,
    毎日(が嘘の)新聞が全面対決を仕掛けてくるだろうが,
    今回の靖國参拝により保守層の安倍首相への信頼が増し,
    団結して首相を応援していくことになろう.

    しかし, 個人的には, こんな当たり前のことを
    新聞の第一面で伝える必要もないと思うのだが,
    やはり大事件なのだろうか.
    2015年08月10日 15:21
  • ナポレオン・ソロ

    亦、この事跡の直前に起こった、韓国政府による「日本への批判」は、南スーダン駐留中の韓国軍からの国連と日本自衛隊に対する「銃弾不足、補充要請」に日本は素直に応えたまでなのに、その事を韓国政府が、「知らず、抗議した」ことによって生じたものである。
      
     オソラク、「不足した銃弾の補充を日本に求めた」事が、それに日本がすかさず応えた事が、従来の韓国軍と日本の自衛隊の関係、相互の認識を示しているといえましょう。 すると、朴政権、韓国政府が言う「日本の集団的自衛権は認められない」という立場と真逆という事になる。この不手際は、純粋に韓国内部の問題であり、日本に何ら責任がある話ではない事は明らかでしょう。

     驚く事に、この事象を俯瞰するに、「少なくとも韓国軍は、日本が主張する日本の集団的自衛権を当てにしている」事は明らかであるから、政府の態度とは、本来真逆であるという事になる。 政府と軍で友軍の解釈が真逆というのでは、極東の平和を預かる日本として、如何なる態度をとればよかったのだろうか、分からなくなろう。

     この先極東の軍事的緊張状態が深化するにつれ、「旗幟を鮮明にする」事が求められよう。
    2015年08月10日 15:21
  • ABC

    君は左翼だろ
    2015年08月10日 15:21
  • ス内パー

    今回の件は終戦記念日関連及び例大祭関連を注意深く避け、己の総理就任一周年に参拝したというのが大きいですね。
    今後靖国神社を第二次世界大戦絡みのカードではなく誓いの場とする意思を込めてるかと。
    ちょうど初詣直前、お参りは自分勝手な願い事を祈る場ではなく誓いを立てて見守ってほしいと祈る場であることを元皇族の竹田さんとかが説明する時期だけにその辺説明する人が現れないのが不思議だなぁと思わなくもなく。
    2015年08月10日 15:21
  • 朱鷺池

    漢族のルールを世界に認知させるまで、決してあきらめまい。
    どうあれ・・・。
    2015年08月10日 15:21
  • opera

    今年はやむを得ないと思いますが、靖国参拝を非政治化して天皇陛下がご親拝できる環境にするのが保守系政治家の本分と考える立場からは、来年からは靖国神社の祭礼に合わせて、淡々と参拝して頂きたいと思います。

     アメリカの反応は、米民主党・国務省間に強固な親中・反日ラインがあることを考えればこの程度は想定の範囲内ですが、より深刻な問題は(日本ではほとんど報道されていませんが)オバマ政権が中間選挙を待たずにオバマケアのgdgd等で早くもレームダック化しつつあるという現実です。また、シリア問題でも明らかになったように、オバマ大統領自身の外交に対する意欲の低下は危険なレベルに達しています。つまり、好むと好まざるとに関わらず、対中問題は(日米同盟を担保にしつつも)日本主導で行なわざる得ない状況になりつつあるということです。

     この状況で安倍政権に望むことは「くれぐれも政策の優先順位を間違えるな」ということです。例えば「憲法改正」ですら、政治的条件が整えば2・3ヶ月もあれば可能でしょうが、96条の改正だけならそれによってとくに何も変わりません。
     他方、防衛力の増強は、今直ちに決断しても実現するのは
    2015年08月10日 15:21

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