父親の名にすがる朴槿恵大統領
今日はこの話題です。
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12月20日、韓国国防省の報道官は、北朝鮮の国防委員会が19日に韓国軍との直通の電話回線を通して大統領府宛てに通知文を送ってきたことを明らかにした。
それによると、北朝鮮は、17日にソウルで保守系の団体が行った北朝鮮への抗議行動で、金正恩第1書記らの顔写真を貼り付けた人形に火を付けるパフォーマンスが行われたことに反発。「最高指導者への挑発を繰り返すなら、予告なしに容赦のない報復を行う」と通告したという。韓国国防省は、「挑発が行われれば断固として報復する」と警告したようだ。
韓国が人形に顔写真を貼り付けて、燃やしたりする抗議パフォーマンスも、北朝鮮の"無慈悲な攻撃"通告も、いつもどおりといえば、そうなのだけれど、今回は北朝鮮側に、張成沢氏と関係者の処刑及び粛清というファクターが絡んでる。
周辺国では、北朝鮮は金正恩第1書記への求心力を高めるため対外的にも緊張高める可能性があるとみる向きもあり、警戒感が高まっている。
ここにきて、韓国メディアから朴槿恵大統領への批判が目立つようになってきた。その理由のひとつとして、鳴り物入りで売り出していた「朴外交」が裏目となり、行き詰りの様相を呈してきたことが挙げられる。
朴槿恵大統領は、昨年末の大統領選で、公約の中に外交政策として、「三大基調」と「七大政策課題」を挙げていた。中でも、「七大政策課題」の最初の四つは北朝鮮関連で、北朝鮮の核開発に対して韓国側も抑止力として軍備体制を増強するとしながら、経済・人道・公共領域での交流拡大を図り、経済共同体の建設という「小さな統一」と実現した上で、将来、政治統合までを含めた「大きな統一」へつなげるプロセスを掲げていた。
朴槿恵大統領は就任直後から「中国重視」のサインを示していた。当選後の「四カ国」在韓大使との面会順は、これまでの「米日中ロ」の順から「米中日ロ」と中国を繰り上げ、最初の特使を中国へ派遣している。また、朴大統領の朴氏の外交ブレーンの一人、韓碩煕(ハン・ソクヒ)延世大学教授は、米中との「等距離外交論」を唱えていて、それに従って、朴大統領も、米韓同盟に偏らない「均衡外交」を進めていた。
その「均衡外交」では、中国と友好関係を結ぶことで、北朝鮮に圧力をかけ、抑えて貰おうという狙いがあったとされている。だけど、その北朝鮮は、先日の張成沢氏と関係者の粛清を行い、中国の圧力に限界があるのではないかという疑念を生み、中国自身にも例の防空識別圏問題で、相手にもしてもらえなかった。
そして、アメリカとの関係でも、「アメリカの『反対側に賭ける』ような行動は好ましくない」と、バイデン副大統領に思いっきり釘をさされ、更に、追い打ちを掛けるように、日本の集団的自衛権行使に賛成の意を表明されてしまった。
韓国は、「反日」にうつつを抜かしている間に、孤立してしまった。
こうした現状に韓国メディアもその姿勢を転換させ、日本との関係改善を表だって論じるようになってきた。12月16日、韓国日報は、「防空識別圏問題で軍事衝突の可能性が高まり、張成沢を処刑した北朝鮮がいつ暴発するかわからない状況では、両国の断交はどちらにも得にならない」との社説を掲載し、東亜日報も17日付の社説で、「狂暴な金正恩第1書記に核兵器を握らせてはならない」と、日本を含めた各国との協力を主張している。
中でも、中央日報は16日の社説「朴槿恵大統領は答えを知っている」の社説で、40年前の朴正熙大統領の駒の動かし方を見直すべきだとし、「自主国防の意志を明確にすること」、「韓米同盟に依存し過ぎないようにしながら、巻き添えを喰わないように外交手腕を駆使すべき」「日本との協力も拒むな」との3点を挙げている。
果たして、韓国メディアが、父親の名を出せば朴槿恵大統領も方針を転換してくれると期待したのか、それとも、朴正熙でなければ、この事態は乗り切れないと思ったのかどうかは分からない。だけど、少なくとも、今の朴槿恵大統領では、韓国自身が危ういと感じていることは確か。
だけど、朴槿恵大統領は、父親の判断や行動ではなく、その"名"に縋ることで危機から逃れようとしている。
最近の韓国では、朴正煕を「神格化」するような動きが相次いでいるという。朴正煕氏の側近だった金鍾泌元首相が国会を訪れ、「朴正煕大統領は正しい政治を行った。食べるものもないのに何が民主主義か、何が自由か」と賛辞を送り、10月にソウル市内で開催された朴正煕の慰霊ミサでは、十字架の代わりに朴正煕氏の遺影が掲げられ、牧師が「韓国には独裁が必要だ」と説教し、話題となった。
朴槿恵大統領は、こうしたムードにあやかって、最近の施政演説でも「漢江の奇跡」の再現を訴え、朴正煕時代の地域開発運動「セマウル運動」の復活も表明している。更には、大徳研究開発特区など「父親ゆかり」の施設への訪問も目立っているという。
だけど、ムードに頼って、つかの間の支持を得ることができたとしても、何もしなければ、何も変わらない。今後、朴槿恵大統領が日本との関係改善を含む外交方針の大転換に乗り出さない限り、韓国の危機が深刻さを増すばかり。
また、朴正煕を神格化する韓国国民の感情が、朴槿恵大統領への失望へと変わらないとも限らない。12月7日にはソウルで1万人規模の「朴槿恵アウト(退陣)」デモがあり、「大統領失格」の声は日に日に高まっている。
朴槿恵大統領にもう少しの"リアリズム"があれば、ここまで酷いことにはならなかったように思うのだけれど、朴槿恵大統領が1年かけて、韓国に何を齎したのかと問われれば、自らの大統領の地位のみならず、韓国という国家の危機ではなかったか。
この記事へのコメント
白なまず
ちび・むぎ・みみ・はな
これによれば, 支那様のNHKや真っ赤な(嘘の)朝日
毎日(が嘘の)新聞の狙いが単なる半島びいきでは
ないのかも知れない.
日本の嫌韓は当然のことと思うが, その挙げ句に
南半島が潰れれば北半島が全体を統一する
と言うことになるのだろう.
何のことはない,
昔のロシアとソ連が北半島に代わっただけだ.
渡辺哲也が(韓国の)民主党の中で30議員が前科を
持つと述べている理由と, その危機感が分かる
ような気がする.
我々は伊藤博文の目を取り戻し, 親半島ではなく
冷静に日本の安全保障を考えるべきなのだろう.
almanos