今日はこの話題です。

少し前の話になるけれど、11月8日、衆参両院の本会議で、12機関29人の国会同意人事案が与党などの賛成多数で可決した。
その中には、NHK経営委員会委員の人事も含まれており、新たに作家の百田尚樹氏、哲学者で評論家の長谷川三千子氏、海陽学園海陽中等教育学校長の中島尚正氏、日本たばこ産業顧問の本田勝彦氏の4人が選ばれた。
NHK経営委員会委員の人事については、「沈没するフジテレビと危機のNHK」のエントリーで触れたことがあるけれど、これら4名は安倍総理に近いとされる人物。
ある元NHK理事は「かつて自民党に近い財界人が経営委員に選ばれたことはあるが、首相カラーの強い経営委員はこれまでなかったのではないか。…官邸が原発や沖縄の問題を取り上げたNHKのドキュメンタリー番組に不満があるとは漏れ聞いていたが……」と述べたという。
実は、今年の6月にも同じく、5名のNHK経営委員が任命(再任2名、信任3名)されているのだけれど、今回信任された4人は安倍総理に近いということで、批判の声もあった。同意人事の際には、民主党は首相に近い識者が選ばれていることを理由に反対し、共産、社民両党は再任を含む5人全員に反対、生活の党は百田、本田、長谷川3氏に反対した。一方、日本維新の会とみんなの党は賛成している。
今回の経営委員会人事が注目されているのは、来年1月24日に1期目の任期を迎える、松本正之NHK会長の後任人事が絡んでいるから。
現NHK会長の松本氏は、元JR東海の副会長であり、JR東海会長である葛西敬之氏とは上司と部下の関係だった。ところが、葛西氏は、「原発報道など、NHKは偏向している」として松本NHK会長に色々と注文をしていたのだけれど、松本NHK会長はこれを拒否。それ以来、両者の中は冷え込んでいるとも伝えられていて、政府・与党や財界には交代の声が強まっているとも囁かれているし、一説には、次期NHK会長は民間から経済人を起用する方向で調整が進められていると見られている。
NHK会長は、経営委員12人のうち9人の賛成がないと就任できないことになっているから、たった4人が反対するだけでアウト。だから、その意味では、経営委員の4人はNHK会長任命の鍵を握っているとも言える。
従って、次期NHK会長は安倍総理に近い人が推されるだろうと推測することができるし、そのような報道も為されている。
それを受けてか、経営委員会は、次期NHK会長人事に向けて、松本NHK会長と新人候補による一騎打ちを想定した内規を作っているようだ。人選の手順を定めた内規の運用は今回初めてだそうで、それによると、委員全員が推薦権を持ち、複数の新人が推薦された場合は多数決で1人に絞り、さらに現職と多数決で1人を選び、最終的に9人以上の賛成で議決するという。
果たして、次期NHK会長が松本氏の再任なのか、新しい会長になるのかは分からないけれど、今の松本会長の経営方針は「バランス」重視だとされている。
昨年10月から受信料の7%値下げを実行する一方で、営業活動を強化し、NHK受信契約数を増加させ、2013年11月時点で過去最高の3849万件を達成。受信料値下げにもかかわらず180億円の黒字を確保している。
更には、今春、職員の基本賃金を5年間で10%引き下げる給与制度改革にも着手し、番組制作でも現場に自由に任せた福地茂雄前会長時代より引き締め、職員の不祥事には厳罰主義で望んでいる。
つまり、松本会長は、それなりに一定の「実績」を出しているともいえるのだけれど、先に述べた、偏向報道への批判や、異常なまでの高コスト体質に対する取り組みが甘いと政財界から見られているのが、松本氏の交代論へと繋がっているようだ。
ゆえに、次の後任人事では、NHKを大改革させられると目される人物が推される可能性が高いと思う。
今、ネットで、12月2日の衆議院総務委員会で、三宅博議員が質疑に立った動画が話題になっている。見ていただければ分かるけれど、三宅議員は、NHKの高コスト体質から、偏向報道から、厳しい質問を次々と浴びせ、「NHKを解体することが日本のためだ」と断じている。
動画の評価は非常に高く、「言いたいこと全て言ってくれた」とか、「感動した」などの声が圧倒的。外の人はそのようにNHKを見ているということ。
今回の同意人事での新しい経営委員4人の顔ぶれを見て、NHK関係者は「国営放送にしようとしているのか」との怒りの声を上げたそうだけれど、国民がNHKを見る視線は、ずっとはるかに厳しい。
少なくとも、三宅議員の質疑に対するきちんとした答えと実績を示さない限り、国民は「シナ様のNHK」より、「アベ様のNHK」の方を選ぶだろう。
この記事へのコメント
しょうちゃんのつぶやき
国民から高い視聴料をもぎ取るNHKが放送法に違反する反日・捏造報道を乱発しながら存在していることこそナンセンスです。
ネットを見ない田舎の年寄りはNHKは常に正しいことを報道していると信じています。即刻解体して国営放送局をつくるべきでしょう。
ちび・むぎ・みみ・はな
中野剛史の保守論でも, 渡辺・田村の最近の本でも
議論に上がっている. 駄目なリーダはすぐにバランスを
言い募り, 何かと言うとルール作りをやりたがる.
バランスとルールー作りの果てにあるのが官僚主義であり
大きな政府であることは中野剛史が解き明かしている.
自分で責任をとれる新しい人の登場を待ち望みたい.
武士道への回帰と言っても良いかも知れない.
十七条の憲法, 五箇条の御誓文, 教育勅語, そして
武士道があれば日本は世界のリーダになれる.
もっとも, 聖徳太子=蘇我馬子(+歴代蘇我氏)だと
思っているが.