昨日のエントリーの続きです。
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1月15日から、ラジオNIKKEIのニュース番組「マーケットプレス」で、「東京都知事にふさわしいのは誰?」というアンケートを行なっている。下馬評通り、舛添氏が有利なのかと思いきや、意外にも、田母神氏がダントツの1位に輝いている。
1月18日22:30現在、総投票数17556票のうち、田母神氏が14903票と実に84.89%もの支持を集め、他候補を圧倒している。
ただ、1月19日21:00現在では、総投票数28270票で"何故か"ドクター・中松氏が10012票と35.42%の支持を集めているけれど、
前日までは1%足らずの得票しかなかった。田母神氏は19日21:00現在で16141票と1200票くらいの増加であることからみても、ドクター中松氏への投票が僅か1日で一万票近く増加するというのは明らかに異常。このアンケートは、1月18日にWEBニュースで取り上げられているから、その影響で、投票傾向が変わってしまった可能性も考えられる。従ってこのエントリーでは1月18日22:30時点のデータを元にして考えてみることにしたい。
「マーケットプレス」は、ラジオNIKKEI第1放送で2013年4月1日から生放送している株式市況のラジオ番組で、東証の現物市況のほか、為替、金・大豆などの商品先物取引、デリバティブ取引や企業の最新情報を解説している。
投票総数1万7千を超えるアンケートで田母神氏がダントツという結果は、巷でいわれている舛添氏と細川氏の一騎打ちとは大分違う。実際のところはどうなっているのか。
まぁ、もちろん、「マーケットプレス」という株式市況のラジオ番組を聞くくらいだから、そのリスナーは個人投資家が多くを占めているものと思われる。今現在、日本の個人投資家数がどれくらいいるかの正確なところは分からないけれど、日本証券業界が公表している全国証券会社の顧客口座数情報を見ると、平成25年7~9月分の最新版で、個人口座は、2135万4074口座となっている。
ただ、株式は勝ち組1割とも言われ、個人で開設した口座の9割は休眠口座になるとも言われている。少し古い話になるけれど、松井証券社長の松井道夫氏は2008年年頭の挨拶で、次のように述べている。
2008年 年頭のご挨拶松井証券の顧客70万人というのは2008年のデータだけれど、今はどうなっているかというと、2013年12月現在で、松井証券の口座数は92万698口座と6年経って3割増えた程度。
《前略》
ところで、この数年でオンライン証券会社の口座数は急増し、松井証券においても70万を超えました。しかしながら、見た目の口座数ほどには個人投資家層の裾野は広がっておりません。
松井証券の株式委託売買代金を顧客の月間約定件数ワイズで分類してみると、月間約定件数が100回(一日5回以上)を超える超アクティブ・トレーダーの売買代金は、全体売買代金の40%~50%を占めています。
そして、この超アクティブ・トレーダーは、松井証券の顧客70万人のうち5,000人程度(すなわち1%以下)に過ぎないのです。日本におけるオンライン取引口座数は累計で1200万口座を突破したとも言われていますが、重複分を考慮すれば、とてもオンライン証券会社がリテール分野を制覇したなどと言える状況ではありませんし、また、実際には売買の大宗を生み出しているのはこれらの超アクティブ・トレーダーです。
その数は業界全体で10万人にも満たないのではないかと推測しています。
《後略》
「松井証券 2008年 年頭のご挨拶」より抜粋引用
松井証券社長が指摘する超アクティブ・トレーダーの割合が1%以下という割合が今でも大差なく、また他の証券会社でも同じだとすると、全国の証券会社で2135万ある個人口座のうち、超アクティブ・トレーダーはその1%、つまり21万人程度ということになる。
勿論、個人投資家には、超アクティブではないにしても「ちょっとアクティブ」くらいな投資家もいる筈だから、それを含めるともっと人数が多くなると思うけれど、勝ち組1割といわれていることを考えると、せいぜい1割か2割。つまり、現実に投資行動をする休眠でない投資家は全国で200万人から400万人くらいではないかと思う。
また、「マーケットプレス」を聞いて、かつアンケートにも答えるという「アクティブ」なリスナーも、同じく全体の1%程度だと仮定すると、「マーケットプレス」を聞いている全リスナーは、17000/0.01=170万人くらいということになる。これは、先の証券口座数から見積もった個人投資家の数に近い。
これらのことから、「マーケットプレス」のアンケートのは、人数にしておおよそ170万人から400万人くらいの個人投資をする人達の意識調査の結果ではないかと思われる。
だけど、この170万人から400万人というのは、日本の有権者総数1億478万人と比べると割合にして、わずか1.6%~3.8%。だから、田母神氏がダントツで支持を集めたといっても、それは、有権者全体の3%かそこらの人の話で、しかも彼らは個人投資家という社会動向にアンテナを張り巡らせている人達。従って、この結果をもって、都知事選で田母神氏が勝利すると見るのは気が早すぎるのではないかと思う。
実際、自民党は、田母神氏は元より、細川氏に対しても俄然強気。官邸関係者によると、1月第2週に、ある報道機関が都民数百人を対象に世論調査を行った結果、舛添氏支持38パーセント、細川氏支持が16パーセントという結果になったのだという。
もちろん、僅か数百人を対象とした世論調査だから、それなりの誤差はあると思うけれど、流石に「マーケットプレス」のアンケートに応える人達程には偏っていないだろうと思われる。それに支持率でダブルスコアがついてしまっていては、多少誤差があったところで、それを埋めるのは如何ともしがたい。
やはり、現時点では、舛添氏が有利であり、田母神氏の当選は厳しいと思う。だけど、田母神氏は、「マーケットプレス」のリスナーという、いわゆる特定のセグメントからの支持があることは明らかになった。
今後、田母神氏がツイッターなどの情報ツールを活用を含めた選挙戦で、どこまで支持を伸ばしてくるのか。注目したい。
この記事へのコメント
白なまず
【東京都知事選 田母神氏の発言に中国の軍事専門家らが反論 「中国の海・空軍力は日本より強い!」】
http://military38.com/archives/35783661.html
通りすがり
投票自体の信憑性を落とそう
とする工作なんでしょうね。
泣き虫ウンモ
正面突破できない政治家の泣きどころ。
政治的能力の低さを、自ら露呈するかたちになっていますね。
都内自営業者
ナポレオン・ソロ
田母神さんのダントツは「消去法でそうなった」、つまり、他の3氏は端から評価されていない事が明白と言う事を、都民は確認した事になろう。 すると対抗馬は、ドクター中松しかいないワケで(笑)。
そういう話なら、安心できるんですがね。