今日は極々簡単に…
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1月15日午前8時頃、広島県沖の瀬戸内海で、 海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と釣り船客を乗せたプレジャーボート「とびうお」が衝突し、プレジャーボートが転覆。乗っていた男性4人のうち2人が死亡する事件があった。亡くなられた方のご冥福を祈りたい。
第6管区海上保安本部の調査によると、「おおすみ」の左舷中央後部や釣り船に衝突の跡らしきものを確認したそうだから、「とびうお」が「おおすみ」の左のどてっ腹にぶつかったことになる。
船舶の衝突防止については、海上衝突予防法で、次のように定められている。
(追越し船)と、規定されている。
第十三条 追越し船は、この法律の他の規定にかかわらず、追い越される船舶を確実に追い越し、かつ、その船舶から十分に遠ざかるまでその船舶の進路を避けなければならない。
(行会い船)
第十四条 二隻の動力船が真向かい又はほとんど真向かいに行き会う場合において衝突するおそれがあるときは、各動力船は、互いに他の動力船の左げん側を通過することができるようにそれぞれ針路を右に転じなければならない。
(横切り船)
第十五条 二隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該他の動力船の進路を避けなければならない。この場合において、他の動力船の進路を避けなければならない動力船は、やむを得ない場合を除き、当該他の動力船の船首方向を横切つてはならない。
事故原因など詳しい状況については、調査を進めているところだけれど、「おおすみ」側と「とびうお」側の双方の証言が食い違っていることもあり、真相解明にはもう少し時間がかかるものと思われる。それでも、2隻が並走していたことだけは間違いないようだ。
先の海上衝突予防法は、その名のとおり、衝突を予防するための方法を定めたものだから、追い越しとか、対向とか、横切りとか、衝突の危険が高い操船についての規則はあっても、通常衝突することはない並走の場合の規定はない。
だけど、今回の衝突は、船体の大きさが全然違うもの同士の衝突。全長178m、排水量8900tの大型艦である「おおすみ」に対して、小型プレジャーボート「とびうお」は全長約7.6メートル、幅約2.3メートルで、総重量は5tにも満たない。
テレビのニュースでは、「おおすみ」が衝突前に蛇行しただの、急旋回しただのと報道しているようだけれど、そもそも「おおすみ」のような大型艦にそんな急な旋回ができるわけがない。
通常、大型船の最小旋回半径は700~800mあると言われているのだけれど、船舶の建造時の性能基準として、舵を切ってから船首が向きを変え始めるまでに進む距離は、船の全長の2.5倍以内である事が目安になっているという。「おおすみ」の場合に当てはめると、舵を切ってから、旋回を始めるまでに450mくらいは進む計算になる。
因みに大型船は全速前進中に旋回しても、側面にうける水の抵抗が激しく、転舵角の大小に関らず旋回半径は殆ど変わらないのだそうだ。だから、面舵一杯にしても、旋回半径が小さくなるわけでもなく、また旋回を始めるまで400mくらい進むことを考えると、小型船の方が回避行動を取ったほうが衝突の危険はずっと小さかった筈。それ以前に大型船に小型船が近づくほうがどうかしてる。いくら、瀬戸内海でも、そんなに接近しないと通れないほど狭い海ではない。
また、「おおすみ」がS字航行をしたのは、目の前を貨物船が横切ったからだという説もあるようなのだけれど、そんな貨物船はなかったという証言もあり、はっきりしたことは分からない。
まぁ、真相は調査が進むにつれて明らかになっていくだろうけれど、「とびうお」は以前にも衝突時事故を起こしていたという"噂"もある。現時点の情報を元にすると、今回の衝突に関していえば、「とびうお」側の不注意の側面の方が強いのではないかと思う。
この記事へのコメント
甘い隙間風
ス内パー
正直ショベルカーで書初めするより難易度高い操舵をこの船でやれるなら自衛隊の全ての船で同じ真似ができるでしょうから海上自衛隊は魚雷を発射音聞いてからT字旋回してかわす赤い彗星のような海軍ということになります。
とびうお側が事実を話しているなら旧日本軍最強コピペみたいなことになりますねこれw
オールドセイラー
sdi
亡くなられた方の遺族の方々はお気の毒と思いますが、救命胴衣を着けていれば助かった命も有ったかも知れないと思うと、やはり規制の強化や義務化が必要かもしれませんね。
泣き虫ウンモ
自分が釣り船の船長だったら、即座に逃げますけどね。
ここの海域は、そういう軍艦が行き交うところでありましょう。
知らないでは、済まされないですね。
交通事故に例えていいのかどうか分かりませんが、過失相殺ではすまないでしょうね。