今日はこの話題です。

2月14日、衆院予算委員会で、籾井NHK会長はNHKに在籍する外国籍職員は22人で、全体の0.2%程度だと答えた。
これは、日本維新の会の三宅博衆院議員からの質問に答えたもので、籾井会長は、国籍を理由とした差別的な取り扱いは、職業安定法で禁止されているため、職員募集時には国籍不問としていると説明している。
質問した三宅議員は昨年12月3日の総務委員会で、当時、NHKの会長だった松本氏を厳しく追及して話題になっていたけれど、その時にもNHKに外国籍職員は何人いるかを問うていた。その時のNHKは「国別に正確に把握しておりません」と何とも情けない答弁だったのだけれど、今回は、流石に、前もって調べてきたのか、或いは質問の事前通告を受けて慌てて揃えたのか、すっと答えている。
この答えに対し、三宅議員は、日本国籍を取得した元外国人は相当数いるんじゃないのか、その中には、中国やその他の国からの密命を帯びた工作員もいるんじゃないのか、と述べた上で、「ごく少数の確信犯によって巨大組織が牛耳られるのはよくあること」と指摘した。
これはそのとおり。特に、番組制作に関わる部門のトップにそうした人物がいると、必然的に番組もそうなってしまう。
これについて、籾井会長は、局内のそうしたサヨク局員を人事で一掃しようとしているという噂もある。現役のNHK職員が「会長に就任した籾井さんは、極端に“左寄り”の局員の情報を寄こすよう、局の幹部に言っていると聞きました。6月の人事で、報道から“左寄り”の人を外したいということなんでしょう」と話したとしている。
筆者は、昨年12月6日の「NHKは誰のためにあるか」のエントリーで、NHK会長の後任人事では、NHKを大改革させられると目される人物が推される可能性が高いと述べたけれど、本当にそうなっているかもしれない。
質疑では、三宅議員から、2009年4月5日放送のNHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー」で台湾を侮辱した問題で名誉棄損で訴えられ、敗訴した件などを取り上げ、NHKが反日放送ばかりしていると追及していた。
籾井会長は、先日から騒ぎになっている、"耳が聞こえなかった"作曲家・佐村河内氏を「NHKスペシャル」で紹介した問題について、13日の記者会見で「結果として騙され、本人が作曲していないことに気づかなかった。真実と違う放送になってしまったことを視聴者におわびする」と陳謝し、なぜ騙されたのかの検証番組について、何らかの形でやる必要があると思うと述べているけれど、台湾を侮辱した「JAPANデビュー」についても同様に検証する必要があるのではないか。
少なくとも、敗訴するような番組が「公平中立」だとはお世辞にもいえない。だから、籾井会長が放送法に従って、公平な番組を作るというのであれば、そうした番組については、検証番組を作ってしかるべきだと思う。そうした、マスコミが自ら自己批判をするようになると、視聴者の印象もかなり変わってくるだろう。
無論、どこの組織でもそうだけれど、何某かの「改革」をやろうとすると、当然それに対する反発も出てくる。NHKの内部では、籾井会長を疎ましく思っている職員が少なからずいるようで、民主党の小西洋之議員は、「私の知り合いのNHK職員の方々(記者、番組制作)から、NHK籾井会長を何とかして欲しいとの声が寄せられています」と自らツイートしている。
2月13日の衆院予算委員会では、籾井会長は、結いの党の井出庸生議員から、例の就任記者会見での発言について、質問されていたけれど、井出議員が元NHK職員だったことを考えると、籾井会長を何とかして欲しいと思っているNHK職員らから、何らかの依頼があったのかもしれない。
ただ、籾井会長の国会での答弁の態度を見ていると、ふてぶてしいというか、肚が据わってるというか、全然動じてない。
去年4月のエントリー「NHKに告ぐ。我々は許さない。我々は忘れない。待っていろ!」で、筆者は、衆議院予算委員会で石田研一NHK放送局長が質疑されたことを取り上げているけれど、そこでの石田氏が自民党鬼木議員の厳しい追及に涙目になっていたのと比べると、実に対照的。やはり、商社上がりの人だけに、切った張ったのやりとりには慣れているのかもしれない。
結いの党の井出議員の質疑では、籾井会長は、ひたすら、放送法に従って対応すると答えている。それに対して、井出議員は、「そんなことは信じられない」と繰り返すばかりで水掛論になっていた。
井出議員は、それでは埒が開かないとみたのか、そのあとで、NHK経営委員である百田委員の発言がどうだとか、NHKに問い合わせされている意見の大半が籾井会長に対する批判ばかりだとか、色々と口撃してがみるのだけれど、籾井会長は、放送法に従うと正論一本に構えて微動だにしない。まぁ、剣道に譬えるならば、正眼の構えをピタリと決めているようなもの。
井出議員は、籾井会長の周囲をぐるぐる回っては「やぁやぁ」と挑発はするのだけれど、籾井会長には打ちこむ隙がない。そんな印象を受ける。少なくとも、籾井会長は、小技でポイントを稼ぐようなタイプには見えない。
だから、おそらく、こういうタイプの人の剣は一撃必殺になる。あたかも、木刀で骨を砕くが如き、"剛の剣"になるのではないかとさえ。
実際問題、NHK内の"反日分子"を人事で一掃だなんて、ちょっとやそっとの小技でできるものじゃない。籾井会長が本当にそれをやってのけたとしたら、その渾身の一撃にNHKの局員は震え上がるのではないかと思われる。
果たして、噂の通り、籾井会長は6月に渾身の一撃を放つのか。
この記事へのコメント
sdi
どこかのニュースキャスターが「我々は、自民党が大嫌いで安倍政権は打倒すべきと考えている。だから、常に自民党を批判し安倍首相をあげつらい排斥する報道をします」と宣言したら、私はその番組を見るとこはないし彼らの意見に賛同することはないだろうが、潔いし中立を隠れ蓑している卑怯者達よりは敵として認めることはできると思っている(実際は、そんな現場にでくわしてみないとわからないでろうけど)現にブログやツィッターのプロフィールで自分の姿勢を明言している人はそれなりに存在しますしね。
ちび・むぎ・みみ・はな
> 同様に検証する必要があるのではないか。
控訴審があるからまだ無理ではないか.
almanos
泣き虫ウンモ
レジスタンスと表現していいほど、保守勢力の言論の自由は妨げられてきました。異常な感じがします。
本来は、普通に一般意見として受け入れらるはずのものが、受け入れられないという世の中自体が異常であり、それに気付かないような仕組みが存在するということですね。