今日はこの話題です。

2月16日、インドネシアを訪問中のケリー米国務長官は、ジャカルタの商業施設内にある文化センターで学生を前に講演し、「インドネシアが世界で最も気候変動の影響を受けている国の一つであることは明らかだ。…生活様式が危険にさらされていると言っても過言ではない」と述べ、アメリカが自国の核兵器の管理に万全を期すとしても、核兵器が武装勢力に渡ることを他国が防げなければ安全ではない、とした上で「気候変動も同様だ。…最も恐ろしい大量破壊兵器の可能性もある」と語った。
ケリー国務長官は、2010年5月、超党派で調整されていた排出量取引を含む法案(American Power Act)を、ジョゼフ・リーバーマン上院議員と共同提出(ケリー・リーバーマン法案)するなど、気候変動問題への熱心な取り組みで知られている。
ケリー・リーバーマン法案は、アメリカの温室効果ガス排出量を2020年までに2005年比で17%、2030年に42%、2050年までに80%削減する目標をブチ上げたまでは良かったのだけれど、法案は、審議に至らず、結局関連法案はすべて廃案となっている。
筆者は、地球温暖化については、懐疑的な立場でいるのだけれど、気候変動が社会や国家にとって大きな脅威となることについては同意する。それは、先日、日本列島を襲った大雪でも明らか。
大雪被害については、もう色んなところで報道されているけれど、特に山梨県の被害が大きい。積雪は甲府で114cmと観測史上最多を記録。家や車は雪で埋まり、鉄道や高速道路など、交通機関は完全に麻痺。避難所に辿りつけて、食料や寝床を確保できるのはまだ良い方で、車の中に閉じ込められたまま出られない人もいる。また、車を放置して徒歩で帰宅を試みた結果、死亡した人もでるなど、大変な被害が出ている。
特に、道路が寸断された影響で、物流がストップしており、山梨県丸ごとが"陸の孤島"化している。スーパーやコンビニは営業こそしているものの、商品を運ぶトラックが配送センターに辿り着けず多くの商品が補充できない状態で、食糧不足が深刻化している。
政府は17日に、亀岡政務官を団長とする調査団を派遣。山梨県の上空をヘリコプターでおよそ1時間半、視察したあと、県庁で山梨県の横内知事と今後の対応を協議している。亀岡政務官は「孤立している集落が多く、早急な支援態勢の構築が必要だと考えている。除雪の対応で国から経験豊富な職員を派遣するなど山梨を支援する態勢を取っていきたい」と話しているけれど、傍目からは政府の対応が遅いように見えなくもない。
だけど政府は14日の昼の段階で「大雪等の対応に係る関係省庁災害警戒会議」を開き、警戒態勢を取っていて、山梨県側も15日の11時20分に陸自に対して、災害派遣要請をしている。尤も、山梨県からの要請は、雪崩によって孤立した人の救助という局所的なものだったから、今回のように大規模に物流が麻痺するという、県丸ごとが「陸の孤島化」することを防ぐことにはならなかった。
もしかしたら、山梨県知事は、これほどの豪雪と被害が出るとは、予想していなかったのかもしれない。
災害対策本部というと、台風や地震なんかだと割と早く立ちあがるようなイメージがあるのだけれど、大雪についてはそうでなかったとすれば、雪による被害について、十分なイメージができていなかった可能性もある。これについては、今後の教訓とするしかないし、また、例えば、富士山が噴火して火山灰が積もったときなんかも、似たような状況になることも考えられるから、そちらの対策も今から考えておいても全然遅くはないだろう。特に物流がストップしたときにどう対応すべきかについては、綿密に対策をたてておく必要がある。
安倍政権は、国土強靭化の方針を打ち出し、インフラの更新をしようとしているけれど、単に老朽化したインフラの更新だけでなく、今回のような豪雪による物流の麻痺を解消するようなインフラ設計もあってよいように思う。
筆者は以前「ハイウェイトレイン構想」のエントリーで、高速の中央分離帯に新幹線を走らせるという構想があることを取り上げたことがあるけれど、例えば、中央分離帯を全部トンネル状のドームで覆ってやって、その中を列車を走らせるようにすればどうか。そうすれば、今回のような豪雪でも物流を確保して、陸の孤島化までは避けられると思うし、ドームの中に避難所や貨物駅を併設しておけば、雪で立ち往生した車に乗っている人も一時的にそこに避難できる。
更に、放置した車についても、後で、ハイウェイトレインの貨物車両にでも乗っけて、最寄のパーキングなり何なりに運んであげればいい。
エネルギーと物流の確保は、人が生きていく上での生命線。たとえ100年に一度の大雪であっても、イザそれが起こってしまったら、甚大な被害が発生する。やはり、それに対する備えはしておかなくちゃいけない。
今は、災害救助と復旧が第一だけれど、これを教訓として、更なる国土強靭化を望みたい。
この記事へのコメント
cooh
不可能だと考えます。新潟の除雪機械化部隊の援助のように地方ごとに得意な分野を活かし、展開を自衛隊などが支援するようなネットワークが必要ではないでしょうか。
白なまず
【米・英の政治家が言及し始めた異常気候】
http://www.y-asakawa.com/Message2014-1/14-message21.htm
ひふみ神示 第10巻 水の巻 第十三帖
http://hifumi.uresi.org/10.html
火と水と申してあろがな。火つづくぞ。雨つづくぞ。火の災(わざわい)あるぞ。水の災あるぞ。火のおかげあるぞ、水の災 気つけよ。火と水 入り乱れての災あるぞ、近ふなりたぞ。火と水の御恵みあるぞ。一度は神の事も大き声して云へん事あるぞ、それでも心配するでないぞ。富士晴れるぞ。家族幾人居ても金いらぬであろが。主人(あるぢ)どっしりと座りておれば治まっておろが。神国の型 残してあるのざぞ。国治めるに政治はいらぬぞ、経済いらぬぞ。神おろがめよ、神祭れよ、てんし様おろがめよ。何もかも皆神に捧げよ、神からいただけよ。神国
almanos
sdi
「あの」政権の政策がそれらの方々に「自分たちの前途に未来はない」と絶望させた、ということを示唆してないでしょうか。少なくとも我々日本の有権者は公共事業、土木業というものに間違った理解やイメージを持ち、間違った方向でそれらを一方的に削減する政策を掲げた人たちを賞賛してきた罪と責任を認めなくてはならないでしょう。そして、同じミスを繰り返すような愚行こそ絶対避けなくてはならいですね。
ezomac