日韓首脳会談は実現するか
更に昨日のエントリーのつづきです。このシリーズは、ひとまず今日で一区切りとさせていただきます。
ブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします。
日本政府が、3月に日韓首脳会談を開くよう韓国に打診する方針を固めたことが明らかになった。
これは、アメリカが、4月にオバマ大統領が日韓両国を訪問するまでの関係改善を求めていることを受けてのもので、3月24~25両日にオランダのハーグで開かれる「第3回核安全保障サミット」に、日韓両首脳が出席する見通しであることから、この機会を利用するとしている。
早速外務省は伊原純一アジア大洋州局長を2月18~19日にソウルに派遣し、韓国外務省の李相徳東北アジア局長らと会談を行うと発表。慰安婦問題などについて意見交換をし、日韓首脳会談の早期開催に向けた環境整備を進めるとしている。
菅官房長官も2月14日の記者会見で「日本側の対話のドアは常にオープンで、大局的観点から韓国との協力関係を構築すべく粘り強く協力していきたい」と述べている。
また、同じく14日、佐々江賢一郎駐米大使が、記者会見で、「ケリー氏が韓国側の努力を要請したのは適切だった。日韓それぞれの立場で関係改善をめざすことが重要だ」と述べているけれど、オバマ大統領が当初予定になかった韓国訪問を韓国側の強い要請に応える形で決めたのも、日本との関係改善が事実上の条件ではないか、という観測があり、日本政府は、「アメリカが求める日韓関係改善に朴槿恵大統領が歩み寄るのではないか」と見ているようだ。
この日本政府の構想にはアメリカは歓迎の意向を示している。2月14日、国務省のハーフ副報道官は「一般論として日韓関係の改善の動きは支持する。…日韓は米国に最も関係が近い同盟国であり、地域での協力を通じて連携を強化していきたい」と述べ、同じく、国務省高官も、「もし実現するなら素晴らしいことだ。日韓関係改善の一歩になり、歓迎する」とコメントしている。
勿論、今回の動きは、日本からアメリカへ「対話努力はしてますよ」というアピールの面もあるだろうけれど、2月13日に、アメリカのケリー国務長官が韓国の朴大統領、尹外相と会談した次の日に、素早くこうした動きを見せたことは、素早く先手を打ったともいえ、評価できる。
それに対して韓国は、会談をするのに条件をつける姿勢を崩さない。韓国政府関係者は16日、「日韓首脳会談に関連した、いかなる話し合いも行われていない。…首脳会談実現には、独島、慰安婦、歴史教科書など両国間で進展させなければならないさまざまな問題がある」と述べている。
韓国が日本に求めているのは「村山談話継承」に「河野談話継承」。そして「靖国不参拝」と「教科書への竹島領土明記方針の撤廃」などなど。要するに、現在日韓双方で主張が食い違っているものの殆ど全てといっていい。平たくいえば、自分が気に入らないものが一つでもあれば、断固拒否といっているに等しい。
2月14日、韓国外務省は在韓日本大使館の長尾参事官を呼んで、島根県の「竹島の日」式典の中止や、式典に亀岡偉民内閣府政務官を派遣することを止めるよう求め、「昨年に続き、今年もこのような挑発をするのは容認できない。強行するなら断固として対応する」とまで述べている。
まぁ、3月までに韓国に対して、外交メッセージを送るという意味では、竹島の日は一つのポイントになるといえる。仮に妥協して政務官派遣を取りやめるくらいまではできるかもしれないけれど、式典そのものの中止は難しいだろうし、ましてや教科書に竹島を固有の領土と明記する方針の撤回なんてのは無理過ぎる。
だから、実際問題として、日韓首脳会談が実現する可能性は低いと思う。
もしも、日韓首脳会談が実現せず、大した関係改善も出来ないまま、オバマ大統領が韓国にいって、一体何を話すのだろうか。元々、訪韓の予定がないところを無理矢理時間をいくのに大した中身もないというのは、ビジネスライクで成果を重視するオバマ大統領にとっては苦痛以外の何物でもないだろう。
一部では、レームダック化しているとも囁かれているオバマ大統領にとって、もしも4月のアジア歴訪で、大した外交成果が挙げられなかったら、その立場はより一層厳しいものとなる。勿論、日本など、韓国以外の国
とよろしくやって成果を上げておけばいいという考え方もあるのだけれど、これまでのエントリーで触れてきたように、北朝鮮をグリップできない限り、朝鮮半島は、アジアの火薬庫といってもいい状態にある。
去年12月に北朝鮮は、韓国に対して「予告なしに無慈悲を攻撃を行う」と言っていた。ついこの間まで、事実上の"宣戦布告"をしておきながら、今年になって、ころっと「挑発は止めよう」なんて怪しすぎる。
日本も半島有事が近いことをも想定して対策を進めていくべきではないかと思う。
この記事へのコメント
opera
もし韓国が、オバマ大統領訪問を契機として、米韓同盟堅持と中国・北朝鮮との対峙を宣言するなら、一応筋は通りますが、多分韓国はそのつもりは無いでしょうし、その空気も読めていないような気がします。
となると、オバマ大統領の訪問というアメリカ外交の切り札は、韓国を訪問先に含めてしまった時点で、半分以上は失敗が決定付けられてしまっている(中国に対するメッセージ性が弱くなる)ことになります。
結局のところ、これはアメリカ(第二期オバマ政権)外交の当初からのボタンの掛け違いに根本的な原因があり、その是正がまだほとんど進んでいないことの証明でしょう。
日本はオバマ大統領の訪問に多くを期待すべきではありませんし、日韓首脳会談等は、(一定のポーズは必
さるさびる
西暦3013年までに友好関係を築けると良いですね。
NW
言うべきことを言う、拒否すべきものは拒否するという今の対応が正しい。しかし、今までと変わった事で軋轢として表立ってきているだけだと想います。