都知事選の田母神票とネットの関係を解析する

 
今日も簡単に。…

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先の都知事選で、田母神氏が予想外に健闘したことがちょっと話題になっている。当初の各陣営の予想では、田母神氏はせいぜい30万票程度だろうとみていたらしいのだけれど、蓋を開けてみれば61万票と倍以上の票を集めた。

田母神陣営幹部は「30万票は堅い」と見ていたようなのだけれど、この結果に「負けた気がしない。戦後日本の欺瞞、偽善にうんざりしている人たちがこれだけいる。新しい政治勢力の誕生だ」と述べている。

また、社民党の吉田党首は、「20、30代の若い方々が田母神俊雄さんに投票している。ネットでも呼びかけている。かなり安倍晋三首相に考え方が近く、日本の右傾化、ナショナリズムの台頭を象徴しているのではないか。大変怖い気がする。ある意味で安倍政権の今の高い支持率と通じているところがある。」と警戒心を隠さない。

組織票のない田母神氏の得票については、いわゆる「ネトウヨ」の支持を集めたのだ、という指摘も一部にあるようなのだけれど、本当にそうなのか少し検討してみたい。

まず、年代別の投票行動についてなのだけれど、これについて評論家の古谷経衡氏が「若者は本当に田母神氏を支持したのか?」の記事の中で、投票率を加味しない「若者論」は無意味だと指摘している。

古谷氏は、この記事で、田母神氏の得票に占める各年代の割合を次のように試算している。
20代:16%
30代:24%
40代:22%
50代:14%
60代:11%
70代以上:11%
筆者は、「大雪と都知事選」のエントリーの記事で、田母神氏には、20代、30代の支持が高かったようだと述べたけれど、これについて、コメント欄でsdi様から「田母神氏に投票した人のなかで世代別得票数が一番多かったという意味であれば40代であり、20代、30代の人が一番投票したのが誰かという意味であれば、投票絶対数では桝添氏が一位になる」との指摘を頂いている。

筆者は、田母神氏に投票した人の中で年代別得票率でみると、20代と30代の割合の合計が3割に達していて、他候補のそれが15%そこそこであることを考えると、若年層の支持が異常に高いということを言いたかったのだけれど、sdi様の御指摘のとおり、誤解を招く表現であったので、お詫びして訂正させていただきたい。

さて、この古谷氏の年代別田母神票率について、ネットの影響を加味するために、これらに各年代別のネット利用率を掛けて調整してみる。年代別ネット利用率については総務省の「平成24年通信利用動向調査の結果」の値を使用して、古谷氏の試算を補正すると次のとおり。
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とまぁ、あまり差はでないのだけれど、30代以下で37%、40代以下だと59.3%となり、田母神支持層の6割は40代以下であるという結果となっている。古谷氏は、"ネトウヨ"は30代から40代が中心だと指摘しているけれど、巷で言われていた、田母神氏はネットからの支持が高いという説を傍証する結果ではある。

では、そのネットの影響がどれくらいあるのかというと、以前にも、何回か筆者が使っている、政治ブログがネットブログ全体に占める割合を再度算出してみる。

ネットブログランキングでtop100のブログを各カテゴリ別に分類し、週のランキングからサイトへのクリック数(週刊OUT)数をカテゴリ別に集計して円グラフにすると次のとおり。

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これをみても分かるとおり、ネットブログに占める政治ブログの割合は21%となっている。これは、先に試算した年代別田母神票の割合で20代から40代が、大体15%から22%となっていることと不思議と一致している。

勿論、政治ブログといっても、その中には右から左まであって、100%田母神氏支持なんてことは有り得ないし、また、50代以上でもネットを使う人がいることを割り引いても、ネットで政治ブログを観る人の多くが田母神氏支持に流れた可能性はあると思われる。

また、今回、特筆すべきは、政治ブログを観る人の割合が増えていることが挙げられるかもしれない。これまで何回かこの種の集計をしているけれど、政治ブログの割合は大体15%足らずだった。それが今回20%を超えてきた。

まぁ、ブログの半分は芸能人とペットでのブログである傾向は変わらないのだけれど、今回は芸能人ブログへのアクセス割合が減って、その分政治ブログのアクセスに変わっている。(ペットは安定して15%程度)。

これは、都知事選が終わった直後だからなのか、それともネット選挙解禁の影響なのか、まだちょっとよく分からないけれど、少なくとも、ここ1ヶ月は、政治ブログがこれまでより観られるようになっている。この傾向がこれからも続いていくのか注目したい。




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