今日は、この話題です。…

2月8日、都心が20年振りとなる記録的大雪に見舞われた。気象庁は8日午前、13年ぶりに東京23区に大雪警報を発表するなど、大変な大雪。
巷では、雪だるま職人が大挙して出没するなど、ちょっとした賑わいをみせたようだ。
だけど、そんな小さな賑わいとは別にマクロでみると、今回の大雪は、事故や交通機関の乱れなど、都心に暮らす人々に大きな影響を与えた。
朝日新聞の8日午後9時現在のまとめでは、東日本の1都9県で少なくとも309人が負傷。転倒して骨折する高齢者も続出した。
交通機関も麻痺。日本航空は、羽田空港発着を中心に国内線304便、国際線3便が欠航。全日空も羽田空港を中心に国内線274便、国際線2便が欠航するなど、計11万人以上に影響が出たようだ。
JRや私鉄のダイヤも大きく混乱。東海道新幹線も大きく遅れ、21万2千人に影響。東北、上越、長野の各新幹線や在来線でも遅れや運休が相次ぎ、東武鉄道や小田急電鉄、西武鉄道でも特急を運休した。更に、新東名高速道路や長野道は全線で、中央道、圏央道などでも一部区間で通行止めとなった。
当然、この大雪は、都知事選の投票率にも影響した。投票率は46.15%と前回の62.6%に対して16.45ポイント低くなった。政治評論家の浅川博忠氏は「これだけの雪だと投票率は見込みより最大10%低下する」と指摘していたけれど、それ以上の低下という結果。
投票率が低くなると、組織票があるほうが有利になるとは良く言われることだけど、都知事選は、案の定というか、前評判どおりというか、舛添氏がゼロ打ちで当確を決めた。得票数は、24時30分現在で、210万票超と全体の43.6%を集めての圧勝。
巷では、大雪で投票率が低下し、組織票が大きく影響したという見方から、天は舛添に味方した、とかいう声も上がっていた。酷いのになると、今回の大雪は、交通機関を乱し都内を混乱させ、投票率を低下させる陰謀だ、なんてトンデモまで飛び出している。
だけど、大雪に天意を汲み取るのであれば、筆者は、「災害時の対応とエネルギーをよくよく考えよ」という警告だと思う。
雪国では20センチの積雪なんて大したものではないと思うけれど、都心では、これくらいの雪でも大騒ぎ。欠航やダイヤの遅れなど物流が麻痺してしまう現実が顕わになった。だから、天は、東京のインフラを災害に対して、どう強化していくかということを考える機会を与えたと捉えることもできるのではないかと思う。
去年の8月、「桜島の大噴火と火山灰の影響について」のエントリーで、火山灰の影響について述べたことがあるけれど、もしも、富士山が噴火して都心に10センチ単位で火山灰が積もってしまったら、その被害と混乱は今回の大雪の比ではなくなる。
火山灰も積もると、雪かきならぬ、"灰かき"をしなければならないのだけれど、雪と違って溶けないから、集めた灰はきちんと集めて、ゴミに出さないといけない。万が一、側溝に流してしまったら、水を吸ったら最後、ベタベタになって直ぐに詰まってしまう。もちろん、道端に寄せておいたって、溶けてなくなってくれない。だから、大雪後の状態が何日も続くと見た方がいい。それを考えると、東京の災害への備えをもっと考えるべきだということを、今回の大雪で思った都民もいたのではないか。
また、エネルギーだってそう。今回の大雪で物流が大きく麻痺したけれど、それで、都内で凍えて死ぬ人が大勢出ることはなかった。勿論、オフィスや各家庭にエアコンが完備されていて、外にさえ出なければ、暖かく過ごすことが出来た。
それは、都内にくまなく電力網が張り巡らされているからで、東京のような大都市において、電気が与える恩恵は計り知れない。もちろん、石油ストーブやファンヒーターといった、電気以外の暖房器具でも暖を取ることはできるけれど、石油なんかは、備蓄を使い切ったらそれで終わり。その後は凍えるしかない。
だけど、電気は大雪だろうが大嵐だろうが、供給される。無論、今回の大雪で、一部停電したところもあったようだけれど、東京全部が真っ暗になることはなかったし、停電も数時間で復旧してる。これもインフラの下支えがあってのこそなのだけれど、物流に頼ったエネルギー供給と、電線を通じて供給されるエネルギーとでは、やはり後者が安定していることは否定できないだろう。
だから、都市にとって、電力の確保は本当に真剣に考えなくちゃいけないことだと思う。
今回の都知事選では、原発即時撤廃を訴えた、宇都宮、細川両候補が揃って敗れたから、都民は原発ゼロにノーを突きつけたことになる。細川陣営は、反原発の戦いはこれからだ、なんて息巻いているけれど、昨年の参院選に続いて、またしても原発ゼロを否定されたことを考えると、今後は大分厳しいのではないか。
一方、安倍政権にとっては、首長選であるにも関わらず、わざわざ原発政策をぶち上げて、負けてくれたのだから、原発再稼働に弾みがつく可能性も出てきた。
最後に、田母神氏についてだけれど、結果は4位。ただ、最初、泡沫候補だったところ、4大候補の一角を占めるところにまで支持を集めたことは、今後に繋がる可能性はある。特に20代、30代の支持が高かったようだから、若い無党派層の支持を取り込みたいと各政党が考えるなら、田母神氏にアプローチを掛けてくることもあるかもしれない。
さて、晴れて都知事に選出された舛添氏が如何なる手腕を見せるのか。
この記事へのコメント
sdi
この言葉、二通りの解釈がありますがどちらで使っておられますか?
「田母神氏に投票した人のなかで20代、30代の人が一番多かった」
「20代、30代の人が一番投票したのが田母神氏だった」
TVの報道の数値を基に概算値を出した方がおられますが、その方の分析では前者なら割合ではどうやら40代が一位のようです。ただ、一位の桝添氏との差が一番小さかったのは20代ですね。他は最低でも倍の開きがあります。後者でいうなら、各世代とも投票絶対数では桝添氏が一位です。
選管からの正式発表は4、5ヶ月後になりますが分析速報をだしてくれた型のサイトです(www.jgnn.net/ls/2014/02/201429.html)。
田母神氏の支持者(維新の支持者というよりはこちらのほうが、実態にふさわしいと思いますので)の人たちのこれからの課題は、無党派層に指示をどうひろげていくかでしょう。コアな支持層だけでは、まず勝目がないことは今回の選挙でもあきらかです。例え大雪がなく、投票率かったとしても大勢はさほどかわらなかったのではないでしょうか。あと、20代、30代の有
mony
どうなることやら。
almanos