籾井NHK会長国会参考人招致について

  
今日は、極極々簡単に…

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1月31日、NHKの籾井会長が衆院予算委員会に参考人として招致された。

民主党の原口議員が質問に立ち、籾井会長が、就任記者会見で話した特定秘密保護法に関する報道について「通ったので、もう言ってもしょうがない」と述べたことについて、放送法に反しているのではないのかと問うたのだけれど、それに対して籾井会長は「個人の見解だ」と述べ、NHKの番組については、放送法に則り、個人の見解を番組に反映させることはない、ときっぱり答えたのだけれど、原口議員は、NHK番組の最終的な編集権を会長が持っている以上、反映しないわけがないと追及していた。

要するに、原口議員は、籾井会長がNHKの番組の内容を籾井会長の個人的見解に基づいて、好き勝手にするのではないかと言いたいようだ。

だけど、籾井会長はこの1月に就任したばかり、その編集権を発揮する機会すら碌に与えられていない段階。この段階で、好き勝手にやるのではないか、と追及するからには、それなりの証拠がないといけないと思うのだけれど、原口議員が持ち出してきたのは、籾井会長が、就任記者会見。しかも本人が個人的見解だとしたものをその証拠としている。

もしも、籾井会長が、今後、個人的見解に基づいた内容の放送ばかりしかしないのであれば、それは公私の区別を付けられないということであり、原口議員の指摘は正しいということになるのだけれど、今の段階では唯の推測の域を出ず、原口議員のいう通りだと言える人は誰もいないだろう。

予算委員会で、籾井会長は、中立性を保つ放送とはどういうものかについて、詳しく言及しなかったけれど、就任前の去年、週刊文春の取材を受け、「NHKに限らず、テレビの報道は皆おかしいですよ。例えば、『反対!』っていう人ばかり映して、『住民が反対している』と。じゃあ何人デモに来ていたか、というのを言わない。僕は言うべきだと思っている。賛成と反対があるならイーブンにやりなさい。安倍さんが言っているのはそういうことですよ。何も、左がかっているから右にしろと言っているわけではないと僕は理解しています」と述べている。

籾井会長は、定性的だけなく、定量的な報道もすべしといっている。筆者はこの態度が放送法に反しているとは思えないし思わない。むしろ、こういう態度こそ必要だと考えている。

籾井会長がこういう編集方針を持ってNHK番組を作っていくのなら、誰が見たってそうだと分かるし、誤解の余地がない。

ネットでは、既存マスコミが「報道しない自由」を行使していると、当たり前のように言われているけれど、籾井NHKが、先に述べたような、賛成と反対をイーブンかつ定量的な報道をやり始めたら、マスコミが本当に「報道しない自由」を行使しているのかが明らかいなるし、それがまた同時に、他放送局に対するNHKの差別化を生み出すことになるだろう。

だから、原口議員が、籾井会長の考えは放送法に反している云々といっているけれど、その答えは数か月もすれば、誰の目にもはっきり分かるようになると思うし、籾井会長も、「これが放送法に基づいた"公平"な放送というのだ」、というところを見せつけてやればいいだけの話だと思う。



今、マスコミ各社の大多数が全力を挙げて、籾井会長を叩きまくっている。例えば、毎日新聞は、2月2日、「NHK会長:国会招致、3日は衆院予算委」を書いているのだけれど、社説でもないのに「理解しがたい発言を連発」とか「問題点の正確な認識を疑わせる発言も出た」といった文言が入っている。

この「○○しがたい~」だとか「××を疑わせる~」といった表現は、第三者的で、いかにも中立であるかのような書き方なのだけれど、そうであるならば、籾井会長ではないけれど、誰が、何人といった定量的データも一緒に記載しなければ、信頼性に欠ける。それは何のデータに基づいた結論であるのかを示せなけば、客観表現を使うべきじゃない。

この記事では、そういった、"誰が"問題点の正確な認識を疑ったのか、"何人"が理解しがたかったのかについては、全く述べていない。だから、この"正確な認識を疑い"、"理解しがたかった"のは、この記事をかいた記者だけだったということだって十分あり得る。

もしも、そうであるならば、「○○しがたい~」なんて中立を装った物言いではなくて、「記者個人はそう受け取った」という風に書くべきだし、社説でない一般記事にそう書くのであれば、それが社としての見解なのかそうでないのかを明記しないといけない。でなければ、定量的な判断ができない。

従って、筆者の見るところ、厳密には、この記事に、"中立性"があるとは言い難い。そんな中立性を欠いたまま、籾井会長を叩くのであれば、それは、同人誌・ミニコミ誌ですべきであって、公共性・公益性の任を負うマスメディアの場でやるべきじゃない。

ついでにいえば、この記事の下に関連記事があるのだけれど、その見出しは次のとおりで、籾井叩きの記事ばかり。
【「誤解と迷惑」陳謝】籾井氏、衆院予算委で答弁 辞任は否定
<31日の衆院予算委では>「私見は取り消した」一本やり メモ差し入れに失笑も
<どんな発言だった?>NHK籾井勝人新会長が就任会見
<経営委に任命責任、けじめを求める声くすぶり>NHK経営委、籾井氏進退問題に踏み込まず
これだけみると、世間の全てが籾井会長の発言を問題視しているかのように見えるのだけれど、産経新聞は「『籾井氏の発言は間違っていない』 『慰安婦の真実』国民運動、公開書簡を提出」という記事を掲載し、籾井会長の発言に支持の声もあることを伝えている。

中立の報道をするのであれば、こうした記事も関連記事の一つくらいに差し込んでおくべきではないかと思う。

結局のところ、籾井会長がNHK番組を、賛成と反対をイーブンかつ定量的な番組にするだけで、それは今のマスコミにとっては、革命であり、既存マスコミの姿勢を多いに問い直すことになると思う。




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この記事へのコメント

  • たまや

    (1)籾井発言を「大問題」と捉え、社説で叩いている新聞
    朝日、毎日、中日/東京、北海道、中国、西日本、名寄、秋田魁、茨城、神奈川、信濃毎日、新潟、京都、神戸、愛媛、高知、熊本日日、宮崎日日、南日本、沖縄タイムス

    (2)籾井発言を支持、もしくは内容は支持だが丁寧に…という新聞
    産経、読売

    「中立」という点に自社もやましいところがあるのでしょう、琉球新報が社説で叩いていないところが面白い。

    とはいえ、NHKを擁護するなんて愚の骨頂。みんなの党・佐藤議員の追及にもありましたが、NHKの経営そのものは杜撰の一言に尽きる。手当を含んだ一般社員の「平均」給与が1400万円/年を超えていて、痴漢で逮捕されようが経費を流用しようがその高額給料をもらい続けられる企業・組織は常識では考えられません。
    2015年08月10日 15:21
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 兎に角, 支那様のNHK, 余りにデマゴーグが激しい.

    NHKの本質的な問題点は中立・公正でないと言う点.

    今後, NHKの経営構造が籾井会長非難の道具となる.
    NHK職員が経営問題をリークして新聞が騒ぐ.
    これは第一次安倍内閣を年金騒動で攻撃したのと
    同じである. 自分でやっておいて攻撃する.
    これが売国利権屋が普遍的に用いる戦術.
    2015年08月10日 15:21
  • almanos

    インタビューで例えば「賛成」「反対」「どちらでもない」をそれぞれ何件で代表はこんな感じとやられたら違いが際立ってしまいますからね。要するに誘導の為のインタビューとアンケートが使えなくなる。後、ご指摘通り個人がときちんと言われると朝日なんかコメンテーターが使えなくなります。要するに世界標準の報道をされたら、サヨクの牙城であったマスゴミは「砂の城」として崩壊するとわかりきっているからこそでしょうね。視聴者にきちんとデータを提示した報道をされたら恣意的誘導の為の報道は「あ、これならNHKにしよ」となって壊滅的になる。そうならない為にはサヨクを降ろして変えるしか無い。実はNHKが本当に中立の報道をしたら「サヨクマスゴミな民放」は経営の為に「サヨク処分」をしないといけなくなる。これこそが一番恐れているんで無いかと。氏家氏なんか特に。サヨクを切って方針転換すれば生き残れるとなれば、その実例があればそうなる。だから実例ができない様に躍起になっているんでしょうね。
    2015年08月10日 15:21

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