今日は、諸般の事情で極々簡単に…

3月25日、ようやくなのか、とうとうなのか、オランダ・ハーグで、日米韓首脳会談が行われた。公式の会談としては、朴大統領と初顔合わせとなる安倍総理は、付け焼刃ながら「朴槿恵大統領にお会いでき光栄」と韓国語で挨拶してそつのないところをみせたのだけれど、朴大統領は何の反応も示さずこれを無視した。前日にこれ見よがしに行われた、中韓首脳会談で魅せた和やかな笑顔とは実に対照的。
朴大統領はオバマ大統領、安倍総理が話す間もじっと下を向き、カメラマンが3氏に握手を求めても、応じなかったという。
筑波大学大学院の古田博司教授は、「韓国では無視が最大の侮辱。それは民族的な幼稚さの表れでもある。朴氏は反日の姿勢を取ることで、国内で自身に向けられる敵意を日本に向かせようとしている」とコメントしているけれど、筆者には、むしろ心ここに非ずというか、早くテレビカメラの前から姿を消したいという風にさえ見えた。
もしも、それが、何の手土産もなしに、会談に応じた自分の姿を、韓国国民に見られることを嫌ったとしたのなら、この会談を受けた時点で、ダメージを受けることが決まっていたということ。であれば、尚の事、なんらかの国益に資する会談にしなければならなかった筈なのだけれど、得意の"歴史認識"については、触れない約束になっていたようで、最大にして殆ど唯一の武器を封じられた状態での会談となった。
会談の内容については、外務省のサイトで公開されているのだけれど、45分間の会談の割には、中身が少し薄いような気がしなくもない。会談のテーマは北朝鮮問題と、日米韓3ヶ国の連携確認と、当初の予想通り。ただ、日本外務省のサイトだからなのか、会談でオバマ大統領や朴大統領がイニシアティブを発揮したようには全然見えない。
元々、今回の会談は、日韓双方とも、オバマ大統領の顔を立てる「義理」の会談だと見る向きが多かった。その上、韓国お得意の歴史認識を封じられたとあっては、あとはもう当たり障りのない内容でお茶を濁すしかない。まさに義理、儀式の会談となってしまったことは否めない。
だけど、そんな中、安倍総理がちゃっかりと、拉致問題を取り上げ、日朝政府間協議を再開する予定を伝えた上で、両首脳の理解を得ているところをみると、会談をリードしたのは安倍総理ではないのかという気がしなくもない。
安倍総理は、安倍首相は3ヶ国首脳会談後に10分間だけれど、オバマ大統領と日米会談をして、TPPの妥結交渉を加速させることで合意したという。更に付け加えるならば、安倍総理は、核保安サミット前日の23日に、「アンネ・フランクの家博物館」を訪問し、「アンネの日記」が破られた事件について「残念な出来事だった。二度と起こらないようにしていきたい」とマメなフォローもしている。
日本としては、オバマ大統領の顔も立て、前提条件をつけない韓国との会談の実現した。更には、日朝政府間協議を再開することについて両国の了解を得るというオマケつき。マイナスポイントが殆どない実に美味しい会談となったように見える。
これに対して、韓国の朴大統領は苦しくなった。日本から手土産なしで会談に臨み、手土産なしで会談を終えた。残ったのは安倍総理と会ったということだけ。
韓国紙の韓国時報は、20日の記事で、安倍総理の右傾化行為に対し、あからさまな不信感を訴え続けてきた朴大統領が日韓首脳会談を受け入れた時点で、日本に対する切り札を失っているとして、「日韓首脳会談が実現すれば、韓国の朴槿恵大統領は敗者に、日本の安倍晋三首相は勝者になる」と指摘している。
対日本となると、何故か身贔屓な記事を書く韓国メディアから、こうした指摘を受けるということは、他の国からも同様に思われている可能性は高い。従って、今後、韓国はいままでのような"告げ口"外交は段々と難しくなってくるだろう。
韓国・中央日報は、24日付の記事で、韓国はこれまでの「セールス」から「信頼」へと外交方針を転換すると述べている。日本からみれば、韓国から売られたのは「喧嘩」だけだったような記憶しかないのだけれど、韓国が日本以外の国にセールスしたのが、「日本の悪口」だったとしたら、そこから「信頼」へと方針転換するのは容易ではない。
その場は平然としているように見えたとしても、他人の悪口ばかり聞かされた人は、今度は、自分がいないところで、自分の悪口を言われるのではないかと疑心暗鬼になってしまうもの。他人の悪口ばかりいう人が信頼されるのは、結構難しい。
日米韓首脳会談を行ったことで外交の幅が広がった日本と、逆に狭まった韓国。韓国の反日キャンペーンに対する日本の反撃の転換点になることを期待している。
この記事へのコメント
日比野
>◇朴槿恵が「アベと会えない」理由
>http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140324/261645/
sdiさんも指摘していますけれども、やはり鈴置氏の分析は鋭いですよね。
>●韓国よさらば。
>http://kt-yh6494.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09-1
これ、最近、各所で注目を集めているブログですよね。私もチェックを入れているのですけれども、裏が取れない話ばかりで、ソースとしてはイマイチ使いにくいのですよねぇ(苦笑)。
けれども、情報の質は非常に高く、扱いは「チラ裏」ながら、内容はそれ以上のものがあると思いますし、operaさんが嵌るのも分かります。私も嵌ってますから(笑)
sdi
朴大統領の態度を見るにつけ、鈴置高史氏の「朴大統領は反日の目的は『安倍首相と会わない』こと」という分析は正しいのかな、と思いますね。「手段としての反日」が目的化したのではなく、最初から「日韓首脳会談を実施しない」のが目的という分析です。
まあ、日本としては、向こうが「会わない」というまなら「あ、そう。じゃあ首脳会談開かなくていいね」と返せば済むことです。
opera
◇朴槿恵が「アベと会えない」理由
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140324/261645/
ところが、日米韓の三国関係については、以下の(知る人ぞ知る)爆弾情報があって、仮にこの視点を加味すると、朴槿恵大統領の行動に全く別の意味を考えることも可能になりますね。
●韓国よさらば。
http://kt-yh6494.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09-1
※このブログは以前から知ってはいたのですが、詳細に読むようになったのは最近のことで、他のエントリーもかなり面白く(もちろん眉に唾をつけながらですが)ちょっと嵌っていますw