今日はこの話題です。

映画「KANO」が台湾で大ヒットしている。
日本統治時代の台湾から甲子園に出場し、準優勝した「嘉義農林学校」の活躍を描いたこの映画は、2月27日の公開以来、3月12日までの興行収入は1億5000万台湾ドル(約5億円)を突破し、今年公開された映画でトップを独走している。
「KANO」については以前「『KANO』と与一が結ぶ日台の絆 」のエントリーで取り上げたことがあるけれど、台湾メディアによると、映画を見た台湾プロ野球の周思齊選手は「泣いた!本当に有意義な映画だ。改めて野球について考えさせられ、闘志と元気が湧いてきた」と語り、劇中の「勝つと思うな、負けないことを考えろ」、「負けを恐れるな、勝つ方法を考えろ」などが感動を呼び、 名台詞としてインターネット上に拡大しているという。
一方、一部では、「日本による統治を美化している」と批判する声もあるようで、親中系の大手紙『中國時報』は、「台湾の主体性を侵食している」、「『セデック・バレ』を忘れたのか」などと、ネガティブ・キャンペーンを張っているようだ。
ただ、こちらの「台湾は日本の生命線!」ブログによると、3月12日、ネットに、作品を歴史改竄とし、政治色濃厚の内容だ批判した文章が発表されたのだけれど、たちまち全国からの批判に曝され、IPアドレスから、発信源が行政院研究発展考核委員会であることが突き止められ、一種のお笑いニュースになったそうだ。
また、「KANO」を監督した馬志翔氏は、これらの批判に対して、「(日本統治時代は)いいことも悪いこともたくさんあった。しかし、『KANO』が語るのは異なる民族が力を合わせ、共通の夢に向かって走ること。日本への反感、政治的な問題があったにせよ、野球少年が一緒に夢を追ったのは歴史の真実だ。私たちは当時の原点に戻り、少年が夢へ突き進む野球の映画を作りたかった」と説明。プロデューサーの魏徳聖氏も、「日本を美化したわけではない。悪く描かなかっただけだ」と一蹴している。
さて、その台湾だけれど、今、台湾国会が大変なことになっている。3月18日から、台湾の民間団体と学生が、中国と台湾による「両岸サービス貿易協定」の批准に反対し、立法院の議場を占拠。23日には、一部の市民や学生が行政院に突入する事態へと発展している。
その模様については、既に多くのブロガー諸氏が取り上げているから、余り繰り返さないけれど、現地レポートをしているこちらのブログを見ると、流血の事態にまでなっているようだ。
その問題とされる、中台サービス貿易協定とは、両国間で、サービス貿易の自由化を目指し、医療や金融、印刷や出版、建設業から娯楽産業に至るまで、サービス産業の幅広い分野の市場を相互に開放し、参入を容易にするというもの。中国側は80項目、台湾側は64項目を開放するとしている。
こちらにその内容について解説されているけれど、サービス従事者「542万人に影響」するという批判がある。更に、デモをしている台湾の学生からは、この協定によって、台湾が中国に乗っ取られる危険があるという主張まで為されている。
この中台サービス貿易協定が締結されたのは、去年の6月21日のことのなのだけれど、天理大学国際学部准教授は去年9月の段階で、この協定について、「反発を強めている業界の理解を得ること」、「住民の理解を得ること」、「国会の承認を得ること」の3つの課題があると指摘している。
特に、住民の理解を得るという点については、2013年8月に『中國時報』が実施した世論調査で、サービス貿易協定について43.1%が「知らない」と答え、内容についても7割以上が「わからない」とし、協定を支持するかどうかについては、「支持しない」が44.5%と「支持する」の31.1%を上回る結果が出ていた。
つまり当時から、各方面の理解を得る努力が必要だと指摘されていたのだけれど、今年3月17日、立法院(国会)の委員会で与党・国民党が同協定の審査通過を強行採決を行った。
これに対して、台湾住民の間で反発が広がり、支持率10%前半と低迷する馬英九政権への不満も相まって、今回の立法院占拠にまで発展した。
これについて、時事評論員の胡忠信氏は、「馬英九総統が挑戦的な言葉遣いで学生たちとの対話を完全に拒否したことが学生たちの感情に火をつけた。事実上、台湾は"準クーデター"の状態もしくは"革命"の様相を呈してきたと言える。…馬総統と江宜樺行政院長は民意を完全に無視している。近年の不景気と物価の上昇で、台湾の若者たちは将来自分たちが裏切られると感じ始めた。1986年にはフィリピン国民がマルコス大統領を政権から引きずり下ろした。馬総統がこの問題を適当に処理できなければ、全台湾人が彼の辞職を要求する事態にも発展しかねない」とまで述べている。
そして、遂に24日、台湾立法院の内政委員会など8つの常設委員会が合同審議を行い、今回のサービス貿易協定 について、政府に対し「撤回し、大陸側とは改めて交渉するを求める」決議を行った。審議では「審議終了宣言」を含めて17日の審議をすべて無効とし、大陸側との協定締結などについて監督メカニズムを持たせる新法を定めてから、改めて審議すると宣言。同会議に国民党議員は全員欠席したのだけれど、民進党議員は全員が賛成した。
台湾のインターネットでは、「号外!! 反サービス貿易協定が大きな成果!協定が撤回されたぞ!」などの書き込みが相次いでいるそうだ。
正に準クーデターの様相を呈してきた台湾。このまま台湾住民が「勝つと思うな、負けないことを考えろ」の精神で、抗議活動を続けたとき、台湾は大きく動くのかもしれない。
この記事へのコメント
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ケッシュ財団の件のUSBスティック全内容がリーク
ttp://www.onpa.tv/2014/03/19/2333-2
泣き虫ウンモ
そこで、この協定の中身ですが自由がある台湾では、中国人がより自由で自由がある台湾人は中国で、より不自由にというのが協定の中身なのです。
中国人の観光客を狙い撃ちにし、中国人に稼がせようということですね。
さらに、工作活動で台湾を洗脳できたら一石二鳥ということでしょうね。
ななし
片や日本はどうか。
売国奴が今まさに日本を消滅させようとしているにも関わらず、見ざる聞かざる。都合の悪い意見は、「左翼の意見だ!」「マスコミの意見だ!」とレッテルを貼っておしまいにする。さらに酷いのは、「この売国には実はトリックがあって、あとで保守の意味・行動に変わり、逆転満塁ホームランになるに違いない!」とか言ってるんです。
こんな頭おかしい行動をとり売国奴の肩を持ち、事実上売国を推進している。クズにも程がある。
(^o^)風顛老人爺
チャイナは地獄絵図そのものです、内戦状態です新聞テレビでは報道されません。
其処から日本へあの手この手で入り込み居座り続けております。
私は日本と周辺国の紛争低強度戦争は「 半永久戦争 」であると幼い頃から自覚し愚考しております。チャイナやシベリア帰りの身内は自覚し警戒していますがその後の脳内お花畑の輩がガンで大問題でございます。宣伝、長文ご容赦下さい。
付記URLより、元北京語通訳捜査官である坂東忠信氏サイトに接続出来ます。
http://m.ameba.jp/m/blogTop.do?unm=japangard&guid=ON
坂東忠信氏アメーバブログ
チャイナ留学経験者の河添恵子氏サイト
http://kkuniversal.blog34.fc2.com/?mode=m&no=95&cr=c96e2d9078b93958b8e415cd886d8164
河添恵子氏の本が
「 だから中国は日本の農地を買いにやって来る 」 河添恵子氏 産経新聞出版
「
中国崩壊カウントダウン 」
世界と日本のこれから 明成社
ユウ