
今日はこの話題ですけれども、超簡単に…

このほど政府が、少子高齢化に伴って激減する労働力人口の穴埋め策として、移民の大量受け入れの本格的な検討に入ったと報道されている。
これについて、3月14日、菅官房長官は「政府としてそうしたことを決定した事実はない」と否定しているのだけれど、否定しているのは、決定したかどうかいうことであって、議論そのものはされている。
今年1月から、経済財政諮問会議の下に、専門調査会として「選択する未来委員会」というのが設置されているのだけれど、この委員会は、人口減少と高齢化によって、日本の国力が低下していく可能性を鑑み、それを変えるための議論を行うために設けられたようだ。
この「選択する未来委員会」では、中長期的な経済成長と発展の為の方策として次の項目についての議論が為されている。
(1) 潜在成長率この中の3の労働の項目の中の議論として移民が挙げられているのだけれど、2月24日に行われた第3回会議にて、次のような議論が交わされている。少し引用する。
潜在成長率の3要素(労働、資本、生産性)のあり方、それに対応した需要動向
(2) 付加価値生産性の向上
ブランド、デザイン等非価格競争力の強化、これを通じた交易条件の改善
産業の新陳代謝、IT やマーケティングなど経営技術を含めた技術・制度・システムの変革、ネットワークの活用、ベンチャー投資の推進等によるイノベーションの促進
知識資本の蓄積と活用、日本発のグローバル・スタンダードの構築
(3) 労働
女性、高齢者、外国人など多様な人材の活躍と企業経営、移民
日本人の仕事ぶりの長所とされる、丁寧さ、作り込み、正確さの活用
(4) 資本
貯蓄率や経常収支等の見通しと、財政の信認確保を含めた経済財政政策運営への含意、資本蓄積のあり方、活性化すべき国内投資の分野
金融資産の運用効率向上、金融サービス業の競争力強化
(5) 世界経済の構造変化への対応
メガリージョナリズムの流れと、グローバル・バリュー・チェーンの取り込み
国際通貨体制の変動と、国際金融センターとしての東京の地位向上
(羽深統括官) 資料1を御覧いただきたい。ということで、今の日本の出生率のままで推移すると100年後には日本の人口が半分になってしまうという試算があり、それを少しでも食い止めようとするには、出生率を上げていく必要があるという議論が下敷きにある。
1ページ、未来を考えるにあたってのファクトと論点を整理したものである。
まず、人口について、幾つか新しいケースを入れてみた。まず、紫の線が出生率現状ケースで、2060年に8,700万人、2110年には4,300万人まで減少するというのがベースラインだが、それに赤い線、これはこの間説明した出生率が2030年に2.07に回復するというケースを入れている。かなり野心的な水準だが、頭の体操として入れている。
それから、その上にオレンジの線で、さらに移民を毎年20万人ずつ受け入れる。これは日経センターの長期予測を参考に、今、直近では年に5、6万人だが、それを20万人まで増やす、それをすぐ実行したという前提で計算している。そうすると、1億1,000万人ぐらいで安定する。一方で、移民は入れずに出生率の回復だけだと、大体9,000万人で安定するというような姿が描かれている。
《後略》
(岩田委員) 2点申し上げる。…
《中略》
2点目は人口について、先ほど高橋議員の方から、20万人移民を入れていくと100 年経つと大変というお話があり、確かにそうで、スイスでも今5人に1人が外国人労働者になってしまい、つい最近国民投票をやって、シーリングを入れて、移民を入れないこととした。移民を入れないことにより、今度はEU からはじき出される可能性が出てきて、EUから共同のプロジェクトでR&Dなどをやっている人も、みんな出ていかなければいけないのかという話になっている。5人に1人ぐらいになると本当に大変なのかもしれないと私も思う。
ただ、我々が20万人というのを提言したのは、将来9,000 万人で人口が安定的になるという下での20万人ということである。つまり、50 年経っても1,000万人であり、9,000万人のうち1,000万人ぐらい、10人に1人というようなイメージで考えている。20万人というのはフローでいうと、全人口規模にするとイギリスに近いようなものである。もちろん、イギリスも今もう少し厳しくしようという動きも既にあるわけだが、全体として10人に1人ぐらいというのはアコモデートできるような範囲の話ではないかと思う。第3回「選択する未来」委員会 議事要旨より 抜粋引用
そして、例えば、合計特殊出生率を2030年に2.07にまで回復させたとすると、人口は大体9000万人で安定すると試算しているのだけれど、これを今の人口と同じ一億一千万人規模を維持しようとするのなら、今から毎年20万人の移民を受け入れなければならない、ということから、20万人の受け入れという話が出てきたということのようだ。
これに対して、委員会内でも、スイスの例を挙げ、5人に1人が外国人労働者となると大変だけど、毎年20万人の受け入れは、10人に1人くらいだから、なんとか適応できるのではないかという議論がされている。
だけど、いくら10人に1人といっても、その1人が問題児ばかりでは堪ったものじゃない。現在は高度な専門性や技術を持つ人材などに限定して、外国人労働者を年5~6万人規模で受け入れているけれど、毎年20万人を受け入れるとなると高度人材だけでは難しくなってくる。単純労働に門戸を開く必要が出てくる。
この問題は、結局のところ、日本人の側に外国人を受け入れる余地がどれくらいあるかになってくるのだと思うのだけれど、「J-CAST会社ウォッチ」が、2012年2月13日から3月8日までの間に、日本への「移民受け入れ」についてのアンケート調査を実施したところ、「断固反対」が48.5%、「あまり受け入れたくない」の19.3%と、受け入れに否定的な意見が67.8%と7割に迫る結果となった。
果たして、日本人は、外国人移民を受け付けないのか、或いは、どのような外国人であれば、移民として受け入れるのか。2月13日の衆議院予算委員会で、安倍総理は、将来的に移民を受け入れるかどうかについて「わが国の将来のかたちや国民生活全体に関する問題として、国民的議論を経たうえで多様な角度から検討していく必要がある」と述べているけれど、今はまだ、そういうイメージというか、コンセンサスが十分取りきれてないような気もしている。
そこで、日本人が受け入れられる外国人移民のイメージを掴みたく、以下のアンケートをさせていただきたいと思います。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
この記事へのコメント
泣き虫ウンモ
いまの段階で受け入れれば、つまり経済が上向いておらず日本人でも仕事が無い時に来ても、刑務所に入る人が増えるだけでしょうね。
ましてや、消費税増税を決めてますので話になりません。
勉強に来る人は別ですけど。
安上がりな軍隊でもできれば話は違いますが、現況では無理でしょうね。
メイドを雇うような文化もありませんし、日本人には合わないかなぁ。
popper
日比野
>アンケートが表示されません
申し訳ないです。こちらでは表示されているのですが、原因は良く分かりません。
こちらのURLで直接アンケートへいけまますけれども、どうでしょうか?
(アンケートは2問あります)
http://blog.with2.net/vote/v/?id=128076
http://blog.with2.net/vote/v/?id=128077
PN
安倍内閣をつぶせ。
反日安倍政権を打倒しろ。
丸山光三
外国人労働者受け入れ「先進国」かつ移民問題(現在はとくにブルガリアとルーマニアからの)に苦しむドイツでは少子化対策なのか、ドイツ生まれの子供で18歳までドイツの教育を受けた子供に国籍を付与するという法律改正が行われようとしています。さらにはドイツで生まれさえすれば則国籍ゲットという恐ろしい過激な意見もあるようです。そして二重国籍もOKということで、現実的にはEU非加盟の移民すなわちトルコ人対策なのでせうが、こんな「移民法」が成立してしまえばシナ人が大挙して出産に訪れるのは火を見るより明らか、剣呑な事態になりそうです凹
いずれにせよ新法律案は復活祭前に明瞭にする、と政府はのべています。
時を同じくしてわが国でこんな事が起こるとは、何か「国際的陰謀」の存在を疑ってしまいます。そういうものがあるかどうかは知りませんが、グローバリズムを推進する勢力がドイツと日本の件、さらにはウクライナ事件の裏側で蠢いているのだけは感じます。(丸山光三)
keiko
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経済財政諮問会議などの民間議員の方々が多角的な議論が本当にできてるの?
takebaba